三菱デボネアA33は、国産高級セダンの中でも独特の立ち位置にあった一台です。
現代では「角ばった旧車」「重厚なデザイン」といった印象で語られることが多いものの、実際に新車当時はどのような装備が与えられ、いくらで販売されていたのかを正確に把握している人は意外と多くありません。
旧車として購入・保管・レストアを検討するうえで、当時カタログに記載された装備内容や新車価格は、現在の価値判断や維持スタンスを考えるための重要な基準になります。
特にA33は、年式や仕様によって装備の差が分かれやすく、イメージだけで判断すると「思っていた内容と違う」と感じる可能性もあります。
本記事では、当時の公式カタログ情報を軸に、デボネアA33が新車としてどのような装備体系を持ち、どの価格帯で販売されていたのかを整理します。
あわせて、現在の視点から見た装備の実用性や、維持・車検・部品面を考える際に注意すべきポイントにも触れていきます。
まずは「この車が、当時どのような前提で作られていたのか」を正しく知ることが、検討の第一歩になります。
Contents
デボネア A33とはどんな車だったのか(時代背景と位置づけ)

デボネアA33は、三菱が自社のフラッグシップとして長期間生産した高級セダンの中でも、最も設計思想が色濃く残った世代にあたります。
登場当時の国産高級車市場は、トヨタ・日産がモデルチェンジ周期を短くし、内外装やメカニズムを頻繁に刷新していた時代でした。
その一方で、デボネアは外観デザインを大きく変えず、重厚さと威厳を保つことを優先した異色の存在でした。
A33型は、いわゆる「ショーファードリブン(後席重視)」と「自家用高級セダン」の中間的な性格を持っていたと整理できます。
完全な公用車・役員車専用というよりは、運転席にオーナーが座ることも想定しつつ、後席の居住性や静粛性にも配慮するという立ち位置です。
このため、派手な装備や先進技術を前面に押し出す構成ではなく、当時すでに実績のある技術を丁寧に積み上げた仕様が中心でした。
車体構成としては、FRレイアウトを採用し、ボディは直線基調のスクエアなデザイン。
これは空力性能や若年層向けのスポーティさよりも、視覚的な安定感と高級感を重視した結果と考えられます。
カタログ上でも、走行性能を強調する表現は控えめで、乗り心地や遮音性、ゆとりある室内寸法が主に訴求されていました。
また、A33は発売当初からすでに設計の基本骨格が成熟しており、「新しさ」を売りにしたモデルではありません。
その代わり、装備内容や内装材の質感、細部の作り込みによって価値を示す構成が取られています。
これは当時の三菱が、デボネアを販売台数で競う車種ではなく、ブランドの象徴として位置づけていたことを示しています。
以下は、A33が置かれていた市場上の立ち位置を簡潔に整理したものです。
| 観点 | デボネア A33の位置づけ |
|---|---|
| 車格 | 国産フラッグシップセダン |
| 想定ユーザー | 役員・重役層、自家用高級車ユーザー |
| 設計思想 | 変化よりも継続と信頼性 |
| 強調点 | 静粛性、居住性、重厚な佇まい |
| 弱点 | 新技術・流行性では不利 |
このように、デボネアA33は「時代を先取りする車」ではなく、当時すでに確立された高級車像を守り続けたモデルと位置づけるのが妥当です。
旧車として現在検討する場合、この思想を理解しているかどうかで、評価や満足度は大きく変わってきます。
要点まとめ
- デボネアA33は三菱のフラッグシップとして位置づけられた高級セダン
- 流行や新技術よりも、重厚感と信頼性を重視した設計思想
- 後席重視と自家用の中間的なキャラクター
- 販売台数よりブランド象徴としての役割が大きかった
この年代のデボネアを資料で見ていると、無理に時代に合わせようとせず、自分たちの価値観を貫いた車だったのだろうと感じます。
直線的なボディや落ち着いた佇まいは、派手さはありませんが、今見るとむしろ独特の存在感がありますね。
当時カタログに見るデボネア A33の主要装備一覧
デボネアA33の装備内容は、当時のカタログを確認すると「豪華さの誇示」よりも高級車としての基本性能を確実に満たすことに重点が置かれていたことが分かります。
先進装備を列挙するタイプではなく、快適性・静粛性・操作性といった要素を、過不足なくまとめた構成です。
まず前提として、A33の装備は年式・仕様・グレードにより差異が存在します。
すべての年式に共通する完全な装備一覧を断定することはできないため、以下では「当時カタログ上で確認できる代表的な装備」を中心に整理します。
特定年式・特定仕様でのみ採用されていた装備については、その旨を明記します。
内装・快適装備の特徴
デボネアA33の内装装備で特徴的なのは、華美な演出を避けた落ち着いた構成です。
木目調パネルや上質なシート表皮が用いられていましたが、スポーティさや若者向けの装備は意図的に排除されています。
| 分類 | 装備内容 |
|---|---|
| シート | 前後ベンチシート仕様あり(年式・仕様差あり) |
| 内装材 | 木目調パネル(仕様により色味差あり) |
| 空調 | マニュアルまたはオートエアコン(仕様差あり) |
| 遮音 | 厚みのある内装材・防音材の多用 |
| 後席 | 足元空間を重視した設計 |
特に後席に関しては、カタログでも居住性や落ち着きが強調されており、「長時間座っても疲れにくい」ことを意識した造りだったことが読み取れます。
操作系・運転支援装備
運転支援という概念がまだ限定的だった時代のため、現代的な電子制御装備はありません。
しかしその分、操作系はシンプルで信頼性を重視した構成です。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| トランスミッション | AT仕様が主流(MT設定は限定的) |
| ステアリング | パワーステアリング標準または準標準 |
| メーター | 視認性重視のアナログ表示 |
| 操作系 | 大型スイッチ類で操作性重視 |
装備の派手さはありませんが、当時の役員車・公用車用途を考えると、故障リスクの低さと扱いやすさが優先されていたと考えられます。
安全装備について
安全装備に関しては、現代の基準で見ると必要最低限です。
エアバッグやABSといった装備は、年式によっては未採用、または設定自体が不明な場合があります。
この点は、購入検討時に必ず現車確認が必要な項目です。
| 装備 | 備考 |
|---|---|
| シートベルト | 全席装備 |
| 衝突安全 | ボディ構造による対応が中心 |
| 電子制御安全装備 | 原則なし |
要点まとめ
- 装備は「高級感の演出」より実用性と信頼性重視
- 内装は落ち着いた仕立てで後席の快適性を重視
- 操作系はシンプルで扱いやすい構成
- 安全装備は現代基準では限定的、年式差の確認が必須
資料を見ていると、デボネアA33は装備で驚かせる車ではなく、使う人が自然に安心できる空間づくりを目指していたように感じます。
今の視点では物足りなく見える部分もありますが、当時としては「過不足のない高級車」だったのだろうと思います。
グレード別に異なる装備内容の違い

デボネアA33を検討する際に注意したいのが、グレードや仕様によって装備内容に明確な差がある点。
外観デザインがほぼ共通しているため見落とされがちですが、当時カタログを読み込むと、装備の考え方は一律ではありません。
購入後に「想定していた装備が付いていない」とならないためにも、ここは丁寧に整理しておく必要があります。
まず前提として、A33のグレード体系は時期によって変更されており、全期間を通じた完全な固定構成は存在しません。
そのため、本項ではカタログから読み取れる範囲で「装備差が出やすいポイント」を軸に解説します。
特定グレード名と装備の完全一致については、年式不明の個体も多く、断定はできません。
内装仕様の違い
グレード差が最も分かりやすく出るのが内装です。
上位仕様になるほど、質感の向上と快適装備の充実が図られていました。
| 項目 | 標準的仕様 | 上位仕様 |
|---|---|---|
| シート表皮 | ファブリック系 | 上質な表皮素材 |
| 内装色 | 単色基調 | 落ち着いた色味の組み合わせ |
| 木目調パネル | 簡素 | 意匠性の高い仕上げ |
| 後席装備 | 基本構成 | 快適性重視の設計 |
見た目の豪華さというより、触れたときの感触や雰囲気の違いとして差が出る印象です。
空調・快適装備の差
空調関連もグレード差が出やすい部分です。
すべての個体が同一仕様とは限らず、マニュアルエアコンとオートエアコンの設定差が存在します。
| 装備 | 備考 |
|---|---|
| マニュアルエアコン | 標準または下位仕様 |
| オートエアコン | 上位仕様またはオプション |
| 送風制御 | 基本的な風量調整 |
| 後席配慮 | 仕様により差あり |
この点は、現代での実用性に直結するため、購入前の確認が重要です。
操作系・装備の考え方
操作系に関しては、グレード差よりも全体として共通思想が貫かれています。
電動装備の数を増やす方向ではなく、必要最低限を確実に備える構成です。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| ステアリング | パワーステアリング |
| ウインドウ | 電動仕様あり(仕様差あり) |
| メーター | 全体的に共通設計 |
このため、「上位グレード=最新装備が満載」という考え方は、A33には当てはまりません。
注意すべき個体差
旧車として流通しているA33は、後年の改修や部品交換により、カタログ状態と異なる場合が多い点も重要です。
グレード由来なのか、後付けなのかを見分けるのは容易ではありません。
| 確認ポイント | 理由 |
|---|---|
| 内装の張り替え | オリジナル判別が困難 |
| 空調ユニット | 年式違い流用の可能性 |
| 電装系 | 後年改修の可能性 |
要点まとめ
- デボネアA33はグレード・仕様で装備差が存在
- 内装と空調装備で違いが出やすい
- 操作系は全体的に共通思想で大差なし
- 現存車は個体差が大きく、現車確認が必須
資料を見比べていると、A33は「グレードで見せびらかす車」ではなく、必要に応じて静かに装備を充実させる設計だったように感じます。
見た目が同じでも中身に違いがあるのは、当時の高級車らしい奥ゆかしさかもしれませんね。
デボネア A33の新車価格と当時の価格帯
デボネアA33を理解するうえで欠かせないのが、新車当時にどの価格帯で販売されていたのかという点です。
旧車として現在の相場を見る前に、当時メーカーがどの層を想定して値付けしていたのかを把握することで、この車の本来の性格がより明確になります。
当時のカタログおよび公的な価格資料を見る限り、デボネアA33は「一般的な大衆車」とは明確に線引きされた価格設定でした。
一方で、最高級ショーファーカーと比べると極端に高価というわけではなく、実務用途も視野に入れた現実的な高級車という立ち位置だったことが読み取れます。
新車価格の水準
年式やグレードにより差はありますが、A33の新車価格は以下のレンジに収まっていたことが確認できます。
なお、細かなグレード別価格については年式差が大きく、すべてを断定することはできません。
| 区分 | 新車価格帯(当時) |
|---|---|
| 下位仕様 | 約200万円台前半 |
| 中位仕様 | 約200万円台後半 |
| 上位仕様 | 約300万円前後 |
この価格帯は、当時の国産車市場全体から見ると明確に高級車クラスに属します。
一般的なファミリーカーや中型セダンとは一線を画し、購入層も限られていました。
同時代車との価格的な位置づけ
当時の他メーカー高級セダンと比較すると、デボネアA33は極端に安くも高くもない価格設定です。
ブランド力や販売戦略の違いから、価格だけで優劣を語る車ではありませんでした。
| 観点 | デボネア A33 |
|---|---|
| 価格競争力 | 強調されていない |
| ブランド訴求 | 三菱の象徴的モデル |
| 台数重視 | していない |
| 価値訴求 | 信頼性・落ち着き |
価格を武器に販売するのではなく、**「このクラスが必要な人に向けた車」**として淡々と設定されていた印象です。
価格と装備の関係
A33の価格設定は、装備を積み上げて高額化する方式ではありません。
むしろ、標準状態で一定の質を確保し、グレード差は緩やかという構成です。
そのため、下位仕様であっても「安価版」という印象は薄く、全体として均質な高級感を保っています。
| 観点 | 特徴 |
|---|---|
| 装備構成 | 過剰ではない |
| 価格差 | 緩やか |
| 基本品質 | 全体で高水準 |
これは、法人・公用車需要を強く意識した結果とも考えられます。
現在との価格感覚のギャップ
当時の物価や所得水準を考慮すると、200〜300万円という価格は現在の感覚以上に高価です。
現在の一般的な新車価格と単純比較するのは適切ではなく、当時としては相当な覚悟をもって購入されていた車だと分かります。
要点まとめ
- デボネアA33の新車価格は約200〜300万円台
- 当時としては明確に高級車クラス
- 価格競争よりも価値と立ち位置を重視
- 装備差は緩やかで全体の質を揃えていた
価格資料を眺めていると、デボネアA33は「誰でも買える高級車」ではなく、「必要な人が選ぶべき車」として静かに置かれていたように感じます。
数字以上に、その価格には当時の三菱の覚悟がにじんでいる気がしますね。
装備と価格から見えるデボネア A33の性格

ここまで整理してきた装備内容と新車価格を踏まえると、デボネアA33がどのような思想で作られた車だったのかが、より立体的に見えてきます。
この車は、装備の多さや価格の高さそのものを売りにするタイプではありません。
「どう使われる車なのか」を明確に想定したうえで、必要な要素を確実に積み上げた結果としての姿がA33です。
装備構成に表れる思想
A33の装備構成を俯瞰すると、共通して見えてくるのは「過剰を避ける姿勢」です。
例えば、同時代の高級車の中には、新技術や電動装備を積極的に採用し、カタログ上での先進性を強調する車も存在しました。
しかしデボネアA33は、信頼性が確立された装備を中心に構成されており、未知数の要素を積極的に取り入れる姿勢は控えめです。
| 観点 | デボネア A33の特徴 |
|---|---|
| 装備の狙い | 実用性と信頼性 |
| 新技術 | 積極採用せず |
| 操作系 | 分かりやすさ重視 |
| 快適性 | 長時間利用を想定 |
これは、故障リスクを極力抑えたい用途、つまり役員車・公用車・長期使用前提の個人所有を強く意識した結果と考えられます。
価格設定から読み取れる想定ユーザー
新車価格が200〜300万円台に設定されていた点も、A33の性格を理解する重要な手がかりです。
この価格は、一般ユーザーが気軽に選べる水準ではなく、用途や立場が明確な購入者を前提とした設定です。
| 想定される購入層 | 理由 |
|---|---|
| 法人・公用 | 信頼性と落ち着き |
| 役員クラス | 後席重視の設計 |
| 長期所有者 | 変化の少ない設計 |
価格と装備の関係を見ると、「高いから豪華」ではなく、「必要だからこの価格」という考え方が一貫しています。
デザインと性格の一致
外観デザインが長期間大きく変えられなかった点も、装備・価格の思想と一致します。
流行を追わない直線的なボディは、時代に左右されにくく、長く使っても違和感が出にくいという利点があります。
これは、数年で乗り換える前提の車とは正反対の発想です。
| 要素 | 意味 |
|---|---|
| 直線基調デザイン | 威厳と安定感 |
| 変更の少なさ | 長期使用向け |
| 内外装の統一感 | 落ち着いた印象 |
現在の旧車視点での評価軸
現在、デボネアA33を旧車として評価する場合、この性格を理解していないとミスマッチが起こります。
スポーティさや派手さを期待すると、物足りなく感じる可能性が高い一方で、静かに佇む高級セダンとしての完成度を重視する人には、独特の魅力があります。
要点まとめ
- A33は過剰な装備を避け、信頼性を重視した高級車
- 価格は用途が明確な層に向けた設定
- デザインと装備思想が一貫している
- 現在は「性格を理解して選ぶ旧車」と言える
資料を読み込んでいくと、デボネアA33は派手な主張をしない代わりに、静かに役割を果たすことを求められた車だったように感じます。
今の旧車市場では少数派の存在ですが、その分、分かる人にだけ響く佇まいがありますね。
現在の視点で見た装備の実用性と注意点
デボネアA33を現代で所有・維持する場合、当時の装備内容をそのまま評価するのは適切ではありません。
重要なのは、**「現在の使用環境で、どこが実用的で、どこに注意が必要か」**を冷静に切り分けることです。
A33は設計思想が明確な分、現代との相性が良い点と、割り切りが必要な点がはっきりしています。
現在でも評価できる装備要素
まず、現代でも十分に通用する、あるいはプラスに評価できる要素から整理します。
| 項目 | 現在の評価 |
|---|---|
| 視界の良さ | ピラーが細く死角が少ない |
| 操作系 | 物理スイッチ中心で直感的 |
| 乗り心地 | ゆったりしたセッティング |
| 室内空間 | 後席の余裕は今でも十分 |
特に操作系は、デジタル化が進んだ現代車と比べると分かりやすさが際立つ部分です。
エアコン、オーディオ、ライト類などは、視線移動が少なく操作できます。旧車初心者にとっても扱いやすい構成と言えます。
現代基準で注意すべき装備面の弱点
一方で、現代の使用環境を考えると、注意しなければならない点も多く存在します。
これは欠点というより、時代背景による制約です。
| 項目 | 注意点 |
|---|---|
| 安全装備 | エアバッグ・ABS非搭載の可能性 |
| 空調性能 | 真夏の冷房性能は個体差大 |
| 電装系 | 経年劣化による不調 |
| 燃費 | 現代車と比較すると不利 |
特に安全装備については、年式や仕様によって内容が異なり、一律に「付いている」「付いていない」と断定できません。
不明な場合は、必ず現車で確認する必要があります。
車検・保安基準との関係
A33は製造年代が古いため、現行の保安基準をすべて満たす必要はありません。
いわゆる「当時基準」が適用されます。
ただし、後年に追加・変更された装備がある場合、その内容によっては整備や調整が必要になることもあります。
| 確認項目 | 理由 |
|---|---|
| 灯火類 | 光量・色味の確認 |
| 排気系 | 騒音・排ガス |
| シートベルト | 状態劣化 |
特に灯火類や排気系は、個体ごとの差が出やすい部分です。
日常使用を想定した現実的な判断
デボネアA33は、毎日の足として酷使する車ではありません。
週末利用や保管前提の所有であれば、装備面の弱点は許容しやすくなります。
逆に、現代車と同じ感覚で使おうとすると、不満が出やすい車種です。
| 利用スタイル | 向き不向き |
|---|---|
| 週末ドライブ | 向いている |
| 長距離巡航 | 条件次第 |
| 毎日使用 | 向かない |
| 観賞・保管 | 非常に向く |
要点まとめ
- 操作性・視界・乗り心地は今でも評価できる
- 安全装備・燃費・空調性能は現代基準では注意点
- 保安基準は当時基準だが個体差確認が必須
- 使用スタイルを限定すれば満足度は高い
資料と仕様を並べて見ていくと、デボネアA33は「今の車として便利かどうか」よりも、「この車とどう付き合うか」が問われる存在だと感じます。
静かな時間を楽しむ用途であれば、今でも独特の落ち着きを味わえる車なのだそうです。
まとめ
デボネアA33は、当時の国産高級セダンの中でも「分かりやすい豪華さ」ではなく、「役割を全うするための完成度」を重視して作られた車でした。
カタログに記載された装備内容を見ても、最新技術や話題性を前面に押し出す姿勢はなく、信頼性・静粛性・居住性といった基本要素を丁寧に整えていたことが分かります。
新車価格も200〜300万円台と、当時としては決して安くはありませんが、用途と立場が明確な購入層に向けた、無理のない設定だったと言えるでしょう。
現在の視点で見ると、安全装備や燃費、空調性能などで現代車に劣る部分はあります。
しかし、それは欠点というより時代背景による前提条件の違いです。
使用スタイルを選び、現車状態をしっかり確認したうえで向き合えば、A33は今でも独特の落ち着きと存在感を楽しめる一台だと思われます。
派手さや利便性を求める人には向きませんが、静かに佇む高級セダンの空気感を大切にしたい人にとっては、非常に分かりやすい魅力を持った旧車です。