ギャラン A70

【ギャラン A70】セダンとハードトップの違いは?外観・構造・維持費まで徹底解説

ギャラン A70を探していると、「セダン」と「ハードトップ」が並んで紹介されていて、見た目の違いは分かっても“何が決定的に違うのか”までは掴みにくいですよね。

旧車の購入・保管・レストアでは、この違いの理解がそのまま費用と手間に直結します。

たとえば、窓まわりやドアの構造、ピラーの有無によるボディの性格、内装部品の共通性、錆が出やすいポイント、ガラスやウェザーストリップ類の補修難易度などは、後から気づくと負担になりがちです。

この記事では、外観の見分け方だけでなく、構造上の差がどんな整備・維持費の差につながるのかを整理し、「今どうすべきか」としては、まず候補車の“窓まわり・雨漏り痕・ドア建付け・部品欠品”を重点チェックする、という手順まで落とし込みます。

Contents

【ギャラン A70】セダンとハードトップの違いを最短で整理

最初に結論を端的に整理すると、ギャラン A70のセダンハードトップの違いは、見た目の好みだけではなく、構造・維持・レストア難易度に直結する本質的な差があります。

まずは全体像を把握してから、細部を深掘りしていくのが安全です。

まず押さえる基本区分

A70世代における両者の位置づけは、次の通りです。

区分セダンハードトップ
基本性格実用・安定志向デザイン・雰囲気重視
ボディ構造ピラーありセンターピラーレス
窓まわりフレーム付きフレームレス
剛性高め低め(年代相応)
維持難易度比較的穏やか条件次第で高い

この段階で重要なのは、ハードトップ=上位互換ではないという点です。

性格が違うだけで、優劣の関係ではありません。

当時の設計思想の違い

A70が登場した1970年代後半、セダンとハードトップは明確に役割分担されていました。

  • セダン
     → 日常使用・法人需要・長期保有を前提
  • ハードトップ
     → スタイリング・所有満足感を重視

そのため、ハードトップは見た目の開放感を優先し、構造的な合理性は一部犠牲になっています。

現代の視点で見た「違いの重み」

現在この差がどう影響するかを整理すると、次のようになります。

観点影響の出方
ハードトップの方が注意点が多い
雨漏り窓まわり構造差が直結
部品ハードトップ専用品が多い
実用セダンの方が扱いやすい

購入後に「思っていたのと違った」と感じやすいのは、ハードトップの構造差を理解しないまま選んだケースです。

最初にやるべき判断軸

最短で失敗を避けるための考え方は、次の通りです。

  • 見た目・雰囲気最優先 → ハードトップ
  • 維持・実用・安心感 → セダン
  • レストア前提 → 個体状態がすべて

ここで重要なのは、「どちらが人気か」ではなく、自分の使い方にどちらが合うかです。


要点まとめ

  • セダンとハードトップは性格が根本的に違う
  • ハードトップはデザイン重視、維持難易度は高め
  • セダンは実用性・安定性に優れる
  • 最初に用途を決めることが失敗回避の近道

資料を見比べていると、同じA70でも佇まいがまるで違って見えますね。

セダンの落ち着きと、ハードトップの開放感は、どちらも当時らしい魅力だと感じます。

外観の見分け方:ピラー・窓枠・ドア形状のポイント

ギャラン A70のセダンとハードトップは、並べて見ると一目で分かる部分もありますが、写真や現車確認では意外と見落としやすい差も存在します。

ここでは、旧車購入時に役立つ「確実に判別できる外観ポイント」を構造と絡めて整理します。

最大の違いはセンターピラーの有無

最も分かりやすく、かつ本質的な違いがセンターピラー(Bピラー)の有無です。

項目セダンハードトップ
センターピラーありなし
側面の印象直線的・堅実開放的・軽快
ドア開口時枠が残る大きく開く

ハードトップは、前後ドアのガラスを下げると側面が完全に抜けたような外観になります。

これはスタイリング上の大きな魅力ですが、同時に構造的な弱点にもつながります。

窓枠(サッシュ)の構造差

次に注目すべきは、ドアガラスの縁取り構造です。

項目セダンハードトップ
ガラスフレーム付きフレームレス
サッシュ明確に存在基本的になし
密閉性高い調整依存

ハードトップのフレームレスガラスは、見た目のスマートさと引き換えに、ガラス位置調整とウェザーストリップの状態が重要になります。

ドア形状と重さの違い

ドア自体にも差があります。

  • ハードトップのドア
     → ガラス面積が大きく、重量が増しやすい
  • セダンのドア
     → 枠がある分、構造的に安定

この違いは、ドアの下がり・建付けのズレとして現れやすく、現車確認では必ずチェックしたいポイントです。

ルーフラインとガラス形状

外観上の印象を決める要素として、ルーフからリアにかけてのラインも異なります。

観点セダンハードトップ
ルーフ実用的な形状低く流れる
リアガラス面積控えめ広く傾斜
全体印象落ち着きスポーティ

特にハードトップは、ガラス面積の大きさ=夏場の室内温度上昇にも影響します。

写真だけで判断する際の注意点

ネット掲載写真では、以下の点に注意が必要です。

  • ガラスが上がった状態だと判別しにくい
  • エンブレムや説明文が誤っている場合がある
  • 後年改修で部品が入れ替わっている可能性

可能であれば、ドアを開けた状態の写真を確認するのが確実です。


要点まとめ

  • 最大の違いはセンターピラーの有無
  • ハードトップはフレームレスガラス構造
  • ドア形状と重量差が建付けに影響
  • 写真判断ではガラスと開口部を重点確認

同じ車名でも、横から見たときの空気感はかなり違いますね。

ガラスを下げたハードトップの姿には、当時ならではの華やかさが感じられます。

構造の違いが乗り味に出る:ボディ剛性・静粛性・締まり感

外観の違いは分かりやすいポイントですが、実際にA70を「走らせる」「維持する」段階で効いてくるのが、ボディ構造の差が生む乗り味の違いです。

ここはカタログでは触れられにくく、所有して初めて実感しやすい部分でもあります。

センターピラーの有無が生む剛性差

セダンとハードトップの構造差を一言で表すなら、ボディを縦に支える柱があるかどうかです。

項目セダンハードトップ
センターピラーありなし
ねじれ耐性高い低め
経年影響出にくい出やすい

ハードトップは開放感と引き換えに、**経年でのボディの「よじれ」や「歪み」**が出やすくなります。

走行時の締まり感の違い

現代車ほど顕著ではありませんが、走行中の印象にも差が出ます。

  • セダン
     → 路面入力が素直、ボディが一体的
  • ハードトップ
     → 路面によっては微振動を拾いやすい

これは劣化ではなく、設計上の性格差と捉えるべき部分です。

静粛性と風切り音

静粛性に関しては、窓まわり構造が大きく影響します。

観点セダンハードトップ
窓密閉安定調整依存
風切り音出にくい出やすい
雨天安心感あり個体差大

ハードトップは、ガラス位置調整が適切でないと風切り音や雨侵入につながることがあります。

ドアとボディの関係性

構造差はドアにも現れます。

  • ハードトップはドアが重く、長い
  • ヒンジ・キャッチへの負担が大きい
  • 建付けズレがガラス位置に影響

このため、ドア調整の良し悪しが快適性に直結します。

経年車としての現実的な捉え方

重要なのは、これらの差を「欠点」と捉えないことです。

捉え方考え方
セダン安定・安心・扱いやすい
ハードトップ雰囲気・開放感・時代性

どちらもA70らしさの一部であり、乗り味の違い=キャラクターの違いです。


要点まとめ

  • 剛性差はセンターピラーの有無が大きい
  • ハードトップは経年影響が出やすい
  • 静粛性はセダン有利
  • 乗り味は優劣ではなく性格差

資料を追っていると、当時はこの構造差すら「選ぶ楽しさ」の一部だったのだろうと感じます。

走りの質感も含めて、時代の空気を味わえるポイントですね。

錆・雨漏り・ウェザーストリップ:維持で差が出る弱点部位

ギャラン A70のセダンとハードトップで、維持費や手間に最も直結しやすい差が出るのが、錆・雨漏り・ウェザーストリップといった「水に関わる部分」です。

ここは購入前後で必ず把握しておくべきポイントになります。

錆びやすさに影響する構造差

基本的な鋼板品質は同世代で共通ですが、構造の違いによって錆の出方に傾向差があります。

部位セダンハードトップ
フロア比較的安定水侵入で進行しやすい
サイドシル錆びるが把握しやすい内部腐食に気づきにくい
ピラー基部要注意そもそも構造が異なる

ハードトップはセンターピラーがない分、水の逃げ場が限定され、内部に滞留しやすい構造になります。

雨漏りが起きやすいポイント

雨漏りの発生源は、セダンとハードトップで明確に異なります。

箇所セダンハードトップ
フロントドア上部まれ比較的多い
センター部ピラーで遮断ガラス合わせ目
リアクォーター限定的要注意

ハードトップは前後ドアガラスの合わせ目が弱点になりやすく、ガラス調整とゴムの状態がそのまま密閉性に影響します。

ウェザーストリップの重要性

A70世代では、ウェザーストリップの劣化が避けられません。

  • ゴム硬化による密閉不良
  • 縮み・亀裂による隙間発生
  • 専用品ゆえの再入手難

特にハードトップ用は形状が複雑で、状態の良し悪しが快適性を大きく左右します。

応急対応と根本対応の違い

雨漏り対策には段階があります。

対応内容
応急調整・簡易シール
中期中古良品交換
根本ゴム再製作・加工

ハードトップの場合、根本対応が必要になるケースが多く、費用と時間が読みにくいのが実情です。

購入前に必ず見るべきチェックポイント

失敗を避けるため、次の点は必ず確認したいところです。

チェック理由
フロア下雨水侵入の痕跡
内装裏見えない腐食
ゴム硬化再生困難
ドア閉まり建付け判断

要点まとめ

  • 水回りトラブルはハードトップの方が出やすい
  • 錆は内部進行型に注意
  • ウェザーストリップの状態が維持費を左右
  • 購入前の確認で将来負担が大きく変わる

古い資料を見ていると、当時はここまで長期使用を想定していなかったのかもしれませんね。

だからこそ、今残っている個体のコンディションには、その後の扱われ方が色濃く出ている気がします。

ガラス・モール・内装トリムの共通性と入手性

ギャラン A70のセダンとハードトップで、維持やレストア時に静かに効いてくる差が、ガラス類・モール類・内装トリムの共通性と入手性です。

走行に直結しない部分だからこそ、後回しにされがちですが、実際には満足度と出費を大きく左右します。

ガラス類の共通性は限定的

まずガラス関係ですが、共通している部分は意外と少ないのが実情です。

部位セダンハードトップ
フロントガラス共通例あり共通例あり
フロントドアガラス専用専用(フレームレス)
リアドアガラス専用専用
リアガラス形状違い大型・傾斜強め

特にハードトップのドアガラスは、フレームレス専用品のため流用が効かず、欠品時の代替が難しくなります。

モール類は「見た目以上に重要」

モールやトリムは装飾要素と思われがちですが、実際には防水・防風・建付け補助の役割も担っています。

モール種別注意点
ウインドウモール歪み・浮きで雨漏り
ルーフサイドハードトップ専用形状
ピラー周辺セダンのみ存在

ハードトップはモール点数が多く、1点欠けるだけで全体の印象が崩れやすいのが特徴です。

内装トリムの差と入手難易度

内装についても、両者で差が出ます。

  • セダン
     → 比較的シンプル、流用しやすい
  • ハードトップ
     → 専用形状・装飾多め

特に以下の部位は注意が必要です。

部位理由
ドア内張ガラス形状と連動
リア内張ボディ形状依存
天井材ルーフ形状違い

これらは状態が悪いと修復難易度が一気に上がる部位です。

現在の入手性の現実

A70世代全体に共通する話ですが、供給状況は以下の通りです。

区分現状
新品純正ほぼ終了
中古個体差大
再生加工前提
汎用限定的

ハードトップ用部品は、中古市場でも出物が少なく、価格も読みにくい傾向があります。

購入時に見るべき優先順位

将来の負担を減らすなら、次の順で確認するのが現実的です。

  1. ガラス割れ・欠け
  2. モール欠品・変形
  3. 内装トリムの破損

これらが揃っている個体は、結果的に総コストが抑えられる可能性が高くなります。


要点まとめ

  • ガラス類の共通性は限定的
  • ハードトップは専用部品が多い
  • モール・内装は欠品時の負担が大きい
  • 購入時の状態確認が最重要

写真だけでは分かりにくい部分ですが、実際に資料を追っていくと、細かな部品が車の雰囲気を支えているのがよく分かります。

こうした積み重ねが、A70らしさを形作っているのかもしれませんね。

レストア難易度の違い:直せる所と“揃わない所”

ギャラン A70のセダンとハードトップをレストア前提で考える場合、両者の違いは「技術的に直せるか」よりも、部品や形状が揃うかどうかに集約されます。

ここを誤解すると、途中で計画が止まる原因になります。

構造部の修復難易度

まず、板金や骨格といった構造部については、両者で決定的な差はありません。

項目セダンハードトップ
フロア修復対応可能対応可能
サイドシル定型作業形状注意
ルーフ比較的単純広面積で歪みやすい

ハードトップはピラーがない分、歪み取りや建付け調整に手間がかかる傾向がありますが、技術的に不可能というわけではありません。

「直せるが揃わない」代表例

レストアで詰まりやすいのは、次のような部位です。

部位理由
ドアガラス専用品・再製困難
ウェザーストリップ形状複雑
モール類欠品多発
内装トリム色・柄再現不可

特にハードトップは、一点欠けるだけで全体の完成度が下がる部品が多く存在します。

セダンのレストアが現実的な理由

同じA70でも、セダンのほうが現実的とされる理由は以下です。

  • 専用部品が比較的少ない
  • 流用・加工の選択肢が広い
  • 建付け調整の自由度が高い

結果として、完成形にたどり着きやすいのがセダンです。

ハードトップを選ぶ場合の覚悟

ハードトップをベースにするなら、次の意識が必要になります。

覚悟内容
妥協完全再現を目指さない
時間長期戦を前提
情報部品情報を事前収集

雰囲気重視であれば十分に魅力的ですが、「完璧」を求めるほど難易度が跳ね上がるのが実情です。

レストア前提の判断基準

判断を誤らないための整理は、次の通りです。

  • 完成度重視 → セダン
  • 雰囲気重視 → ハードトップ
  • 初レストア → セダン推奨

要点まとめ

  • 技術的修復は両者とも可能
  • 揃わないのは主にハードトップ専用品
  • セダンは完成度に到達しやすい
  • ハードトップは覚悟と柔軟性が必要

資料を眺めていると、当時は「乗り換える前提」の車だったのだろうと感じます。

だからこそ、今この形で残していくには、現実的な線引きが大切なのかもしれませんね。

実用目線の維持費:消耗品・車検・整備の考え方

ギャラン A70のセダンとハードトップを日常的に動かす前提で考えた場合、維持費の差は「構造差が生む手間」によって現れます。

金額そのものより、頻度・調整・待ち時間が効いてくる点を押さえておくと判断しやすくなります。

法定費用は基本的に同条件

まず前提として、法定費用にセダン/ハードトップの区別はありません。

項目影響要因
自動車税排気量
重量税車重・登録年
自賠責共通
任意保険使用条件

ここは個体差ではなくスペック差で決まります。

消耗品で差が出やすいポイント

日常維持で差が出やすいのは、次の部位です。

部位セダンハードトップ
ウェザーストリップ比較的安定調整・劣化で交換頻度増
ガラス調整低頻度定期的な再調整が必要
ドアヒンジ負担小重量増で摩耗しやすい

ハードトップは消耗品+調整工賃が重なりやすい点が特徴です。

車検時に指摘されやすい箇所

車検で差が出やすいのは、以下の実務ポイントです。

  • 窓の開閉状態・位置ズレ
  • ドアの閉まり・ガタ
  • ゴム劣化による視界不良

特にハードトップは、調整不良がそのまま指摘事項になりやすい傾向があります。

整備スタンスの違い

維持を楽にする考え方も異なります。

スタンスセダンハードトップ
予防整備効きやすい調整前提
乗りっぱなし可能不向き
保管屋外可屋内推奨

ハードトップは保管環境がそのまま維持費に影響します。


要点まとめ

  • 法定費用は差がない
  • 実用維持では調整・消耗品で差が出る
  • ハードトップは手間込みで考える
  • 保管環境が維持費を左右する

数字だけを見ると大差はありませんが、付き合い方で体感コストは変わりそうですね。

気を配る時間も含めて楽しめるかどうかがポイントだと思います。

どちらを選ぶべきか:用途別(雰囲気重視/実用重視/レストア前提)

ここまでセダンとハードトップの違いを構造・維持・部品の観点から整理してきましたが、最終的な判断は**「どちらが優れているか」ではなく、「どう使いたいか」**に尽きます。

用途別に現実的な考え方をまとめます。

雰囲気・スタイル重視の場合

A70らしい時代感や見た目の華やかさを最優先するなら、ハードトップは非常に魅力的です。

観点評価
佇まい開放感が強い
側面シルエット低く流れる
写真映え高い

ただし、維持の手間や部品難を受け入れる前提が必要になります。

見た目を取る代わりに、管理の難易度が上がる点は理解しておくべきです。

実用・長期保有重視の場合

無理なく長く付き合うなら、セダンの現実性は非常に高いです。

観点評価
剛性安定
雨漏り起きにくい
部品対応しやすい

通勤や定期的な走行を考えるなら、セダンの安心感は大きなメリットになります。

レストア前提で考える場合

完成度を重視するレストアでは、セダンが有利です。

観点セダンハードトップ
完成度到達現実的難易度高
専用品少なめ多い
妥協点

ハードトップは「雰囲気重視のレストア」には向きますが、完全再現を目指すほどハードルが上がる点は覚悟が必要です。

後悔しにくい選び方の整理

最終判断を整理すると、次のようになります。

  • 見た目・所有感最優先 → ハードトップ
  • 維持・安心感・実用 → セダン
  • 初旧車・初レストア → セダン推奨

要点まとめ

  • 選択基準は用途と価値観
  • 雰囲気重視ならハードトップ
  • 実用・長期保有ならセダン
  • 初心者ほどセダンが現実的

同じA70でも、どこに魅力を感じるかで答えは変わりますね。

資料を見ていると、どちらも当時の三菱らしい「選ぶ楽しさ」を持っていたように感じます。

よくある質問

Q1. セダンとハードトップ、購入後に「後悔しやすい」のはどちらですか?

後悔が起きやすいのは、雰囲気だけでハードトップを選んだ場合です。

特に、雨天走行・屋外保管・頻繁な乗車を想定しているにもかかわらず、構造差を理解せずに選ぶと、想定外の調整や補修が重なりやすくなります。

一方、セダンで「物足りなさ」を感じるケースはありますが、実務的な後悔は比較的少ない傾向です。

Q2. ハードトップは屋外保管だと致命的ですか?

致命的とまでは言えませんが、リスクは確実に高まります

特にウェザーストリップの劣化が進行しやすく、雨漏り → 内装裏の腐食 → フロア錆という流れに発展しやすい構造です。

屋外保管の場合、定期的な点検と割り切りが必要になります。

Q3. セダンは「つまらない」と感じることはありませんか?

スタイリング面では、ハードトップに比べて華やかさは控えめです。

ただし、走らせる頻度が高い人ほど、セダンの安心感が評価に変わるケースが多いです。

結果的に「気兼ねなく使える=満足度が高い」と感じる人も少なくありません。

Q4. ハードトップは調整さえ完璧なら問題ないのですか?

一時的には問題なくても、経年で再調整が必要になる前提と考えるべきです。

フレームレスガラスは、ボディのわずかな歪みやゴムの硬化に影響を受けやすく、完璧な状態を長期間維持するのは簡単ではありません。

Q5. セダンとハードトップで「致命的になりやすい欠陥」は違いますか?

違います。

セダンはフロアやピラー基部の錆が進行すると修復費がかさみます。

一方ハードトップは、雨漏り由来の見えない腐食や、ガラス・モール欠品による「完成しない状態」に陥りやすい点がリスクです。

Q6. レストア途中で止まりやすいのはどちらですか?

ハードトップです。

理由は単純で、直せても「揃わない部品」に行き当たる可能性が高いからです。

技術や費用以前に、「代替がない」ことで計画が止まるケースが見られます。

Q7. 将来的な価値を考えるならハードトップ有利ですか?

一概には言えません。

確かに見た目の希少性は評価されやすいですが、完成度が低いハードトップより、状態の良いセダンの方が評価されるケースも多く見られます。

名称や形状より、保存状態の方が影響は大きいです。

Q8. 初めて旧車を所有するなら、やはりセダンですか?

現実的にはセダンのほうが失敗は少ないです。

「まずA70という車に慣れる」という意味では、構造が素直でトラブルの予測がしやすいセダンは良い入口になります。

Q9. ハードトップを選ぶ人は、どんなタイプが向いていますか?

次の条件に当てはまる人です。

  • 屋内保管ができる
  • 多少の不調や調整を楽しめる
  • 完璧さより雰囲気を重視する

これらに納得できるなら、ハードトップは非常に満足度の高い選択になります。

Q10. 最終的に迷ったら、どこを見て決めるべきですか?

**「この個体と10年付き合えるか」**を基準に考えるのが現実的です。

形状よりも、錆・欠品・保管履歴・前オーナーの扱い方を重視したほうが、結果的に後悔は少なくなります。


まとめ

ギャラン A70のセダンとハードトップの違いは、単なるデザインの好みではなく、**構造が生む「付き合い方の違い」**にあります。

ハードトップは開放感と時代性に優れ、所有する満足感は非常に高い反面、雨漏り・調整・専用部品といった点で、長期的な覚悟が必要な構成です。

対してセダンは、派手さこそ控えめですが、剛性・密閉性・部品事情の面で現実的で、無理なく長く付き合える素地を持っています。

重要なのは、どちらが上かを決めることではありません。

どんな頻度で乗るのか、どこに保管するのか、どこまで完成度を求めるのか

この3点を先に明確にしないまま選ぶと、後から「こんなはずではなかった」と感じやすくなります。

A70は、選び方次第で非常に満足度の高い旧車になります。

雰囲気を楽しむのか、実用を重ねるのか、レストアを完成させたいのか。

自分の価値観に正直に向き合い、その基準に合った個体を選ぶことが、結果的に一番の近道になるはずです。

-ギャラン A70