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【クラウンS120】レストア費用はいくら?必要工程・相場・注意点を徹底解説

クラウンS120(1983〜1987年)は、昭和クラウンらしい重厚で静かな直6とクラシックなデザインが魅力ですが、レストア費用は状態・目指す仕上がり・作業範囲によって大きく変動します。

この記事では、完全レストアから部分レストアまでの費用感を体系化し、「どこにお金がかかり、何を優先すべきか」を明確に整理します。

購入前の読者がまず理解しておくべきポイントは次の3つです。

  • レストア費の多くは“ボディ・錆・塗装”が占める
  • 機械系は構造が素直で比較的コントロールしやすい
  • 最終的な費用は“どこまで新車当時に近づけるか”で激変する

S120は部品供給が比較的安定している世代であり、フルレストアも現実的な車種ですが、仕上げのレベル次第で50万〜250万円以上と幅があります。

この記事では一次資料(法定費用・部品価格の傾向)と、旧車専門店の作業傾向・オーナー事例で語られる内容を基に、より正確な費用感を整理します。

Contents

クラウンS120 レストア費用の基本構造(費用の“柱”は何か)

S120のレストア費は、次の4つのカテゴリに分類できます。

  1. ボディ・錆・塗装(最も高額)
  2. 機械系(エンジン・AT・冷却・燃料・足回り)
  3. 内装(最も個体差が大きい)
  4. 外装部品(モール類・ゴム類・レンズ類)

このうち費用の7割近くを占めるのが ボディ・錆・塗装 であり、そこに“どれだけ予算を割くか”がレストア費全体を決定します。


● ① ボディの状態が費用を最も左右する

S120は発売から40年前後が経っており、錆の発生状況が個体差の最大要因です。

  • 錆がほぼ無い個体 → レストア費は比較的抑えられる
  • 下回り・サイドシル・フェンダーに腐食 → 費用は大幅増
  • 放置歴がある個体 → 塗装前処理だけで数十万に到達するケースも

聞いた話では、“外観が綺麗でも裏側が腐っていた”事例も多く、**レストア計画のスタート地点は“錆の状態確認”**と言われます。


● ② レストア範囲の違いで総額は大きく変わる

以下は一般的に言われるレストアの段階と費用の幅です。

レベル内容費用感
軽レストア外装清掃・軽微補修・消耗品交換10万〜30万円
部分レストアボディ補修+機械系刷新30万〜80万円
総合レストアボディ・機械・内装全体更新80万〜150万円
フルレストア新車に近い状態まで再生150万〜250万円以上

S120は機械部品が比較的安いことから、ボディと内装の仕上げレベルが費用の決定要因となります。

S120のレストア費を調べると、外装・塗装・錆処理が本当に費用を左右するようです。

動画でも“見た目が綺麗でも下回りが腐っていた”と紹介されている例があり、レストア計画の肝はまずボディ状態の確認だと感じます。


● 要点まとめ

  • 費用の大部分はボディ・錆・塗装が占める。
  • レストアのレベルをどこまで求めるかで総額が大きく変わる。
  • S120は構造が素直で機械系レストアは比較的計画が立てやすい。

ボディ・錆・塗装にかかる費用(レストア費の核心)

クラウンS120のレストア費用の中で最も大きな割合を占めるのが、ボディ補修・錆処理・塗装の3つです。

特にS120は40年前後の車で、見た目が綺麗でも下回りやサイドシルに腐食が隠れていることが珍しくありません。

この章では、実際の補修工程ごとに費用を整理し、レストア費の中心がどの部分に発生するのかを明確にしていきます。


● ① 錆の種類と費用の目安

錆の深刻度で必要な作業が大きく変わります。

錆のレベル状態の例必要作業費用感
表面錆サスペンション・下回りに表層の赤錆清掃+防錆塗装10,000〜30,000円
局部腐食サイドシルやフェンダーに穴あきカット+溶接+塗装30,000〜100,000円
深刻腐食下回りの梁・フロアが腐食大規模溶接・板金100,000〜200,000円以上

S120は特に「サイドシル」「リアフェンダー下」「トランク周辺」に腐食が出やすいと言われています。

動画でも、外観が綺麗な個体でもジャッキアップポイントが抜けていた例があり、事前リフトアップの重要性が強調されていました。


● ② 下回り全体の防錆処理

旧車レストアでは必須の工程です。

作業工程費用の目安
高圧洗浄5,000〜10,000円
下地処理(錆落とし)10,000〜20,000円
防錆塗装一式15,000〜40,000円

総額としては 3万〜7万円前後 が一般的です。


● ③ 全塗装(オールペイント)

レストアの最も高額な作業が全塗装です。
費用は“仕上げレベル”で大きく変動します。

仕上げレベル内容費用感
簡易全塗装外側のみ・下地最小限150,000〜250,000円
標準全塗装外側+ドア内側・下処理込み250,000〜450,000円
本格全塗装板金+下地完全処理・部品外し450,000〜800,000円
ショー仕様分解全塗装・ガラス外し800,000〜1,200,000円以上

S120の場合、パール色・純正ゴールド系は下地処理が重要で、色ムラを避けるため費用が高くなりがちです。


● ④ 外装部品(モール類・ゴム類・レンズ類)の刷新

S120はリプロ品が多く、以下のような補修が可能です。

部品費用の目安
モール類1点3,000〜10,000円
ウェザーストリップ5,000〜15,000円
バンパーゴム5,000〜20,000円
ライトレンズ(中古/リプロ)5,000〜20,000円

外装部品の刷新は、見た目の仕上がりに大きく影響があります。

実際にオーナーの作業記録を見ると、「モールだけでも全体の印象が新しくなる」

といった声も多く、レストアの費用対効果が高い領域の1つです。


ひとつ印象的だった話として、全塗装と同時に外装モール・ウェザーストリップを一新したところ、「まるで新車の頃の雰囲気になった」と語られていた例があります。

S120はデザインに直線要素が多いため、モール類の劣化が目立ちやすく、そこを直すメリットは非常に大きいと感じます。


● 要点まとめ

  • レストア費の中心は「錆処理」と「全塗装」で、ここが総額の半分以上を占める。
  • 下回りの状態を確認しないと、見た目からは判断できない高額修理が潜んでいる。
  • モール・ゴム類の刷新は費用対効果が高く、レストアの満足度を大きく上げる。

機械系レストア費用(エンジン・AT・足回り)

S120の機械系は、構造が単純で整備性が良いため、部品さえ確保できれば再生は比較的容易です。

特にエンジン・ATはリビルトパーツが流通しており、他の昭和車に比べても修理しやすい部類に入ります。

ここでは主要な機械系レストアの項目と費用をまとめます。


● ① エンジン関連(M型・5M-E)

エンジンのOH(オーバーホール)費用は、症状と目指すレベルによって大きく変わります。

作業内容費用の目安備考
各部パッキン・シール交換20,000〜40,000円オイル滲み防止の基本整備
タペットカバー・ヘッドガスケット交換80,000〜150,000円定番のオイル漏れ対策
エンジン分解・フルOH200,000〜350,000円内部摩耗・ピストン交換含む
エンジン脱着工賃70,000〜100,000円同時にATを降ろす場合は別途加算

M型エンジンは設計が素直なため、部品さえ確保できれば再生可能です。

オーバーホール済みのエンジンが中古市場に出回ることもあり、交換で対応するケースもあります。


● ② AT(オートマチックトランスミッション)

S120のATは電子制御が最小限で、部品供給も比較的安定しています。

作業内容費用の目安
ATF交換+ストレーナー清掃10,000〜20,000円
シール類・パッキン交換20,000〜30,000円
フルオーバーホール100,000〜200,000円

変速ショックが大きい個体でも、オーバーホールで改善されるケースが多いです。

状態次第では中古ミッションへの載せ替え(工賃込み10万〜15万円前後)も選択肢になります。


● ③ 冷却系・燃料系

40年経過したS120では、冷却系と燃料系はほぼ全交換前提です。

作業内容費用の目安
ラジエターリビルト交換30,000〜50,000円
ウォーターポンプ交換20,000〜30,000円
燃料ホース+フィルター交換10,000〜20,000円
タンク錆取り・再塗装20,000〜40,000円

ここを手入れすることで、走行安定性・信頼性が大きく向上します。


● ④ 足回り・ブレーキ

足回りのブッシュやショックは劣化しやすく、乗り心地を左右します。

作業内容費用の目安
ロアアームブッシュ交換15,000〜25,000円
ショックアブソーバー交換40,000〜80,000円
ブレーキキャリパーO/H10,000〜20,000円(1輪)
マスターシリンダー交換20,000〜40,000円

ブッシュ類の再生で乗り味が劇的に改善します。

走行安定性の要となる箇所なので、レストアの初期段階で優先されることが多いです。


● 要点まとめ

  • エンジン・ATは部品確保さえできれば再生可能で、S120は整備性が高い。
  • 足回り・冷却系は全体リフレッシュで費用30万〜60万円が目安。
  • 機械系の仕上がりは「走る喜び」に直結し、レストア効果を最も体感できる部分。

内装レストアの費用と難易度

S120クラウンの内装は、昭和クラウンらしい厚みのある布地や木目調パネル、当時の高級感を象徴するデザインが魅力です。

しかし40年近い経年で最も劣化が進みやすい部分でもあり、外観よりも再生が難しい領域といわれています。

ここでは、主要な内装箇所ごとのレストア費用と難易度をまとめます。


● ① シート・内張りの張り替え

S120は布地タイプとベロアタイプがあり、どちらも経年劣化で生地が薄くなっている個体が多いです。

作業内容費用の目安備考
シート1脚 張り替え(純正風)30,000〜60,000円前席左右で約6〜12万円
リアシート張り替え50,000〜80,000円ベロアは高価
ドア内張り布張り替え30,000〜50,000円木目パネルの再利用が可能
天井張り替え40,000〜60,000円サンルーフ付きは割高

純正生地の再現は難しいものの、近似色のモケット素材で落ち着いた雰囲気に再生する方法が一般的です。


● ② ダッシュボード・内装樹脂パーツの修復

日焼け・ヒビ割れが多く、旧車レストアで頻出の作業です。

作業内容費用の目安
ダッシュボード割れ修復(補修+再塗装)30,000〜60,000円
ダッシュボード張替え(合皮仕上げ)70,000〜100,000円
内装樹脂パネル再塗装(全体)50,000〜80,000円

内装パネルの再生は見た目の印象を大きく左右する部分で、ダッシュ割れを直すだけでも車内が若返ると評判です。


● ③ カーペット・トランク内装の再生

湿気や水漏れでカーペットが変色・カビている個体も多いため、張り替え・洗浄はほぼ必須です。

作業内容費用の目安
室内カーペット交換(社外品)20,000〜40,000円
トランクカーペット再生10,000〜25,000円
断熱材・遮音材の再施工10,000〜30,000円

遮音材の入れ替えによって走行中の静粛性も向上します。


● ④ メーター・電装品のリフレッシュ

S120世代はメーター照明・ウインドウスイッチなど電装系のトラブルが多く、レストア時に一緒に手を入れておくと安心です。

作業内容費用の目安
メーター球交換・清掃5,000〜10,000円
スイッチ接点清掃・再配線10,000〜20,000円
パワーウインドウモーターO/H15,000〜30,000円(1枚)
エアコンコントロール修理20,000〜40,000円

この世代の電子部品は手作業で直せる範囲が広く、熟練工場では再利用・再配線によって長期使用が可能になります。


内装レストアは一見地味ですが、実際に運転席に座ると仕上げの質が所有満足度を大きく左右すると感じます。

聞いた話では、シートとダッシュを同時に再生しただけで「新車に戻ったようだ」と話すオーナーもおり、手を入れた分の効果が最も体感しやすい部分です。


● 要点まとめ

  • 内装は「見た目の再生効果」が最も高いが、純正再現は難しい。
  • 張替え・再塗装・再配線の総額は 30万〜80万円前後 が目安。
  • S120の内装デザインは完成度が高く、丁寧な再生で当時の高級感を取り戻せる。

レストア費を抑えるためのポイント

クラウンS120のレストアは、仕上げ方次第で費用が数十万円から数百万円まで開きます。

ただし“ポイントを押さえて順序立てて進める”ことで、同じ品質でもコストを3割以上抑えることが可能です。

ここでは、実際の整備工場・オーナーの実例から導かれた費用節約のコツを具体的に整理します。


● ① 先に「錆の範囲」を把握しておく

最も費用が膨らむのは、塗装前に錆の進行が発覚するケースです。

そのため、レストア前にリフトアップで下回り・サイドシル内部を確認しておくことが何より重要です。

  • 軽度なら防錆塗装で3万円前後
  • 中程度以上ならカット&溶接で10万円単位に上昇
  • フルレストア後に錆が再発すれば再塗装コストが二重に発生

結果的に、「最初の見極め」で費用の7〜8割が決まると言われています。


● ② 優先順位を決めて分割レストアする

S120は構造が単純なため、段階的なレストアが可能です。
一度に仕上げず、重要度に応じて分割すると予算管理がしやすくなります。

  1. 走行に関わる機械系(冷却・燃料・ブレーキ)
  2. 外観を整えるボディ・塗装
  3. 室内の快適性を上げる内装リフレッシュ

これを1〜2年かけて順番に行えば、資金負担を分散できます。

専門店でも「段階施工」が推奨されることが多く、支払い総額を変えずに現金フローを平準化できるメリットがあります。


● ③ 部品は純正流用よりリプロ・リビルトを選ぶ

現在、S120用のリプロ品やリビルト品が豊富です。

これを積極的に使うことで品質を保ちながら費用を圧縮できます。

部品種類新品純正価格リプロ/リビルト価格
ラジエター約6万円約3万円
オルタネーター約5万円約2万円
ウェザーストリップ約1万円約5,000円
キャリパー約4万円約2万円

特に旧車パーツ専門サイトでは、S120専用リプロ品の扱いが年々増加しています。

モールやゴム類などは純正の半額以下で揃うこともあります。


● ④ DIYでできる箇所を見極める

S120はメカ構造がシンプルなため、部分的なDIY整備も現実的です。

  • 室内清掃・モール磨き
  • メーター照明交換
  • カーペット脱着清掃
  • 樹脂パーツのリペイント

塗装・溶接などの専門作業を除けば、DIYでもかなりの再生効果が得られます。

聞いた話では、内装リフレッシュをDIYで進めて業者依頼の半額以下で完成させた例もあります。


● ⑤ “レストアショップ選び”で結果が変わる

費用を抑える上で最も大事なのは、旧車専門の工場を選ぶことです。

一般整備工場では部品調達や作業工程にムダが生じやすく、結果的に割高になる傾向があります。

  • 旧車を扱う実績のあるショップ
  • 部品ルート(リプロ・リビルト)を確保している
  • 段階施工を受けてくれる

こうした条件を満たす業者を探すことで、同じクオリティでも10〜30%費用が安くなるケースがあります。

S120のレストアは、「最初に状態を見極め、計画的に進める」ことがすべてです。

焦って一度に仕上げるよりも、各年ごとに重点を決めて作業を分けた方が、結果的に安く・長持ちするという意見が多く見られます。

● 要点まとめ

  • レストア費用の膨張を防ぐ最大のコツは“錆の把握”と“段階施工”。
  • リプロ・リビルト部品の活用で品質を落とさずコストを削減できる。
  • 専門工場選びとDIY活用で総費用を30〜40%圧縮できる。

よくある質問(FAQ)

クラウンS120のレストア費用は総額でどのくらいかかる?

状態や仕上げレベルによって大きく異なりますが、部分レストアなら30万〜80万円前後フルレストアでは150万〜250万円以上が一般的な目安です。

錆の進行度や塗装レベルが総費用を最も左右します。


レストアで最もお金がかかる部分は?

圧倒的に費用を占めるのはボディ・塗装・錆処理です。

特に腐食が深い場合は溶接修復が必要となり、塗装前の下地処理だけで10万〜30万円増えることもあります。


エンジンのオーバーホール費用はどれくらい?

M型・5M-Eエンジンの場合、フルOHで20万〜35万円前後です。

軽微なオイル漏れ対策だけなら10万円前後に抑えられます。

エンジンが健全な個体なら、補機類の交換のみで再生可能です。


内装を新車のように再生するには?

内装全体を張り替え・再塗装・清掃まで行うと、30万〜80万円前後が目安です。

純正生地の再現は難しいため、現行素材で近い質感に仕上げる方法が多く採られています。


部品はまだ入手できる?

S120はリプロ品・リビルト品の流通が多く、機械系・外装系ともに供給状況は良好です。

ただし内装パネルやメーター回りなど、一部の樹脂部品は中古入手が中心になります。


自分でできるレストア作業はある?

簡単な清掃・モール磨き・メーター球交換・内張りリペイントなどはDIYでも可能です。

ただし溶接や塗装は安全上、専門工場に依頼した方が確実です。


フルレストアの工期はどれくらい?

一般的に3〜6か月程度が目安です。

板金塗装を含む場合は半年以上かかることもあります。

分割レストアなら1年かけてじっくり進めるオーナーもいます。


レストア済み車を購入するのは得?

一概には言えません。外観だけ再塗装してある車は内部が手つかずの場合も多く、「どこまで手が入っているか」を整備記録で確認することが重要です。

信頼できるショップが施工した車なら費用面で有利なケースもあります。


錆が多い個体でもレストアできる?

構造的にS120は溶接修復がしやすく、下回りが残っていれば再生可能です。

ただしコスト効率を考えると、錆がフロアまで進行している個体は避けた方が現実的です。


レストア後の維持費は高くなる?

機械系をリフレッシュしておけば、維持費は年間3万〜10万円前後で安定します。

冷却系・ブレーキ系・錆対策を重点的に仕上げておくことで、トラブルを防げます。


まとめ

クラウンS120のレストア費用は、仕上げ方と錆の状態によって大きく変わります。

ボディ・塗装が費用の中心を占め、部分的な補修なら30万〜80万円前後、フルレストアでは150万〜250万円以上が相場です。

ただしS120は構造がシンプルで部品供給も比較的安定しており、レストアしやすい旧車として高い人気を保っています。

費用を抑えるコツは、まず下回りの状態を把握し、機械系・外装・内装の順で段階的に進めること。

リプロ品・リビルト品を活用すれば、純正再現に近い品質を保ちながらコストを抑えられます。

さらに、信頼できる旧車専門ショップを選ぶことで、作業の無駄を減らし、結果的に仕上がりの精度も高くなります。

レストアは「修理」ではなく「再生」の作業です。

S120はそのベースとして優れた素材を持つモデルであり、適切な計画と整備で、再び“静粛で重厚なクラウン”を現代に蘇らせることができます。


参考リンク

-クラウン