ホンダNSX(NA1・NA2型)オーナーの間で、いま最も注目されている整備メニューが**「NSXリフレッシュプラン」**です。
これはメーカー公式が手掛ける再生プログラムで、劣化した愛車を“新車同等の状態”へ蘇らせるという夢のような内容。
ただし、その費用は数百万円単位。
「本当にそこまで払う価値があるのか?」
と疑問を持つ人も少なくありません。
この記事では、価格・施工内容・評判・注意点まで、一次情報をもとに徹底検証。
「受けるべきか、見送るべきか」の判断材料を、わかりやすく整理します。
Contents
ホンダNSXのリフレッシュプランとは?その内容と目的を詳しく解説

公式プログラムの概要
ホンダが自社開発したNSX(NA1/NA2)を対象に、エンジン・足回り・内外装・電装まで全面的に再生する純正整備プログラム。
もともと「10年、20年後も安心して乗ってもらう」ことを目的に、NSX専門の整備士が中心となって設計されたものです。
| 内容 | 価格目安(税別) |
|---|---|
| 軽整備プラン(部分リフレッシュ) | 約200万円前後 |
| フルリフレッシュプラン(エンジン・足回り・塗装含む) | 約400〜500万円以上 |
初めて見ると「高い!」と感じますが、これは単なるオーバーホールではなく、“車両の再生”というレベルの作業にあたります。
対象車種と実施体制
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象モデル | NSX NA1 / NA2(MT・AT両対応) |
| 実施拠点 | Honda Cars 特定店(NSX専任技術者在籍店舗) |
| 所要期間 | 平均3〜6か月(部品在庫次第では1年待ちも) |
| 施工保証 | ホンダ純正保証・整備記録発行あり |
全国のHonda Carsの中でも、専任メカニック資格を持つ店舗のみが実施可能。
作業中はエンジンやミッションがメーカー工場に送られ、一台ごとにリビルドラインで分解・再組立てされます。
主な施工内容と費用内訳
| 整備項目 | 目安費用 | 内容概要 |
|---|---|---|
| エンジンオーバーホール | 約80〜120万円 | 分解清掃・主要部品再生・ベアリング・ガスケット全交換 |
| ミッション/クラッチ整備 | 約60万円前後 | ギア・シンクロ・クラッチ板交換など |
| サスペンション交換 | 約60〜80万円 | ブッシュ・ショック・アーム交換 |
| ブレーキ回り整備 | 約30〜50万円 | キャリパー・マスターシリンダー再生 |
| 内装再生・清掃 | 約30〜50万円 | レザー補修・スイッチ交換・ダッシュ再塗装 |
| 外装塗装(全塗装) | 約100〜150万円 | 下地剥離〜再塗装・クリア層再施工 |
実際の施工金額は「車両状態+オーナーの希望」により大きく変動。
SNS上では総額300〜400万円がボリュームゾーンとの声が多数です。
施工の流れ
- 事前診断(現車チェック+見積もり)
- リフレッシュメニュー決定(劣化度合い・使用目的に応じて提案)
- 部品発注・作業着手(部品製造遅延がある場合も)
- 最終検査・納車(整備記録簿付きで返却)
部品は“再生品”ではなく純正新規生産パーツが中心。
一部はホンダが新たに金型を起こして再製造しているという徹底ぶりです。
リフレッシュプランを受けたオーナーの声
ポジティブな評価
- 「納車時のフィーリングが戻った。ステアリングの感触まで新車同然!」
- 「再塗装の艶が純正と同じで感動した」
- 「エンジンの滑らかさが別物。レスポンスが明らかに変わった」
慎重派の意見
- 「全て頼むと高額すぎる。必要箇所だけ選択した」
- 「社外ショップとの併用でコストを抑えた方が満足度が高かった」
- 「納期が読めない。部品待ちで半年延びたことも」
SNS・ブログなどを総合すると、満足度は非常に高いがコスパは個体次第。
劣化が進みすぎる前に受けるのが“損をしないタイミング”といえます。
錆びないNSXの“落とし穴”|実は注意が必要な部位
NSXはアルミボディ構造で「錆びない車」と言われますが、実際は白サビ・電蝕が発生することがあります。
特に劣化しやすいのは以下の部位です。
| 部位 | 劣化原因 |
|---|---|
| フロアボルト周辺 | 雨水・湿気の侵入 |
| リアフェンダー内側 | 接合部の電蝕 |
| エンジンマウント付近 | 熱と水分による腐食 |
目に見えない部分で酸化アルミ層が進行している例もあるため、
ガレージ保管・防錆コート施工は**“必須の延命策”**です。
自分でできる整備と、メーカーに任せるべき整備の線引き
| 区分 | 内容例 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 自分で行う | オイル交換・エアクリーナー交換・内装清掃 | 日常メンテ派 |
| 専門店に依頼 | 足回り調整・キャリパーOH・センサー交換 | 旧車経験者 |
| メーカーへ依頼 | エンジン・ミッション・電装・塗装再生 | 長期所有志向/資産保全派 |
DIYで補える部分を上手く切り分けると、総コストを2〜3割削減できるケースもあります。
まとめ:NSXリフレッシュプランは“愛情”の投資か?
✅ メーカー公式による唯一の“全体再生プログラム”
✅ コストは300〜500万円だが、“新車感覚”を再び得られる
✅ 錆びないと言われるNSXにもアルミ腐食リスクあり
✅ 部分依頼・DIY併用でコスト最適化が可能
✅ 劣化が進む前の判断が、費用対効果のカギ
最初は「リフレッシュに500万円…?」と半信半疑でした。
でも調べていくうちにわかったのは、これは**整備ではなく“再生事業”**なんです。
NSXは今でも海外で高評価を受け続ける、日本が世界に誇るスーパーカー。
それをメーカー自らが再び蘇らせてくれるという事実が、まず感動的ですよね。
対象モデルと整備メニューの詳細
対象車種と対応範囲
NSXリフレッシュプランの対象となるのは、初代NSX(NA1/NA2型)全車種です。
ミッション形式(MT/AT)は問わず、国内仕様・輸出仕様ともに受付可能。
ただし、以下の条件を満たす必要があります。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象型式 | NA1(1990〜1996年)/NA2(1997〜2005年) |
| 駆動方式 | MR(ミッドシップ) |
| 対応トランスミッション | 5MT・6MT・4AT |
| 対応地域 | 日本国内ディーラーにて実施(海外持ち込みは要相談) |
| 必要条件 | 純正仕様を維持していること(社外改造がある場合は要審査) |
改造車や、事故歴のある車両は一部メニューが制限されることもあります。
また、部品供給や塗装工程の関係で、右ハンドル車を優先対応としている点も特徴です。
整備項目の概要
整備内容は、車体全体を対象とした“総合再生メニュー”です。
施工時には、現車診断で劣化・摩耗の度合いを細かくチェックし、部品単位で交換/再生の判断が行われます。
| 整備カテゴリー | 主な作業内容 |
|---|---|
| エンジン系 | オーバーホール(ピストン・バルブ・シール類交換)/吸排気系点検 |
| トランスミッション | ギア・シンクロ・クラッチディスク交換、AT制御部点検 |
| サスペンション | ブッシュ・ダンパー・リンク類のリフレッシュ |
| ブレーキ | キャリパーO/H・ローター研磨・マスター交換 |
| 電装系 | ハーネス・スイッチ・センサー類再生/新品化 |
| ボディ・塗装 | 全塗装または部分補修(純正塗料・調色対応) |
| 内装 | シート張替え・カーペット交換・内装クリーニング |
この内容だけでも、ほぼ“車の再製造”レベル。
とくに、エンジンや電装系は再生部品を使用せず、新品純正部品またはリビルド純正品で統一されます。
作業手順と期間の目安
施工の流れは以下の通り。納期は部品在庫と混雑状況によって変動します。
- ディーラーでの現車診断(約1〜2週間)
→ 劣化箇所・交換必要部品を判定し、見積書を発行。 - 見積内容の確定・部品発注(約1か月)
→ NSX専用部品はホンダ倉庫から特別ルートで供給。 - 施工・再生作業(平均3〜6か月)
→ フルリフレッシュの場合、1年近くかかるケースも。 - 完成検査・引き渡し
→ 最終試験走行・品質チェックを経て納車。
施工後には、整備記録簿のほか「リフレッシュ実施証明書」が発行され、将来的な車両価値の裏付けにもなります。
価格帯の実例
SNSやオーナーブログの報告をもとにした費用感は以下の通りです。
| 作業内容 | 価格目安(税抜) |
|---|---|
| 内装リフレッシュ | 約30〜50万円 |
| エンジンO/H | 約80〜120万円 |
| 全塗装(脱着含む) | 約100〜150万円 |
| 足回り一式交換 | 約60万円前後 |
| 電装系修復 | 約40〜80万円 |
総額で300〜500万円前後が中心帯。
フルリフレッシュの場合は600万円を超えることもあります。
要点まとめ
- 対象は初代NSX(NA1/NA2)全車種
- 改造車は一部制限あり、純正仕様が基本
- 施工期間は3〜6か月、フルメニューで1年程度
- 総額は300〜500万円前後が目安
こうして見ると、確かに高額ですが「新車をもう一度作り直す」ような内容ですね。
ホンダの本気が伝わってきます。
費用相場・納期・依頼手順

費用の全体像
NSXリフレッシュプランの費用は、車両状態・希望メニュー・交換部品数によって大きく変動します。
ホンダが公開している正式な一律料金は存在せず、診断結果に基づく個別見積制が基本です。
ただし、オーナーの報告や公式ディーラーの実績から、以下の相場感が見えてきます。
| 区分 | 内容 | 目安価格(税抜) |
|---|---|---|
| ライトリフレッシュ | 内外装清掃・軽整備・ブッシュ交換など | 約200万円前後 |
| スタンダード | エンジンO/H・足回り・電装系含む | 約300〜400万円 |
| フルリフレッシュ | 塗装・内装・電装・動力系完全再生 | 約500〜600万円以上 |
この価格帯は確かに高額ですが、内容を見ると「車体の再構築」に近い作業。
単なる整備というより、“NSXを再び新車状態に蘇らせる”という位置付けです。
納期の目安
施工期間はパーツ供給やディーラーの混雑状況で変わりますが、平均で3〜6か月程度が一般的。
ただし、エンジンのオーバーホールや塗装を含むフルリフレッシュでは最大1年近くかかるケースもあります。
納期遅延の主な要因は、
- 純正部品の再生産待ち
- 専任工場の作業枠調整
- 塗装工程の天候・品質管理
などです。
ホンダ側も「無理に納期を詰めず、品質を最優先」と明言しており、オーナーも**“待つ覚悟”が必要なプラン**といえます。
依頼の流れ
実際にリフレッシュプランを申し込む場合の手順は次の通りです。
- 受付店舗を確認・予約
→ 全国のHonda Carsの中でも、NSX専任拠点のみ対応。 - 現車診断の実施(約1〜2週間)
→ 車体・駆動系・内外装を点検。診断費用(約3〜5万円)が発生。 - 見積書の提示とメニュー選定
→ 状況に応じてオーナーと協議し、必要箇所を決定。 - 作業契約・パーツ発注
→ 部品はホンダ本社の特別ルートから供給。 - 施工・完成報告・引き渡し
→ 作業完了後には、整備証明書と詳細レポートを発行。
完成後、施工履歴はホンダの社内データベースにも登録され、再整備時や査定時に**「メーカー整備車両」として評価される**のも大きな利点です。
注意点
- 診断のみの利用も可能(整備内容を検討する目的で受ける人も多い)
- 部品価格の変動に注意:アルミパネル類や内装材は再生産ロットで価格が上下する
- 事前予約必須:専任工場のキャパが限られているため、半年待ちになるケースも
要点まとめ
- 総費用は200〜600万円規模で、状態によって変動
- 納期は3〜6か月、フルコースでは最大1年
- 診断→見積→発注→施工→納車の流れ
- 整備証明が残ることで将来的な資産価値も向上
実際の評価・オーナーの声・注意点

オーナーの反応と満足度
NSXリフレッシュプランを受けたオーナーの声をSNSや各種フォーラムで調べると、非常に高い満足度がうかがえます。
代表的な感想として、以下のようなコメントが多く見られます。
「納車時の匂いとフィーリングが戻った!」
「新品のような足回りの剛性感、もう別のクルマみたい」
「塗装のツヤと光沢がすごい。イベントで“新車ですか?”と聞かれた」
走行フィールだけでなく、内装の質感・静粛性・操作系の感触までも“蘇った”と感じる人が多いのが特徴です。
とくにエンジンOH後のレスポンス改善は顕著で、「NSX本来の走りを取り戻した」という評価が目立ちます。
一方、費用面の負担については賛否がありますが、
「リセールを考えれば高くない」
「手放す気がない人にとっては、最高の自己投資」
といった“価値重視型”の意見も多く、実用より愛着を優先する層に強く支持されています。
注意点とよくある誤解
リフレッシュプランにはいくつかの“誤解されがちな点”もあります。
以下のポイントを理解しておくと、後悔のない判断ができます。
| 誤解 | 実際の内容 |
|---|---|
| 全車が対象になる | 一部改造車・事故車は受け入れ不可または制限あり |
| 全部新品になる | 部品によっては清掃・再使用も含む(新品交換限定ではない) |
| すぐ完了する | フル施工は最大1年。事前予約と余裕が必要 |
| ホンダに任せれば完璧 | 仕上げや細部調整はディーラーによって差がある |
また、「塗装を含めるかどうか」で総費用が100万円単位で変わるため、事前に明確な打ち合わせが必須です。
さらに、施工後は“新車保証”のような制度があるわけではなく、あくまで再生整備扱いである点にも注意が必要です。
部品供給と今後の展望
NSXリフレッシュプランの裏では、ホンダが進めている**「パーツリバイバルプロジェクト」が支えとなっています。
2020年代以降、内外装部品・電子部品など1000点以上が再生産**されており、特にNSX専用部品(ヘッドライト、テールランプ、ボディパネル類)はオリジナル金型をもとに復刻。
これにより、今後も長期的な整備継続が可能な見通しです。
ホンダは公式に「部品供給は2030年代まで維持する」と発表しており、オーナーが安心してリフレッシュに踏み切れる体制が整いつつあります。
SNS・イベントでの注目度
整備完了後のNSXは、各地の旧車イベントやオーナーズミーティングで大きな注目を集めています。
「メーカー直整備」というブランド価値もあり、展示車両として扱われるケースも多いです。
SNS上でも「#NSXリフレッシュ」で検索すると、施工前後の写真を比較した投稿が数多く見られます。
再塗装のツヤやエンジンルームの輝きは圧巻で、**“まさに蘇った名車”**という表現がふさわしいでしょう。
要点まとめ
- 実施オーナーの満足度は非常に高く、特に走行フィールと外観に効果大
- 改造車・事故車は制限あり、施工期間は要注意
- ホンダの部品再生プロジェクトで長期サポート体制が整備
- 施工後は資産価値が上がり、イベントでも注目される
錆や経年劣化の落とし穴

「アルミだから錆びない」は誤解
NSXは量産車として世界で初めてオールアルミモノコック構造を採用しました。
そのため「アルミだから錆びない」という認識を持つオーナーも多いですが、これは半分正解で半分誤りです。
鉄のような赤サビは発生しにくいものの、アルミには**白サビ(酸化被膜の劣化)**が生じる可能性があります。
とくに以下の箇所では、白サビや腐食の報告が複数確認されています。
- フロアパネルのボルト穴付近
- リアフェンダー裏の接合部
- サブフレームやエンジンマウント周辺
- トランクやドアのヒンジ取付部
これらは「目視では気づきにくい箇所」であり、ガレージ保管車でも油断できません。
アルミは電蝕(異種金属との接触による腐食)に弱く、ステンレスボルトなどとの接合部で進行するケースがあります。
劣化が進行しやすい環境
ホンダは公式に「屋内保管と定期的な防錆メンテナンス」を推奨しています。
とくに下記の条件が重なると、腐食・劣化のリスクが高まります。
| 条件 | 劣化リスク |
|---|---|
| 海沿い・潮風環境 | 白サビ・電蝕が進みやすい |
| 雨ざらし駐車 | パネル合わせ目の腐食 |
| 洗車後の水分残留 | ボルト穴やドレン周辺の酸化 |
| 長期未始動 | ゴムブッシュや配線の劣化 |
アルミボディだからといって油断せず、下回り洗浄・防錆剤塗布・ドレン清掃を定期的に行うことが重要です。
経年による樹脂・ゴム類の変化
金属だけでなく、樹脂やゴム部品も経年で劣化します。
特に次の部分はリフレッシュプラン対象にも含まれる重要ポイントです。
- サスペンションブッシュの硬化・ひび割れ
- 燃料ホース・ブレーキホースの弾性低下
- ドアシールの収縮による雨漏り
- ダッシュボード素材の表面割れ
これらの症状は走行距離に関係なく「経年」で現れるため、30年近い車齢を考えれば、ほぼ全個体で何らかの劣化が進行していると考えてよいでしょう。
防止と対策
リフレッシュプランを利用しない場合でも、日常的なケアで進行を抑えることは可能です。
おすすめの対策例:
- 年1回の下回り防錆塗装(透明タイプ推奨)
- 定期的なボルト・ナット類の緩み点検
- 洗車後は必ず水分除去・乾燥走行
- 室内保管時は除湿機やシリカゲルの活用
- ゴムパーツは純正交換を優先
ホンダの整備士も「防錆対策を怠ると、アルミでも取り返しがつかない腐食になる」と警鐘を鳴らしています。
リフレッシュ時に要確認のポイント
施工時にディーラーで特にチェックされるのは次の3点です。
- アルミ溶接部の腐食・クラック
→ 修復には専門治具が必要。軽度なら再溶接で対応可能。 - サブフレームの電蝕
→ 交換コストが高く、早期発見が重要。 - アンダーボディの防錆層剥離
→ 旧塗膜を完全除去し、再塗装が必要な場合も。
リフレッシュを検討しているオーナーは、“錆チェック”を最初の診断時に必ず依頼するのが賢明です。
要点まとめ
- アルミでも白サビ・電蝕が発生するため油断禁物
- 海沿い保管・雨ざらしは腐食リスク大
- ゴム・樹脂類も経年劣化が避けられない
- 定期的な下回り点検と防錆メンテが最重要
DIY整備とメーカー整備の線引き を詳しく!
すべてを“任せる”必要はない
リフレッシュプランは非常に完成度の高い整備プログラムですが、すべてをメーカー任せにする必要はありません。
NSXのように構造が明確で整備性の良い車両では、オーナー自身で対応できる軽整備も多く存在します。
たとえば以下のような項目は、専門知識があればDIYで十分対応可能です。
| 区分 | DIYで可能な整備 | 備考 |
|---|---|---|
| 消耗品系 | エンジンオイル、オイルエレメント、ブレーキフルード、ワイパーゴム交換など | 純正推奨品を使用 |
| 内装系 | シートクリーニング、カーペット交換、スイッチ清掃 | 内張り剥がし時は慎重に |
| 外装系 | 簡易コーティング、ライト研磨、ゴムモール保護 | 塗膜が薄いため研磨過多に注意 |
DIY整備は愛車への理解を深める絶好の機会でもあり、オーナー自身の手でNSXを維持する楽しみもあります。
メーカーに任せるべき整備
一方で、NSX特有の構造や高精度が求められる箇所は、メーカー整備(または公認専門工場)で行うべきです。
とくに以下の分野はDIY非推奨です。
| 区分 | 理由 |
|---|---|
| 電装系(ECU・ハーネス交換など) | 専用診断機・配線図が必要。誤接続のリスク大。 |
| エンジン・ミッション関連 | アルミブロック・精密部品のためトルク管理必須。 |
| サスペンションアライメント調整 | 高精度治具・レーザー計測装置が必要。 |
| ブレーキマスター交換 | エア噛みや作動不良が致命的トラブルに直結。 |
リフレッシュプランでは、これらの整備がホンダ純正基準の治具・トルクデータで行われるため、再現性・安全性が保証されます。
特にエンジンオーバーホール後はホンダ本社で実走テストまで実施されるほど、品質管理が徹底されています。
「部分リフレッシュ」という選択肢
最近では、全体整備ではなく劣化の進んだ部分だけをホンダに任せる「部分リフレッシュ」も人気です。
例えば、
- エンジンOHはホンダ本社へ
- 塗装・内装は地元専門ショップへ
という“分担方式”でコストを抑えるケースが増えています。
ホンダもこの柔軟な運用を認めており、
「純正パーツを活用して、必要な部分から順次リフレッシュする」
というスタイルが推奨されています。
こうした“部分整備”でもメーカー証明書を発行してもらえる場合があるため、将来的な売却時の価値維持にもつながります。
費用対効果を最大化するコツ
リフレッシュ費用を抑えつつ満足度を高めるためには、以下のポイントを押さえると効果的です。
- まず診断だけ受けて、劣化箇所を明確化する
- DIYで対応可能な軽整備を自分で行う
- コア部分(動力・電装)は純正整備に任せる
- 長期計画で少しずつリフレッシュする
リフレッシュは「一度で完了」ではなく、長く付き合いながら完成させるプロジェクトと考えるのが理想です。
要点まとめ
- 消耗品・内装などはDIYでも対応可能
- 電装・動力・足回りなどはメーカー整備が安全
- 部分リフレッシュを活用すれば費用を抑えられる
- 診断+段階的整備で満足度とコスパを両立
NSXって、“自分の手で触って理解できる最後のスーパーカー”かもしれませんね。
手間をかけるほど愛着が深まる、その魅力が本当にたまりません。
本当に受けるべきか?判断基準と結論

「受けるべき人」と「待つべき人」
リフレッシュプランは素晴らしい制度ですが、すべてのオーナーにとって“今すぐ受けるべき”とは限りません。
ここでは、判断の目安となるポイントを整理します。
| タイプ | 特徴 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 長期保有型 | 今後も10年以上所有予定 | → フルリフレッシュ推奨。新車気分で再出発可能 |
| イベント参加型 | 展示・オーナーズミーティング中心 | → 外装・内装のリフレッシュを優先 |
| 走行重視型 | 定期的にワインディングやサーキットを走る | → 足回り・エンジン・冷却系中心に施工 |
| コレクター型 | 保管主体・走行少なめ | → 状態維持中心。必要箇所のみ限定整備 |
| 軽度劣化型 | まだ不具合が少ない個体 | → まず診断のみ受け、将来に備える選択も◎ |
“リフレッシュを受ける=完璧”ではなく、自分の目的に合った整備を選ぶことが最も重要です。
タイミングの見極め方
オーナーがよく迷うのが、「いつ受けるのが最適か」という問題。
実は、劣化が進みすぎる前に実施するのがコスト面でも最も合理的です。
ホンダの整備担当者も、
「ブッシュや電装など、再使用部品が限界を超える前の施工が理想」
と説明しています。
例えば、
- 塗装のクリア剥げが広がる前
- ゴム系パーツが完全に硬化する前
- 電装系が通電不良を起こす前
に手を打てば、全体の作業範囲を狭めて費用を抑えられる可能性があります。
また、近年は部品の再生産スケジュールもあり、「欲しい部品が今手に入るとは限らない」点も重要です。
したがって、早期の診断予約=安心の第一歩と考えるのがベストです。
メーカー整備の価値
ホンダ公式リフレッシュの最大の強みは、「純正技術による完全再現」にあります。
整備記録簿や施工証明は将来的な資産価値を高め、リセール時にも“ホンダ整備済”というブランド力を発揮します。
実際、中古市場では「リフレッシュ済」のNSXが未施工車より100〜200万円高値で取引される傾向も確認されています。
つまり、“高額な整備費=将来の資産保証”ともいえるのです。
判断の最終ポイント
リフレッシュを検討する際は、次の3つを基準に判断しましょう。
- あと何年、このNSXと走りたいか?
- 現状で気になる不具合があるか?
- 予算よりも「満足度」を優先できるか?
この3点を冷静に見つめると、自然と答えが見えてきます。
リフレッシュは単なる修理ではなく、「もう一度、愛車と人生を共に歩み出す」ための再出発。
要点まとめ
- 10年以上保有予定ならフルリフレッシュが最も効果的
- 劣化が進む前に診断を受けるのが理想
- メーカー整備は資産価値を保証し、再販売時にも強み
- 「何年一緒に走るか」を基準に判断するのが最善
コメント:調べて感じたこと
正直、この記事を書く前は「NSXのリフレッシュに500万って、さすがに高すぎじゃない?」と思っていました。
でも調べてみると、それは単なる整備ではなく、NSXをもう一度“人生の中心に戻す”ための再スタートのようなメニューなんですね。
メーカーがここまで本気で手厚く整備してくれる車なんて、今どきほとんどありません。
NSXが単なる名車ではなく、”守り継がれるべき存在”として扱われていることに感動しました。
もし僕がNSXを手にしたら、このプログラムはきっと「いつかは受けたい整備」になると思います。
価格ではなく、「あと何年、何万キロ、一緒に走りたいか」で判断するものかもしれませんね。
