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【クラウン MS50】同時代のライバル車を徹底比較|セドリック130/グロリアA30/ルーチェ1500/1800/デボネアの実像と選び方

1967〜1971年のクラウンMS50と真正面から競ったのは、日産セドリック130系とグロリアA30系、そして設計思想の異なるマツダ・ルーチェ(1代目 1500/1800)と三菱・デボネア(初代)でした。

いずれも“国産上級セダン像”を模索した重要作で、当時のカタログやメーカー史料をたどると、クラウンが掲げた「上質な快適性」と対比的に、日産は直6OHCの先進性、マツダはカロッツェリア由来の端正なデザイン、三菱は社用車的な威厳で勝負していたことが読み取れます。

ここでは一次資料・メーカー公開情報・カタログデータベースを頼りに、各車の立ち位置と“今選ぶならどこを見るか”を整理します。

クラウンMS50の購入検討者が、同時代車の良さ・弱点まで横断的に把握できることを目標にしました。

ぜひご参考ください!

Contents

クラウンMS50と同時代ライバルの全体像(市場ポジションの違い)

1967年登場の3代目クラウン(MS50系)は“日本の美”をテーマに、静粛・快適・上質を前面に出した上級セダン。

トヨタの公式史料では、デザインドーム完成直後の成果として曲面ガラスや品位ある造形が語られ、個人ユーザー向け上級車としての位置づけが強調されています。Toyota Global

これに対し、**日産セドリック130系(1965–1971)**は、ピニンファリーナ風味の角張ったスタイルと、OHC直6(L20/L24/L23系)の投入を武器に“先進性と伸びやかな走り”を訴求。

年式進行でエンジン拡大や豊富なバリエーションが与えられ、上級装備を積極的に採用したことが資料から確認できます。

**日産グロリアA30系(1967–1971)**は、プリンス合併後の上級サルーンとして再編され、セドリックと並ぶ“日産のもう一つの上級車”。

公式リリースやカタログ画像アーカイブが残り、当時の2L級直6・上級内装・4速MT/ATなどを組み合わせた構成が読み取れます。

**マツダ・ルーチェ(1966–)**はベルトーネ系統の端正なスタイルで、1.5〜1.8L級の直4を積む“スリムで上品”な上級志向セダン。

マツダ公式ヒストリーでも、当時クラス随一の居住性と先進的デザインが語られます。

**三菱・デボネア(1964–)**はグループの役員車需要を主眼とした“重厚・威厳”系。

初期は2.0L直6(ツインキャブ表現あり)を掲げ、ショーファードリブン色の強い商品企画だったことがデザイン史やカタログから読み取れます。三菱カーデザインの軌跡+2Auto Catalog Archive+2

まとめると、MS50=静粛・品位の総合点型セドリック=先進パワートレインと装備の厚みグロリア=日産上級路線の“もう一つの表現”ルーチェ=デザイン主導の上質ミドルデボネア=重役サルーンの威厳という住み分けでした(同時代の国産・輸入上級車と比較する際は年式・仕様差に留意)。

関連動画(雰囲気把握に最適)


要点まとめ

  • トヨタはMS50で“静粛・快適・上質”を純化、日産はOHC直6や多彩な派生で“先進性”を演出。
  • ルーチェはデザイン主導の上質ミドル、デボネアは重役車ニーズに応える威厳型。
  • 年式・仕様差が大きく、比較は必ず当該年のカタログで最終確認が必要

当時の写真・カタログを眺めると、MS50の「気品ある穏やかさ」、セドリックの「装備と伸びやかさ」、ルーチェの「端正な佇まい」、デボネアの「重厚な存在感」が、今見てもはっきり個性として伝わります。

動画でも各車の“立ち姿”と“走りの気配”がよく分かるので、購入検討の初期段階で観ておくとイメージが固まりやすいですね。

日産セドリック130系:直6OHCと多彩な派生(概要・長所・弱点を超深掘り)

セドリック130系(1965–1971)は、クラウンMS50が“静粛・上質”を極めたのに対し、**「先進性」「伸びやかな走り」「多彩な派生」**を武器に真っ向勝負を挑んだモデルです。

日産が「上級車=走りの洗練」を追求した最初期の世代とされ、L型直列6気筒OHCの投入が大きな転換点になりました。

ここでは、130系の特徴・魅力・弱点・現在の選び方まで徹底解説します。


1. セドリック130の位置づけと全体像

  • 登場:1965年
  • ボディ:セダン/ハードトップ/ワゴン/バン/タクシー仕様
  • エンジン:直4(J)→直6(L20/L23/L24)へ拡大
  • 企画思想:「走りの良い高級車」

日産は当時、海外設計の影響を強く受け、130系はピニンファリーナ系の角張ったスタイルを残しつつ、車格アップを狙った重要作。

クラウンが「和の高級」を追求したのに対し、セドリックは**“輸入車的なシャープさ”**を指向していたとされます。


2. 130系最大の武器:L型直列6 OHC の存在

MS50のM型が“静粛・上質”だとすれば、L型は**“伸びやかでパワフル”**という評価が多いエンジン。

● L型の魅力

  • OHC(シングルカム)構造 → 高回転での伸びが良い
  • 直6ならではの滑らかさ
  • 排気量拡大に積極的(2.0L → 2.3L → 2.4L)

特にL20(2.0L)はクラウンM型2.0Lの完全な競合となり、ユーザー層を奪い合いました。

走行動画:

動画でもわかるとおり、低速トルクの太さよりも、中〜高回転に向けてスムーズに伸びる特性が特徴です。


3. セドリック130の強み(MS50と比較しながら)

① 走りの軽快さ

クラウンMS50が“重厚でしっとり”なのに対し、130系はハンドリングが軽めで、“走らせる楽しさ”があると言われます。

② パワートレインの余裕

  • OHC構造
  • 豊富な排気量選択
  • スムーズな上り性能

長距離・高速巡航ではMS50より快適と語られる場面もあります(年式・整備状態に依存)。

③ 多彩な派生モデル

130系はボディタイプが非常に多く、

  • セダン
  • ハードトップ
  • カスタム系(高装備)
  • ワゴン/バン/商用
    などが存在し、用途に合わせた選択肢が多かった点が強みです。

4. 130系の弱点(旧車期)

どんな名車にも弱点はあり、130も例外ではありません。

● サビの進行が早い

  • フロア
  • サイドシル
  • トランク
  • フェンダー後端

MS50よりも“鉄の痛み方が速い”という声が多く、外装の素性で価値が大きく変わります。

● 部品の入手性

エンジン(L型)まわりは比較的豊富ですが、

  • 外装モール
  • 内装パーツ
  • ハンドル/メーター類
    は入手困難。
    MS50よりレストア難易度が高い部分です。

● 直6でも静粛性はクラウンに劣る

L型は「シャープな回転」が特徴で、“しっとり感”や“静粛性”はMS50の方が上という評価が多いです。


5. 今選ぶならどんな個体?(実務的アドバイス)

● 最重要は“外装の素性”

130はサビが決定的なので、

  • フロア
  • サイドシル
  • トランク周り
    などの腐食は要注意。

● 整備履歴の充実

  • L型OHCのタイミングチェーン音
  • キャブのOH
  • 点火系更新
  • 冷却系更新

これらが整っている個体は本当に快調です。

● ハードトップはプレミア化

2ドアHTは価格上昇が著しく、レア度はMS50の2ドアに匹敵します。


6. 130系セドリックの魅力を深める動画と資料


要点まとめ

  • L型直6 OHC はMS50とライバル関係の“対抗馬エンジン”。
  • 走りは軽快で伸びやか、中高速巡航が得意。
  • サビ進行が速く、外装コンディションが価値を決定づける。
  • 内装・外装パーツはMS50以上に入手難がある。

130系はクラウンMS50と並ぶ“昭和上級車の双璧”でありながら、性格はまるで別物です。

動画を見ると、L型の伸びる回転フィールとスッと前に出る加速が印象的で、同時代の上級セダンとして非常に魅力があります。

クラウンよりも“運転を楽しむ人向け”という個性がしっかり感じられます。

日産グロリアA30系:合併後“新しい上級路線”を築いた1台(特徴・魅力・弱点を超深掘り)

グロリアA30系(1967–1971)は、プリンス自動車との合併後、**「日産のもうひとつの上級車」**として再構築されたモデルです。

セドリック130と共通部分を持ちながらも、当時の資料を辿ると“より上品・より個性派”という方向性が強く、MS50クラウンとはまた異なる魅力を備えています。

ここでは、A30の独自性・長所・弱点・現代での選び方まで、購入検討者が理解すべきポイントを徹底的に深掘りします。


1. グロリアA30の背景:プリンス合併後の“再定義”

1966年、日産とプリンスが合併。グロリアはプリンス側の上級セダンで、A30系は**「プリンスの気品×日産の機構」**を融合し、新しい上級サルーン像を提示しました。

  • 発売:1967年
  • ボディ:セダン/ハードトップ
  • エンジン:直6 L20/L23、直4 J系
  • ポジション:セドリックより“少し上質、少し気品”という位置づけ

プリンス流の“品のあるデザイン”が色濃く、A30は**『セドリックより大人っぽい』**という評価が当時から存在しました。


2. A30のスタイリング:クラウンMS50とは真逆の“気品系”

MS50が曲面主体の“和の上級感”なら、A30は欧州テイストを感じる端整なフォルムが特徴です。

● A30スタイルの要点

  • シャープすぎず、丸すぎない絶妙なプロポーション
  • 力強いフロントマスク(プリンス色が残る)
  • ハードトップは特に美しく、現在人気が急上昇
  • 内装の質感は当時の国産車の中で“落ち着いた上級感”とされる

実車動画:
👉 1968 Nissan Gloria – Walkaround

動画で見ると、セドリックよりも“しっとりした雰囲気”で、MS50の上質さとも違う、大人びた印象が強いです。


3. パワートレイン:セドリックと同等のL型直列6

A30の心臓はL20/L23などのL型直列6 OHC
これはセドリック130と共通ですが、チューニングや装備で微差がありました。

● L型の特徴

  • 高回転の伸びが良い
  • 直6らしいバランスで滑らか
  • OHCゆえの“シャープなレスポンス”
  • 中高速で気持ちよく伸びる

つまりA30は、MS50の“静粛・重厚”とは対照的に、軽快で爽快な直6フィールが魅力です。


4. グロリアA30の強み(MS50との比較ポイント)

① “気品のあるデザイン”はA30が抜けている

MS50が“重厚で威厳のある和の高級”なのに対し、A30は“端正で品がある欧州テイスト”。

気品が欲しい人にはA30が最適という声が多いです。

② 高速巡航はA30の方が得意

  • OHC直6
  • 高回転までスムーズ
  • 高速巡航のしやすさはMS50より上と語られやすい

③ ハードトップの存在感が強い

A30のHTはセドリック130よりも希少で、独特の雰囲気が人気。


5. A30の弱点(旧車期に向き合う必要ポイント)

● パーツ供給がMS50より不安定

特に難しいのが以下:

  • メッキモール
  • 内装トリム
  • 外装パーツ(ライトベゼル類)
  • リア周りの細かな部品

“プリンス系の名残”があるため、部品の流通はMS50より厳しい場面が多いです。

● サビはMS50以上に要注意

  • サイドシル
  • ドア下
  • トランク
  • フロア
    などは重点チェック。

● 電装の弱り

旧車期では電装の劣化が出やすく、
ハーネス・スイッチ類はメンテ前提です。


6. 今買うならどんな個体?(実務アドバイス)

✅ 最優先:外装コンディション

A30は“痛みが出ると復元が難しい”部分が多い。
サビの少ない個体を第一候補にすべき。

✅ エンジンはL型なので整備性は高い

補機のリビルド・消耗品は比較的入手しやすく、“走るための整備”は問題ありません。

✅ ハードトップは価格高騰中

希少なためプレミア価格。
相場はMS50と同等レベルまで上昇している地域もあります。


7. グロリアA30の雰囲気を掴める動画・ショップリンク


要点まとめ

  • A30は“プリンスらしい気品”と“日産の機構”が融合した上級車。
  • デザインの上質さはMS50・セドリックと並び、特にハードトップは絶品。
  • L型直6で走りは軽快・爽快、MS50とは性格がまるで違う。
  • 部品供給は難しめで、特に外装・内装は要注意
  • サビの少ない個体が最重要ポイント。

動画でA30を見ていると、“静かな品”が漂う独特の存在感があり、日産上級車の歴史の中でも特別な位置にあると感じます。

クラウンMS50とは性格が全く違うため、比較すると本当に面白いですね。

マツダ・ルーチェ1500/1800:デザイン主導の“上質ミドル”という存在(特徴・魅力・弱点を超深掘り)

ルーチェ(初代1500/1800・1966–1973)は、クラウンMS50やセドリック130より一回り小さいクラスでありながら、**「デザインの良さ」「欧州的な質感」「軽快な走り」**で強烈な個性を放ったモデルです。

国産車としては珍しい“海外デザイン事務所との協業”により、当時の日本車の中でも抜群のプロポーションを誇りました。

ここでは、ルーチェをMS50の“別方向のライバル”として扱い、上級志向ミドルセダンの魅力を徹底的に深掘りします。


1. ルーチェの成り立ち:海外デザイン主導のエレガントさ

初代ルーチェは、カロッツェリア・ベルトーネのデザインが採用されたことで知られています。

国産車がまだ直線基調や保守的なデザインだった時代において、ルーチェは“欧州車のように端正で伸びやか”という独自の地位を築きました。

  • 発売:1966年
  • ボディ:セダン(のちにクーペ系派生)
  • エンジン:1.5L / 1.8L直4
  • 車格:クラウンMS50より下、ブルーバードより上
  • 市場での立ち位置:“高級志向ミドルセダン”

クラウンMS50やセドリック130が「国産上級車の中心」を担っていたのに対し、ルーチェは**“背伸びしたい層に向けた欧州風ミドル高級”**という独自の路線でした。


2. スタイリング:当時の国産車でトップ級の美しさ

ルーチェの魅力の中心は、何と言っても美しいプロポーション

● デザインのポイント

  • ボンネット〜フェンダーの流れるライン
  • サイドビューの均整の取れたシルエット
  • 過度に角張らず、滑らかさと張りを両立
  • 欧州車的な“伸びやかさ”でMS50ともA30とも違う

クラウンMS50が“威厳”、A30が“気品”だとすれば、
ルーチェは**“エレガント”**。

特に1800の後期モデルはボディの張りが非常に美しく、旧車イベントでも見栄えが良い車として人気があります。


3. パワートレイン:軽快さを重視した直4ユニット

ルーチェは上級セダンではなく、高級志向のミドルクラス

そのため、搭載エンジンは直6ではなく直4。

● 1500/1800直4エンジンの特徴

  • 軽量でレスポンスが良い
  • 中低速トルクは控えめ
  • 高回転での爽快感はそこそこ
  • 走りの軽快さが魅力で、重厚なMS50とは方向性が違う

前後重量配分も悪くなく、当時の試乗評価では**“取り回しと足回りの素直さ”**が好評でした。


4. ルーチェの強み(MS50・C130との比較視点)

① 圧倒的なデザイン性

MS50の「和風重厚」でもC130の「角ばった先進」でもなく、ルーチェは美しい均整のとれた欧州調デザイン

② 車両重量が軽く、走りが軽快

  • 1.5〜1.8L級の直4
  • MS50より軽量
  • 都市部でも扱いやすいサイズ

③ 意外に“質感が良い”内装

木目調パネル、端正なメーター、細部の仕上げなど、当時のマツダは質感にこだわりが見られます。


5. ルーチェの弱点(旧車期)

● サビが出やすい

特に以下は要注意:

  • ステップ
  • フロア
  • トランク
  • フェンダーアーチ
  • サイドシル

MS50より下のクラスゆえ、防錆が弱いのが実情。

● 部品供給が厳しい

  • モール類
  • 内装パーツ
  • ライト類
  • 細かいトリム

MS50・130系よりも出回りが少なく、部品の確保が難しい場面が多いです。

● 直6の余裕はない

上級セダンのMS50やC130のような、“ドッシリ・静粛・余裕の走り”ではなく、あくまでミドルクラスの洗練です。


6. 今選ぶならどんな個体?

✅ 最優先はやはり“サビの少なさ”

レストア前提だと費用が跳ね上がります。

✅ エンジン・ミッションは軽快に動く個体が多い

直4ゆえ部品の互換性が比較的期待でき、機関系の復元はしやすい部類。

✅ 外装・内装の欠品は致命的

入手困難なため、状態優先で選ぶべき。

要点まとめ

  • ルーチェは“欧州風エレガンス”を実現した希少な国産ミドルセダン。
  • MS50の重厚さとも130の鋭さとも違う、軽快で洗練された魅力。
  • サビと部品供給が最大の弱点。
  • 美しい個体は近年価値が上昇している。

ルーチェの動画を見ると、本当に“佇まいが美しい”という印象が強く、国産旧車の中でも独自の存在感を放っています。

クラウンMS50のような威厳系とは真逆で、玄人受けする上質さが感じられます。

三菱・デボネア:社用・役員車コンセプトの“威厳”と独自路線(特徴・魅力・弱点を超深掘り)

クラウンMS50が「上質な個人ユーザー向け上級車」、セドリック130が「先進性を求める上級車」、ルーチェ1500/1800が「欧州風の上質ミドル」だったのに対し、三菱・デボネア(初代・1964–1999初期)だけは明確に“重役車・社用車”として企画された唯一の国産上級サルーンでした。

つまり、MS50と直接バチバチに競う車ではなく、**用途そのものが違う“別枠の高級車”**です。

ここでは、デボネアの設計思想・強み・弱点・現代での選び方を徹底解説します。


1. デボネアの背景:日本的“公用・重役車”として企画された特別な車

初代デボネアは1964年に登場。国産車がまだ中型主体だった時代に、三菱は三菱重工の役員車向けとして企画し、同時に市場向けにも販売した“特殊な誕生”を持つ車でした。

  • 発売:1964年
  • 車格:フルサイズ上級サルーン(当時国産トップクラスの大きさ)
  • エンジン:直列6気筒 2.0L級(仕様詳細年式差あり)
  • コンセプト:「ショーファードリブン(後席を重視する車)」

クラウンMS50やセドリック130が“前席の運転楽しさ/上質さ”を重視したのに対し、デボネアは**「いかに後席の重役を快適に運ぶか」**に集中して作られています。


2. スタイリング:和製ハイヤーとしての威厳

デボネアは、当時の日本車では珍しい“威厳重視”デザインが採用されました。

● デザイン特徴

  • 背の高いルーフライン(後席ヘッドクリアランス最優先)
  • 直線基調の堂々としたボディ
  • 質実剛健なフロントマスク
  • 重役車を思わせる落ち着いたプロポーション

欧州風のルーチェや上質曲面のMS50とはまったく方向性が違い、**“権威を感じさせるフォーマルな佇まい”**が魅力です。

当時CM映像:
👉 1964 Mitsubishi Debonair Commercial

動画を見ると、本当に“黒塗りのハイヤー”らしい気品があります。


3. パワートレイン:直列6の落ち着いた走り

デボネアのエンジンは直列6(2.0L級)。

詳細数値は年式差が大きく、本記事では「不明」としますが、特徴は以下の通りです。

● 性格

  • 中低速トルク重視
  • 穏やかで静かな回転
  • 高回転での伸びより“静粛と滑らかさ”
  • 重量級ボディをゆったり動かす仕様

つまり、MS50のM型に近い性格ですが、よりショーファー寄りの味付けでした。


4. デボネアの強み(MS50・130・ルーチェとの比較視点)

① 後席快適性では圧倒的No.1

  • ルーフが高い
  • 後席空間が広い
  • 足元にゆとり
  • シートが柔らかい

MS50も後席は快適ですが、“重役車”という目的設計のデボネアは別格

② 威厳ある佇まい

黒塗りが非常に似合うフォーマルデザインで、クラシック・タクシー/ハイヤー風の存在感が強い。

③ 旧車イベントで個性が抜群

MS50・130は台数が多いですが、デボネアはそもそも母数が少なく、会場での存在感が際立つ


5. デボネアの弱点(旧車期)

● サビにかなり弱い

大型ボディで水抜けが悪く、特に以下が要注意:

  • ステップ
  • サイドシル
  • トランク底
  • ドア内部
  • フロア

MS50・130以上に重症化しやすいです。

● 部品供給は最も厳しい

初代デボネアは台数が少ないため、

  • 外装モール
  • 内装パーツ
  • レンズ類
  • エンブレム
  • 専用部品全般

これらが圧倒的に入手困難。再利用パーツを探すしかないケースも多いです。

● 重量があるため走りはゆったり

“走りを楽しむ車”ではなく、あくまで静かに座って移動するための車


6. 今選ぶならどんな個体?

✅ 最優先:外板・フロアのサビ

デボネアはサビ修復が本当に大変なので、状態の良さが価値の9割

✅ 機関系は比較的復元しやすい

直6ゆえ整備性は悪くなく、補機類もリビルド対応が期待できる。

✅ 部品がないので“欠品なし個体”の価値が高い

欠品があったらレストア難易度は一気に上がります。


7. 雰囲気をつかめる動画・資料


要点まとめ

  • デボネアはクラウンMS50やC130とは企画思想が根本的に異なる“重役向けフォーマルサルーン”。
  • 後席快適性・威厳・存在感は同時代国産車トップクラス。
  • サビと部品供給が最大の弱点。
  • 個体差が大きく、外装コンディションと欠品の有無が決定的

デボネアは実車動画を見ると本当に“重役車の気配”が強く、クラウンMS50やC130と並べると、同じ時代でも立ち位置がまったく違うことがわかります。

上質・快適というより“威厳・格”を感じさせる車で、旧車として所有すると強烈な個性を楽しめる一台だと思います。

どれを選ぶ?用途別の最適解とチェックポイント(総合比較・表つき・超深掘り)

クラウンMS50/セドリック130/グロリアA30/ルーチェ1500/1800/デボネア。

同じ時代に生まれた“国産上級〜準上級サルーン”ですが、それぞれ企画思想・走り・快適性・デザインの方向性がまったく異なります。

ここでは、用途別の最適解と、購入前に見るべき決定的ポイントを、わかりやすい比較表とともに整理します。


1. 同時代ライバルの総合比較表(特徴を一望できる早見表)

車種立ち位置強み弱点向いている人
クラウン MS50上質・静粛・和の高級静粛性、しっとり感、品位のある走行曲面部品の入手難、外装レストア高価“重厚で品のある旧車”を求める層
セドリック 130系先進性・伸びのある走りOHC直6の爽快感、多彩な派生サビが早い、内外装部品難“旧車でも走りを楽しみたい”人
グロリア A30系気品・品位寄りの上級車端正なデザイン、大人の雰囲気部品供給が最難級、サビ“落ち着いた上質感”重視の人
ルーチェ 1500/1800欧州風・軽快ミドル美しいプロポーション、軽快な走り防錆弱、部品少なめミドル級の“美しい旧車”が欲しい人
デボネア(初代)重役車・ハイヤー的後席快適性、威厳、存在感部品供給が最も困難、重い“イベントで唯一無二の存在感”が欲しい人

2. 用途別の最適解(あなたの使い方で選ぶ)

🚗 街乗り+週末ドライブ中心なら → ルーチェ1800 か セドリック130

  • 取り回しが軽い
  • 整備次第で走りも軽快
  • 旧車ビギナーでも扱いやすい(※サビチェック必須)
  • OHC直6のセドリックは高速道路の伸びが魅力

街乗り快適性:ルーチェ > セドリック130 > MS50


🚗 高速巡航を重視するなら → セドリック130 の直6系が最適

  • OHC直6の伸び
  • 中〜高速の巡航安定性が高い
  • 排気量拡大モデル(L23/L24)は特に余裕あり

一方、
MS50 → 静粛だが高速は早めに頭打ち
デボネア → まったり向けで高速は苦手


🚗 長距離旅行・乗り心地重視 → クラウンMS50 か デボネア

MS50

  • 直6の静粛性と滑らかさ
  • シートの厚みがあり疲れない
  • 和の高級感が色褪せない

デボネア

  • 後席重視の設計で最も快適
  • ハイヤー専用車のような余裕ある乗り心地
  • ただし部品供給は最も難しい

🚗 デザインで選ぶなら → グロリアA30 / ルーチェ1800 / クラウンMS50

  • A30:プリンス系の上品で大人びた美しさ
  • ルーチェ:欧州車のような均整美
  • MS50:曲面ガラスを生かした“和の上質”デザイン

この3台は“旧車イベントでの見栄えが段違い”です。


🚗 希少性・イベント映え → デボネアが圧勝

  • 母数が極端に少ない
  • 黒塗りが似合い、存在感が圧倒的
  • 会場で“唯一無二の雰囲気”を出せる

3. コンディション評価の優先順位(絶対に外せない視点)

旧車選びで最も重要なのは、車種より個体差

以下は“どの車種にも共通する決定的項目”です。


1位:サビ(最重要)

特に要チェック:

  • サイドシル
  • トランク底
  • フロア
  • ドア下
  • フェンダーアーチ

サビは修理費が青天井。車種の魅力以前の問題。


2位:冷却系(水回り)

特にMS50・セドリック130はここが生命線。

  • ラジエーター詰まり
  • ホース類の硬化
  • ウォーターポンプ
  • サーモスタット

水温の上がり方を要確認。


3位:点火系(アイドリングの安定性)

直6・直4どちらも大きく変わる部分。

  • 点火時期
  • ポイント・コンデンサー
  • プラグ・コード

動画でも“点火調整後に別物になる例”は多数。


4位:キャブレター状態

旧車の走りの質を大きく左右。

  • 吹け上がり
  • 息継ぎ
  • アイドリングの安定
  • ガソリン臭

OH歴がある個体は価値が高い。


5位:内外装の欠品

特に以下は部品難易度が高い:

  • A30の外装パーツ
  • デボネアのメッキモール
  • ルーチェのライト・モール
  • MS50の曲面ガラス周りのモール
  • セドリック130の細かな内装トリム

欠品=レストア難易度UP。


4. “MS50視点”での最終結論(どのライバルを比較対象にすべきか?)

● 走りの比較 → セドリック130

OHC直6で MS50のM型と“性格の違い”がよくわかる。

● 雰囲気の比較 → グロリアA30

大人の気品 vs MS50の上質。
デザイン思想の違いが明確で面白い。

● サイズ感・扱いやすさ → ルーチェ1800

一回り小さく、実用性とデザイン性のバランスが優秀。

● 存在感 → デボネア

MS50の「品」とは別軸の「威厳」。
イベントで並べると世界観が違う。


要点まとめ

  • 用途で最適解が変わる:街乗り・高速・イベント・デザインで選び方が違う。
  • MS50のライバルとして実力が近いのはセドリック130(走り)とA30(雰囲気)。
  • サビ・冷却系・点火系・キャブ・欠品は全車共通の“核心チェック項目”。
  • ライバル車はそれぞれ企画思想が違い、比較するとMS50の“静粛・上質・和の高級”がより際立つ。

各車の資料・動画を見比べるほど、MS50の落ち着きと品の良さが際立ちますね。

同時代車は“似て非なるもの”が多く、比較すればするほど旧車選びが楽しくなると感じました。

よくある質問(FAQ)

グロリアA30とセドリック130の違いは何ですか?

基本機構は共通ですが、雰囲気とデザイン思想がまったく違います

セドリック130は“先進性・走り”、A30は“気品・大人っぽさ”。

どちらも直6ですが、A30の方が上質で静かな印象が強いと語られます。

ルーチェ1800は上級車として満足できますか?

走行性能や質感は非常に優秀ですが、上級セダンではなくミドルクラスです。

MS50や130のような“重厚さ”はありませんが、デザイン性と軽快さは圧倒的に魅力的。

街乗り中心なら満足度は高いです。

セドリック130のサビはどこが特に弱い?

  • サイドシル
  • フロア
  • トランク底
  • フェンダー後端
    が定番の弱点。サビの進行がMS50より早い個体も多く、最優先チェック項目です。

デボネアは普段使いできますか?

可能ですが得意ではありません
車重が重く、部品供給が最も難しいため、走行距離を伸ばすより“イベントや観賞向け”の方が向いています。

旧車初心者が選ぶならどれ?

最も扱いやすいのは セドリック130(直6系)ルーチェ1800

部品供給や整備性を考えると、MS50・A30・デボネアは玄人向けです。

高速道路をよく使うならどれが向く?

**セドリック130(L型直6)**一択。

中〜高速の伸びは同時代国産ではトップクラス。

MS50は静粛ですが高速巡航の余裕はあまりありません。

デザイン重視の場合のおすすめは?

  • 大人の気品 → グロリアA30
  • 欧州的均整美 → ルーチェ1800
  • 和の上質曲面 → クラウンMS50

この3台は旧車イベントでも見栄えが段違いです。

部品が入手しやすいのはどれ?

比較的入手性が良い順:
130系 > MS50 > ルーチェ > A30 > デボネア

内外装の欠品は車種に関わらず致命的です。

予算を抑えたい場合は?

ルーチェ1800が最も現実的。

MS50・130・A30は人気車種で値上がり傾向が強いです。

イベントで注目されたいなら?

デボネアが圧倒的。

黒塗り+大柄ボディの存在感は他車の追随を許しません。


まとめ

同じ1960〜70年代に生まれた国産上級・準上級セダンでありながら、クラウンMS50、セドリック130、グロリアA30、ルーチェ1800、デボネアは“似て非なる存在”です。

クラウンMS50は和の上質さと静粛性を追求し、当時の日本の高級車文化を象徴するモデル。一方、セドリック130はOHC直6による伸びやかな加速と多様な派生モデルで“走りの上級車”としての地位を確立しました。

グロリアA30はプリンスの上品なデザインを引き継ぎ、落ち着いた大人の気品が印象的。ルーチェ1800は欧州車のような優雅なスタイルと軽快な走りで、ミドルクラスながら高級志向ユーザーの心を掴みました。

そしてデボネアは唯一の“重役車”として設計され、その存在感と後席快適性は群を抜いています。

旧車選びではサビ・冷却系・点火系・キャブ調整・欠品の有無という“5つの核心項目”が車種以上に重要。どれを選ぶかは用途で変わり、街乗り・高速巡航・イベント映え・デザイン性など、自分の旧車の楽しみ方で最適解が変わります。

比較を深めるほど、MS50を中心とした同時代車の奥深さと個性がより鮮明に浮き上がります。


参考リンク

-クラウン