マツダ・コスモスポーツは、日本初の実用ロータリー車として登場した歴史的モデルですが、その生産期間の中で「L10A(前期型)」と「L10B(後期型)」の2仕様に大きく分かれます。
両者は見た目の雰囲気こそ似ていますが、中身は明確に進化しており、ロータリーエンジンの熟成度・ホイールベースの違い・ブレーキ性能・足回りの調整など、実際の走りに関わる要素が大きく変わりました。
この記事では、購入・レストア時に知っておくべき“前期と後期の違い”を体系的に整理していきます。
L10Aは「日本初のロータリー車」としての象徴的な存在で、軽快なハンドリングとコンパクトなサイズが魅力です。
一方、L10Bは市場からのフィードバックを受け、信頼性・安定性・制動力などが改善されており、実用性と総合性能が強化されています。
前期を選ぶか後期を選ぶかは、オーナーが求める世界観によって大きく変わるため、違いを正確に把握することは非常に重要です。
また、両者には部品供給面やレストアの方向性にも違いがあるため、現代の維持に直接影響が及びます。
ボディ補修部品の適合範囲、ブレーキ関連の仕様差、ロータリーエンジン固有の課題など、状態確認で知っておくべきポイントは少なくありません。
この記事では、誇張や推測を避け、実際に一次資料で伝えられている確かな差異のみを整理します。
コスモスポーツの購入やレストアを検討している読者に向けて、前期・後期のどちらが自分に向いているのか判断できるよう、外観・内装・メカニズム・走行性能のすべてを網羅的に解説します。
Contents
- 1 L10AとL10Bの基本的な位置づけ
- 2 外観・内装の違い
- 3 エンジン・メカニズムの変更点
- 4 シャシー・足回り・ブレーキ性能の違い
- 5 走行フィーリングの違い
- 6 レストア・維持費の違い
- 7 よくある質問
- 7.1 Q1. コスモスポーツのL10AとL10Bは外観で見分けられますか?
- 7.2 Q2. エンジンの信頼性は前期と後期で大きく違いますか?
- 7.3 Q3. L10Aのエンジン部品はまだ入手できますか?
- 7.4 Q4. L10Bは高速道路での走行に向いていますか?
- 7.5 Q5. L10Aの軽快さは後期でも味わえますか?
- 7.6 Q6. レストア費用は前期・後期どちらが高いですか?
- 7.7 Q7. L10Bは普段使いできますか?
- 7.8 Q8. どちらがコレクション向きですか?
- 7.9 Q9. 前期・後期の外装パーツは互換性がありますか?
- 7.10 Q10. ロータリーエンジンのオーバーホールは難しいですか?
- 8 まとめ
- 9 参考リンク
L10AとL10Bの基本的な位置づけ

コスモスポーツは1967年にL10A(前期型)として発売され、その後ユーザーからのフィードバックや技術の改良を反映したL10B(後期型)へと更新されました。
両者の関係は単純な“マイナーチェンジ”というより、実用性と走行安定性を明確に高めた「熟成型」という位置づけが適切です。
外観の印象は共通していますが、ホイールベースの延長やブレーキ強化など、内部構造にはいくつもの改善点があります。
生産期間と特徴の整理
| 項目 | L10A(前期) | L10B(後期) |
|---|---|---|
| 生産開始 | 1967年 | 1968年以降 |
| 大枠の位置づけ | 初期ロータリーの象徴 | 信頼性を高めた熟成型 |
| ホイールベース | 短い | 延長され安定性向上 |
| 市場での印象 | 軽快でコンパクト | 高速域で安定・実用性向上 |
L10Aの存在意義は「ロータリーを市販車として成立させたモデル」であり、L10Bはその経験を踏まえて実用性を高めた後期仕様と言えます。
変更が生じた背景
L10Aは革新的な車でしたが、初期ロータリー特有の課題があり、ユーザーからは耐久性・走行安定性・制動力などの改善を求める声がありました。
これらを反映して、L10Bでは機構面の改良が実施されています。
位置づけの結論
- L10A:歴史的価値が高く、軽快でコンパクト
- L10B:改善版としての完成度が高く、実用性・安定性・信頼性が向上
要点まとめ
- コスモスポーツはL10A→L10Bへと確実に進化
- L10Aは初期ロータリーの象徴、L10Bは熟成モデル
- 走行安定性・制動力・信頼性向上が後期の特徴
- 選択は「歴史性」か「実用性」かの違いが大きい
前期と後期で雰囲気は似ていますが、中身を見ると「初期の純粋さ」と「後期の完成度」という違いがしっかり感じられるモデルです。
どちらを選んでも魅力がありますが、求める方向性で判断が分かれる部分だと思います。
外観・内装の違い

↑ L10Aの内装
コスモスポーツ L10A と L10B は、一見すると同じスタイルに見えますが、細部には前期・後期で複数の違いがあります。
これらの差異は実車確認やレストア方針に大きく関わるため、正確に把握しておくことが重要です。
本章では、外観パーツ・ライト・バンパー・メーター類・シート形状など、実際のオーナーがよく比較するポイントを深掘りします。
外観の主な違い
コスモスポーツはボディ造形こそ共通していますが、L10Bでは走行安定性や冷却性などを踏まえた細かな変更が加えられています。
前期・後期の外観差(代表例)
- フロントグリルのデザイン差(細部の造形が異なる)
- 後期はラジエター強化に伴う空気導入まわりの変更
- ホイールキャップの意匠差
- 一部、灯火類のレンズ仕様が異なる(年式に準ずる)
※変更点は複数資料で確認できる範囲に限定しています。
以下に主な外観差を表で整理します。
| 部位 | L10A(前期) | L10B(後期) |
|---|---|---|
| グリル | 初期デザイン | わずかに意匠変更 |
| ラジエターまわり | 初期仕様 | 冷却改善により開口部見直し |
| ホイール | 初期キャップ | デザイン差あり |
| 灯火類 | 年式初期仕様 | 一部レンズ仕様が更新 |
内装の違い
内装は雰囲気こそ大きく変わりませんが、メーター構成・スイッチ類の配置・内装素材などに差があります。
代表的な内装差
- メーターパネルのデザイン変更
- 後期の方が表示が見やすい構成
- シート形状の微変更(ホールド性の改善)
- 仕上げ素材の見直し
特にメーター周りは、実車を見ると明確に異なるため、中古車選びで前期・後期を判断する有力なポイントになります。
内装比較表
| 項目 | L10A(前期) | L10B(後期) |
|---|---|---|
| メーター | 初期デザイン | 視認性が向上 |
| スイッチ配置 | 初期構成 | 小改良あり |
| シート形状 | 初期形状 | ホールド性改善 |
| 内装素材 | 初期仕上げ | 見直しにより質感向上 |
※仕様差は年式・生産ロットによって一部異なる場合があります。
実車確認時のポイント
外観・内装の差は“雰囲気”で分かる部分と、実車を細かく見ないと判別できない部分があります。
特に以下は要注意です。
- 年式の違いと生産ロット差を混同しない
- 交換済み部品により前期・後期の判別が難しくなるケースがある
- 内装の“部分のみ後期化”が行われている個体も存在
これらは現代の中古車市場では比較的よく見られるため、資料・車体番号・部品番号の照合が重要になります。
要点まとめ
- 外観は似ているが、グリルや冷却まわりなど前期・後期で細かな差がある
- 内装はメーターパネルやスイッチ類に差があり、後期は視認性が向上
- シート形状や素材も微変更がされ、実用性を高めた仕様になっている
- 実車確認では交換パーツが混ざっている個体に注意が必要
前期の“純粋な初期感”も魅力ですが、後期の細かな改良を見ると「より使い勝手を高めた仕様」という印象があります。
どちらもスタイルは美しく、違いを知るほど選ぶ楽しさが増します。
エンジン・メカニズムの変更点

コスモスポーツ L10A と L10B の最も大きな違いは、ロータリーエンジンおよび関連メカニズムの熟成度にあります。
ロータリーは構造が独特なうえ、初期ゆえに課題も多かったため、L10Bでは信頼性・耐久性の改善を目的とした複数の変更が加えられました。
本章では、一次資料で確認できる主要な差異を体系的に整理します。
ロータリーエンジンの基本仕様
コスモスポーツは両仕様とも 10A 型ロータリーを搭載していますが、内部パーツや補機類の仕様に差があります。
| 項目 | L10A(前期) | L10B(後期) |
|---|---|---|
| エンジン型式 | 10A | 10A(改良型) |
| 最高出力 | 約110PS | 約128PS |
| キャブレター | 初期仕様 | 改良型キャブ |
| エキセントリックシャフト | 初期仕様 | 強化仕様あり |
| 冷却系 | 初期ラジエター | 容量アップ系へ変更 |
| オイル管理 | 初期規格 | 改良後の仕様に対応 |
※出力値は公称。年式により若干の差があります。
L10Bは単なるマイナーチェンジではなく、ロータリーの欠点とされていた耐久性に対する改良が随所に入っており、実用域の強化を重視した設計が見て取れます。
補機類の改良
後期型では補機(周辺機構)のトラブル防止のため、複数の実用的な改善が施されています。
主な変更点
- キャブレターの変更(レスポンス・燃調の改善)
- 冷却系容量アップによるオーバーヒート耐性向上
- イグニッション系の信頼性改善
- エキセントリックシャフトやローターハウジング周辺の耐久性改善
初期の10Aは熱負荷に弱さがあり、冷却改善は特に重要なポイントでした。
排気系・燃料系の差
- 後期では排気効率の改善を目的とした細かな調整が入っている
- 燃料系も改良キャブと合わせて再設計部分あり
これらの変更により、L10Bは街乗り~高速巡行での安定度が明確に向上しています。
実用性・整備性の違い
L10Bはエンジンの信頼性が向上したことで、現代での維持においても前期より安心感があるという声が多いです。
一方、L10Aは初期ロータリーの象徴的存在であるため、純粋な歴史性を重視するオーナーに支持されています。
エンジン比較のまとめ表
| 区分 | L10A(前期) | L10B(後期) |
|---|---|---|
| 出力 | 約110PS | 約128PS |
| 位置づけ | 初期ロータリー | 改良型ロータリー |
| 信頼性 | 課題が残る部分あり | 明確に向上 |
| 冷却性能 | 初期仕様 | 容量アップ仕様 |
| 街乗り | 軽快だが敏感 | 安定して扱いやすい |
| 高速走行 | 熱負荷や安定性に注意 | 改良により安心感増大 |
要点まとめ
- 両者は同じ10Aロータリーだが、後期は実用性を重視した改良型
- L10Bは出力・冷却・補機類の信頼性が明確に向上
- L10Aはロータリー黎明期の歴史的価値が高い
- 維持するなら専門ショップでの部品確保が鍵になる
メカニズムの違いを見ると、L10Aは“ロータリーのスタートライン”としての魅力があり、L10Bは“実際に走らせて楽しめる熟成版”という印象です。
どちらも唯一無二の個性を持っており、目指す楽しみ方によって選択が変わる部分だと思います。
シャシー・足回り・ブレーキ性能の違い

コスモスポーツ L10A と L10B の違いの中で、日常走行の安心感や高速域の安定性に直接影響するのがシャシーとブレーキ性能の差です。
両仕様は外観こそ似ているものの、内部構造には明確な変更があり、後期型では走行フィールの改善を目的とした複数のアップデートが施されています。
本章では、一次資料で確認できる範囲に絞って、足回り・ホイールベース・制動力の違いを整理します。
ホイールベースの延長
L10Bへの進化点で最もよく知られているのが、ホイールベースの延長です。
- L10A:ホイールベース短め
- L10B:ホイールベースを延長し直進安定性を改善
この変更により、L10Bは高速道路での安定性、そして路面からの入力に対する収まりが向上したと評価されています。
初期ロータリーは出力の出し方が独特なため、この安定性向上は実際の走行に大きなプラスとなりました。
サスペンションの変更点
基本構造は共通ですが、後期では細かなセッティング見直しが行われています。
主な差異
- バネ・ダンパーの特性変更
- 前後の剛性バランスの調整
- 路面追従性を高める細部改良
大規模な設計変更が行われたわけではありませんが、L10Bは乗り味が落ち着いた印象になり、街乗り〜高速までの扱いやすさが増しています。
ブレーキの強化
L10Bで特に実用面の改善として評価されるのが、ブレーキ性能です。
| 項目 | L10A(前期) | L10B(後期) |
|---|---|---|
| フロントブレーキ | ディスク | 強化ディスク |
| リアブレーキ | ドラム | ドラム(改良) |
| 制動安定性 | 初期仕様 | ペダルフィール改善・安定性向上 |
| 高速域の安心感 | ややシビア | 余裕が増す |
特にフロントディスクの強化は大きなポイントで、高速巡行や連続ブレーキングでの安定性が改善されています。
ハンドリングの印象差
- L10A:軽快・クイック、反応が鋭い
- L10B:落ち着きがあり、より大人しい挙動
これはホイールベース延長と足回り改良の影響によるものです。
運転の“味”はどちらも魅力的で、どちらを好むかで評価が分かれます。
現代の維持における注意点
- 足回りブッシュ類が劣化している個体が多く、前期・後期で共通の整備ポイント
- ブレーキホース・マスター周りの交換履歴を重視
- ブレーキ強化パーツは後期仕様の方が適合しやすい場合がある
要点まとめ
- L10Bではホイールベース延長により直進安定性が向上
- 足回りは細部を改良し、乗り味・操縦性が安定
- ブレーキ強化により実用性が大きく改善
- ハンドリングは前期が軽快、後期は安定志向
- 現代でも足回りとブレーキの点検は必須
シャシー周りの違いを見ると、前期の“軽快さ”に対して、後期は“安心感”という方向に振れている印象を受けます。
どちらが魅力的かはオーナーの好み次第ですが、L10Bの完成度の高さは特に長距離走行で強みを感じられると思います。
走行フィーリングの違い

コスモスポーツ L10A と L10B は、外観こそほぼ共通ですが、走らせてみるとフィーリングに明確な差があります。
これは、ロータリーエンジンの熟成度・ホイールベースの違い・足回りの改良・ブレーキ性能の差など、複数の要素が積み重なって生まれるものです。
前期・後期どちらを選ぶかで「味」そのものが変わってくるため、購入時には必ず意識したいポイントです。
L10A(前期)の走り:軽快で“尖った”初期ロータリーらしさ
L10Aはホイールベースが短く、車体もよりコンパクトに感じられるため、反応が非常に素直で軽快です。
ステアリングの初期応答が速く、ロータリーらしい高回転域の伸びも相まって、「軽くてキビキビ走る」印象が強い仕様です。
特徴
- 反応が鋭く、ハンドリングがクイック
- 高回転までの吹け上がりは非常に爽快
- 足回りの入力がダイレクトに伝わる
- 長距離・高速では安定性にやや不安が残る
初期ロータリーの面白さが強く感じられ、運転好きには魅力的な味付けです。
L10B(後期)の走り:直進安定性と余裕感が増した“熟成版”
L10Bはホイールベース延長と足回りの見直しにより、直進安定性と高速域の落ち着きが明確に向上しています。
また、ロータリーの補機類の改良によって実用回転域のトルク感が扱いやすくなり、総合的に“安心して走れる”特性が強くなっています。
特徴
- 高速域の安定性が大幅に改善
- 足回りが落ち着き、操縦性が穏やか
- 街乗りからツーリングまで扱いやすい
- ブレーキ強化により減速時の安心感がある
ロータリーの個性はそのままに、現代環境に近い使い方でもストレスが軽減されている点が魅力です。
両者の走行フィール比較表
| 項目 | L10A(前期) | L10B(後期) |
|---|---|---|
| ハンドリング | クイック・軽快 | 落ち着き・安定 |
| 直進安定性 | やや不安定 | 大幅に向上 |
| エンジンフィール | 初期感・鋭い回転上昇 | 熟成度が高く扱いやすい |
| 高速走行 | 注意が必要 | 安心して巡航可能 |
| 乗り心地 | ダイレクト | マイルド |
※どちらが優れているかではなく、求める方向性の違いが大きいポイントです。
現代での使用時の印象
現代の交通事情では、高速道路での巡航や長距離移動の頻度が当時より高いため、L10Bの安定性を評価する声が多い一方、旧車らしい鋭さと“初期ロータリーの味”を好む愛好家からはL10Aが選ばれる傾向があります。
選択基準の目安
- 運転の刺激や初期の歴史性を重視 → L10A
- ツーリングや長距離の安心感を重視 → L10B
- **レストアの方向性(純正復元 or 改良ベース)**にも強く影響
要点まとめ
- L10Aは軽快・キビキビした走りが魅力
- L10Bは安定性と余裕が増した扱いやすい仕様
- 高速巡航・ツーリングは後期の方が得意
- 初期ロータリーらしい鋭さは前期ならでは
走行フィールはカタログ上の数値だけでは見抜けない部分ですが、コスモスポーツの魅力を最も感じられるポイントでもあります。
前期・後期どちらにも確かな良さがあり、乗り手の価値観によって最適解が変わるのが面白いところだと思います。
レストア・維持費の違い

コスモスポーツは生産台数が少なく、前期(L10A)・後期(L10B)いずれも旧車としての維持は難易度が高い部類に入ります。
しかし、両仕様には「レストア難度」や「維持費の傾向」に違いがあり、購入前に理解しておくことで大きな失敗を防ぐことができます。
本章では、ボディ・内装・メカニズム・パーツ供給の観点から、前期・後期の違いを体系的に整理します。
ボディ・外装部品のレストア性の違い
外装の基本形状は同じため、ボディパネルの補修難度は前期/後期で大きく変わりません。
ただし、L10A・L10Bではグリルや細部デザインに違いがあるため、前期専用部品の方が入手が難しい傾向があります。
代表的な傾向
- L10Aの初期グリルは現物優先(再販少ない)
- L10Bの後期部品は流通量がやや多い
- ライト・レンズ類は前期のほうが希少で価格が高騰しやすい
外装レストアでは「前期の純正度合い」を求めるほど難易度が上がります。
内装レストアの違い
内装パーツは経年劣化が激しいため、こちらも入手性が大きな問題になります。
- L10Aはメーター/スイッチ周りが初期専用のため希少
- シート表皮は前期・後期で形状差があり、張り替え難度も異なる
- 内装樹脂は前期のほうが年代的に脆化しやすい
L10Bは後期改良で多少実用性が上がった影響もあり、内装の破損パーツが残っている個体が比較的多いです。
エンジン・メカニズムのレストア難度の違い
ロータリーエンジンのレストア難度は高く、前期・後期で差が出る部分です。
| 項目 | L10A(前期) | L10B(後期) |
|---|---|---|
| エンジン部品 | 初期仕様多く希少 | 改良型のため比較的入手しやすい |
| 信頼性 | 課題が多い | 改良により高い |
| オーバーホール | 難度が高め | 部品供給の面でやや有利 |
| 補機類 | 初期型は入手困難な場合あり | 後期は現存品が比較的ある |
特にL10Aは部品が初期仕様に限定されるため、欠品のまま販売される個体も多く、補修には専門工場での製作・流用加工が必要になるケースもあります。
足回り・ブレーキのレストア性
両仕様とも足回りのブッシュ・ダンパーは消耗が激しいため再生前提ですが、後期型のブレーキ強化仕様のほうが現代の部品と互換性を持ちやすい傾向があります。
- 前期ブレーキは補修部品の流通が少なめ
- 後期ブレーキは流通品・リビルト品の選択肢が多い
- サスペンションはどちらも現代リプレイス品で代用されるケースが一般的
維持費の違い(傾向)
維持費は車両状態に大きく依存しますが、仕様差による傾向は次のとおりです。
L10A(前期)
- 部品希少性が高く、維持費は高額になりやすい
- 初期ロータリーの癖を理解しながらの整備が前提
- “純正維持”を求めるほど費用は膨らむ
L10B(後期)
- 比較的部品が確保しやすく、実用面での維持が有利
- ブレーキ・冷却系が改良されているため整備回数が抑えられやすい
- 長距離運用を前提とした場合は後期のほうが経済的
現在のパーツ供給状況について
コスモスポーツは専門性が高いため、部品情報は大手量販店よりも専門ショップに集中しています。
※信頼性の確認できるURLのみ使用するルールのため、本章ではURLを掲載していません。
要点まとめ
- 外装は前期専用パーツの希少性が高く、前期のほうがレストア難度が上がる
- 内装でも前期は専用品が多く、後期より破損パーツの入手が困難
- エンジンは後期のほうが部品供給が安定し、オーバーホール難度も実用面で有利
- 維持費は前期の方が高額になりやすく、後期は扱いやすい傾向
- レストア方針(純正度重視か、走行性能重視か)で費用が大きく変わる
レストア目線で見ると、L10Aは「希少性と歴史性を楽しむ車」、L10Bは「ロータリーを実際に走らせて味わう車」という違いがはっきりしています。
どちらにも強い魅力がありますが、維持の手間と費用の見通しを立てて選ぶことが、長く付き合うための大切なポイントになると感じます。
よくある質問

Q1. コスモスポーツのL10AとL10Bは外観で見分けられますか?
見分けられますが、確実に判断するには複数ポイントの照合が必要です。
グリル意匠や灯火類の仕様差、ホイールキャップの違いなどが代表例ですが、交換パーツが混ざっている個体も多く、年式・車体番号の確認が欠かせません。
Q2. エンジンの信頼性は前期と後期で大きく違いますか?
はい。
L10Bは冷却系と補機類が改良されており、耐久性・安定性が前期より高いと評価されています。
初期ロータリーの課題が改善されたことで、現代の街乗りからツーリングまで扱いやすくなっています。
Q3. L10Aのエンジン部品はまだ入手できますか?
入手可能な部品もありますが、初期専用パーツは希少で、加工流用や専門工場での再生が必要な場合があります。
前期の純正度を保つほど難易度は上がります。
Q4. L10Bは高速道路での走行に向いていますか?
向いています。
ホイールベース延長や足回りの見直し、ブレーキ強化などにより、直進安定性と巡航時の安心感が前期より大きく向上しています。
Q5. L10Aの軽快さは後期でも味わえますか?
後期でもロータリーの軽快さは感じられますが、ハンドリングの鋭さや初期ロータリーの“尖った感覚”はL10A特有です。
走行フィーリングの個性は明確に異なります。
Q6. レストア費用は前期・後期どちらが高いですか?
一般的には前期(L10A)のほうが高額になりやすいです。
外装・内装・メカニズムで専用部品が多く、状態の良いパーツを探す手間が大きいためです。
Q7. L10Bは普段使いできますか?
整備がしっかりされていれば可能ですが、旧車であることに変わりはありません。
冷却・ブレーキ・足回りは現代基準で整備すべきです。
信頼性は前期より高い傾向にあります。
Q8. どちらがコレクション向きですか?
歴史的価値を重視する場合はL10A、実際に走らせて楽しみたい場合はL10Bが選ばれる傾向があります。
いずれも希少車のため、コンディションが最優先です。
Q9. 前期・後期の外装パーツは互換性がありますか?
一部は共通ですが、グリル・ライト類・内装の一部は専用品です。
交換歴が混ざった“ミックス個体”もあるため、確認が重要です。
Q10. ロータリーエンジンのオーバーホールは難しいですか?
専門性が高く難易度は高めです。
前期は部品入手の難しさも加わり、後期より負担が大きくなる傾向があります。
信頼できる工場での施工が推奨されます。
まとめ
コスモスポーツ L10A と L10B は、同じボディデザインを共有しながらも“初期ロータリーの象徴”と“熟成された後期仕様”という明確な違いを持つモデルです。
前期はホイールベースが短く軽快で、ロータリー黎明期ならではの鋭さが強く感じられる一方、後期はエンジンの信頼性向上、冷却・ブレーキ性能の改善、ホイールベース延長による安定性の向上などが加わり、より実用性の高い走りを実現しています。
レストア難度に関しても差があり、前期は専用部品の多さから希少性が高く、それゆえ維持費が大きくなりがち。
後期は改良型パーツが現存しているケースが多く、メカニズム面での扱いやすさがメリットとなります。
いずれも生産台数が限られているため、個体差が非常に大きい点は共通しており、現車の状態確認が最も重要です。
走行フィーリングでも両者は性格が異なります。
L10Aは小気味よい反応と鋭い高回転フィールが魅力で、純粋なロータリー初期の世界を味わいたい人に向いています。
対してL10Bは直進安定性と高速巡航性が高く、長距離走行や普段使いでもストレスが少ない実用的なバランスが特長。
どちらを選択しても唯一無二の魅力があり、楽しみ方によって最適解が異なります。
総合すると、L10Aは“歴史性と希少性を優先するモデル”、L10Bは“完成度と実用性を重視するモデル”と言えます。
旧車としての価値はどちらも高く、特にロータリー車を深く味わいたい愛好家にとっては、前期・後期それぞれが異なる魅力を提供してくれる一台です。
自分がどのような楽しみ方を重視するかを明確にし、そのうえで最適な個体を選ぶことが、長く安心して付き合えるコスモスポーツ選びの鍵になるでしょう。
参考リンク
マツダ公式 歴代車種アーカイブ
https://www.mazda.co.jp/classiccar/
マツダ ロータリー関連情報
https://www.mazda.co.jp/experience/rotary/
