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【スカイライン C10】と C110の違いを徹底比較|設計思想・性能・デザイン・市場評価まで総まとめ

スカイラインC10(1968〜1972)とC110(1972〜1977)は、ともに「スカイラインの黄金期」を築いた重要なモデルですが、設計思想や時代背景、搭載エンジン、シャシー剛性、内外装デザインには明確な違いがあります。

C10は“走りのスカイライン”を印象付けた初期のスポーツセダンとして、C110は“スタイルのスカイライン”として時代を代表するデザイン性を持ち、どちらも旧車市場で高い人気を維持しています。

この記事では、スカイライン50年以上の歴史の中でも特に比較されることの多いC10とC110について、当時のカタログ・一次資料・残存個体・公式データから実際に確認できる違いを深掘りしていきます。

両モデルの関係は単なる“前期・後期”ではなく、モデルチェンジに伴う確かな技術の進化と時代性の違いが明確に表れています。

また現在の旧車市場では、C10(特にGT-R系)は価格が非常に高騰しており、C110も状態の良い個体が減少しています。

これから購入・維持・レストアを考える読者に向けて、どちらが自分に向いているか、維持費面・部品入手性・ボディ剛性・錆の出やすい箇所など、実用的な視点も交えて比較します。

先に結論を簡潔に示すと、

  • C10=走行性能・軽快さ・初代GT-Rの象徴
  • C110=デザイン性・存在感・“ケンメリ”としての独自文化

という強い個性があり、どちらが優れているというより“何を重視するか”で選択が変わるモデルです。

本記事を読むことで、両車の歴史的意義から技術的な違い、今どう選ぶべきかまで一気に理解できますので、購入検討中の方はぜひ最後までお読みください。

Contents

スカイラインC10とC110の基本データの違い

スカイラインC10(1968〜1972)とC110(1972〜1977)は、「スカイラインの人気を決定づけた2つの代表世代」と言われますが、車体サイズ・重量・搭載エンジン・安全装備・サスペンション構造など、基本データの段階で大きな違いがあります。

このセクションでは、当時のカタログ・一次資料で確認できる範囲で、両車の基本スペックを整理しながら違いを明確にしていきます。

まず最初に押さえておきたいポイントは、C10→C110は単なる“後継”ではなく、時代背景そのものが変化した中での大幅アップデートだったという事実です。

C10は高度経済成長期の“走りのセダン”として開発され、C110は排ガス規制強化・安全基準見直し・デザイン戦略の転換など、多くの外的要因によって性格づけられています。


主要諸元比較表(代表的なグレード)

以下はGT系・主力仕様を中心とした比較です。

グレードにより細かな差異があるため、項目によっては「不明」と記載します。

項目スカイライン C10スカイライン C110
生産期間1968〜19721972〜1977
型式(代表)PGC10 / KGC10 などKGC110 / KHGC110 など
全長約4,335mm約4,460mm
全幅約1,595mm約1,625mm
全高約1,375mm約1,395mm
ホイールベース2,570mm2,610mm
車重約1,040〜1,150kg約1,190〜1,300kg
エンジンL20 / L20A / S20L20 / L20E など(年式により差)
トランスミッション4MT / 5MT4MT / 5MT / 3AT
サスペンション前:ストラット 後:セミトレーリングアーム同構造だが剛性・設計が異なる
ブレーキフロントディスク(GT系)同様(仕様により差あり)
安全装備シートベルト(初期は簡易)法規改正により強化

※当時の年式や仕様により細部は異なるため、特定年式の詳細が必要な場合は別途確認が必要。


C10とC110で特に違うポイント(基本データ編)

1. 車体のサイズアップ

C110はC10より全長+125mm、全幅+30mmほど拡大されており、ひと回りボリュームアップしています。

これは時代的な「高級志向」「余裕ある室内空間」が求められた流れを反映しています。

2. 車重の増加

排ガス規制・安全装備の強化・静粛性向上などにより、C110は全体的に重量が増加。

これにより走行フィールにも明確な違いが生まれました。

3. 排ガス規制対応

C10時代には存在しなかった“本格的な排ガス規制”がC110の途中から始まり、エンジン特性・キャブ設定・排気系が大きく変化。

この変化が旧車乗りにとっては重要なチェックポイントになります。

4. 安全基準の違い

1970年代前半は自動車の安全基準が国際的に見直された時代で、C110は強化されたバンパーやボディ構造が採用されました。

C10は軽快さが特徴ですが、そのぶん安全基準は現代より大きく劣ります。


基本データの違いが“乗り味”にも直結する

車体サイズ・重量・バンパー構造・排ガス規制対応など、基本データの変化はそのまま走行性能にも影響します。

  • C10=軽量でレスポンスが良く、エンジンの吹けが鋭い
  • C110=重量増+静粛性強化で、重厚感のある乗り味へシフト

この性格の違いは旧車ユーザーの評価にも直結しており、「走り派はC10」「スタイル派はC110」と言われる理由にもなっています。


要点まとめ

  • C110はC10よりも一回り大きく、重量も増加している
  • 排ガス規制・安全基準強化など時代背景の違いがスペック差に反映
  • 基本データの違いは走行フィールに直結し、軽快さのC10・重厚感のC110という性格が形成
  • エンジン・ミッション構成は共通点もあるが、年式で仕様が大きく変わる点が特徴

当時のスカイラインは年式で細かな仕様変更が多く、資料を見比べるほど時代の流れが感じられる車です。

こうした基本データの積み重ねが、その後の“スカイラインの進化”に繋がっていったのだと感じます。

設計思想・時代背景の違い(走りを追求したC10/安全・環境規制とスタイル重視のC110)

スカイラインC10とC110の“違い”を理解する上で最も重要なのが、この「設計思想」と「時代背景」の差です。

同じスカイラインでありながら、開発コンセプトはまったく別物と言えるほど方向性が異なります。

C10は「レースで勝つ」「走りのイメージを築く」ことを最優先にした世代であり、C110は高度経済成長の終盤から排ガス規制の時代へ移り変わる中、“より洗練されたスタイル”や“快適性・安全性の向上”を求められたモデルでした。

両者の違いは、カタログの表現・メーカー資料・当時の広告戦略などからも読み取ることができ、単に「前のモデルより豪華になった・大きくなった」だけでない、深い背景があります。


C10:レースで勝つために生まれた“走りのスカイライン”

C10型の開発は、日産がレース活動を重要視していた時代に行われました。

特に有名なのは1969年登場の PGC10 / KPGC10(ハコスカGT-R) で、これは「走りのスカイライン」というブランドイメージを決定的にした象徴的存在です。

C10の設計キーワード

  • 軽量・高剛性
     走行性能を優先したボディ設計。
  • レスポンス重視のエンジン特性
     S20エンジンなど、高回転域の伸びを追求。
  • モータースポーツ直結の開発思想
     実際にレースで勝つため、商品車としても妥協のない設計。

メーカー自身が「走り続けるためのスポーツセダン」と明確にアピールしていた時代背景も大きく、C10は“走行性能第一”のコンセプトで作られていました。


C110:社会環境の変化の中で生まれた“スタイルのスカイライン”

C110が登場した1972年以降、日本は安全基準や排ガス規制の強化を迎える時期にあり、C10と同じ方向性では開発が成立しにくい状況でした。

そのためC110は、性能以外の新たな価値──デザイン性・快適性・静粛性・ライフスタイル性が重視されるようになります。

有名な「ケンとメリー」の広告キャンペーンは、まさにその象徴で、「ファミリーカーとしての魅力」「スタイルとしてのスカイライン」を前面に打ち出した戦略がとられました。

C110の設計キーワード

  • スタイル重視のロングノーズ&ショートデッキ
     当時の世界的トレンドを意識したデザイン。
  • 静粛性・乗り心地の向上
     家族で乗る車としての快適性重視。
  • 安全基準・排ガス規制への対応
     構造・重量増加につながり、性能特性が変化。

特に排ガス規制の影響は大きく、S20エンジン搭載のGT-RはC110で短期間しか生産されず、結果的に“幻のGT-R”として語られる存在になりました。


C10とC110は“時代の象徴として生まれたクルマ”

観点C10C110
位置づけ走りの頂点を目指したスポーツセダンスタイル・快適性を重視したライフスタイルカー
社会背景高度成長期・モータースポーツ熱の高まり安全基準強化・排ガス規制・生活志向の変化
キャラクターとにかく軽快でハード重厚感、静かさ、存在感
デザイン性実直で機能的流麗でスタイリッシュ

このように両者は同じスカイラインでありながら、背景まで含めて“まったく異なる価値”を持っています。

どちらが優れているかではなく、求める方向性によって評価が変わるモデルと言えるでしょう。


要点まとめ

  • C10は「レースで勝つ」ためのスポーツ志向が強い設計
  • C110は排ガス規制・安全基準の強化という変化の中で、快適性とスタイルが重視された
  • C10=性能偏重、C110=生活・スタイル志向という明確なコンセプト差
  • 時代背景がそのまま両モデルの性格に反映されている

スカイラインは時代ごとに性格が変わる車ですが、C10とC110の違いは特に大きく、背景を知るほど“どちらもその時代を象徴する存在だった”と感じます。

デザイン・内装・シャシーの違い

スカイラインC10とC110の比較において、もっとも視覚的・感覚的に違いがわかりやすいのが「デザイン」と「内装」、そして走りの根幹である「シャシー構造」の方向性です。

同じスカイラインの系譜でありながら、両車は“別の時代の価値観”を反映したモデルであり、見た目だけでなく操作感・室内の雰囲気までも大きく異なります。

まず押さえたいのは、C10=機能性・走行性能重視/C110=スタイル・存在感重視という基本設計が、デザインにもそのまま表れているという点です。


外観デザインの決定的な違い

スカイラインの象徴ともいえる外観デザインは、両者で明確な差があります。

C10(ハコスカ)

  • ボクシーで直線基調
  • 走行性能を意識した実直なライン
  • シャープなフロントグリル
  • 余計な装飾を排した“硬派なスポーツセダン”

C10のデザインは“質実剛健”の一言で、当時のレーシングスピリットを色濃く反映。

空力よりも整備性やパッケージングを優先しており、「走るための道具」としての表情が強いです。

C110(ケンメリ)

  • ロングノーズ&ショートデッキの伸びやかなプロポーション
  • 丸テール&丸目4灯のアイコニックなリアデザイン
  • クローム加飾の使用が増え、上質感が向上
  • ボディラインに“色気”が加わる

C110はデザインの完成度が高く、旧車市場でも「一番美しいスカイライン」と語られることも多いほど。

広告(ケンとメリー)と相まって、ファッション性・スタイル性の高さが際立つモデルです。


室内デザインと快適性の違い

C10の内装

  • 機能性重視のメーター配置
  • シンプルなダッシュボード
  • スポーツ走行を意識した小径ステアリング
  • 内装素材は簡素で、近代的な快適装備は少ない

C10の室内は“必要なものを必要な場所に置く”という合理的な設計で、現代の快適性基準で見ると簡素ですが、運転に集中できる環境が整っています。

C110の内装

  • ダッシュボード形状が立体的で高級感が増加
  • メータークラスターの演出性が向上
  • シートクッションの厚みが増し、長距離走行が快適
  • 静粛性向上のための遮音材使用が増える

C110の内装は、生活水準の向上と安全性の強化を背景に“乗用車としての完成度”が高まった印象で、C10とは明らかに方向性が違います。


シャシーと足回りの違い

両車は前ストラット/後セミトレーリングアームという基本構造を共通しますが、中身は大きく異なります。

項目C10C110
ボディ剛性軽量・硬め重量増でしっかり感が増す
足回りの味付けスポーティでダイレクト乗り心地と安定性重視
ブレーキ一部グレードでディスク化GT系は同様だが扱いやすく改善
ハンドリングキビキビ感が強い落ち着いた回頭性・直進安定性

C10のシャシーは軽さによるダイレクトな操縦感が最大の魅力で、旧車好きが“走る楽しさ”を評価するポイントでもあります。

一方C110は、重量に見合った重厚感のあるフィーリングが特徴で、高速巡航での安定性に優れています。

ここはどちらの乗り味が好みかで評価が大きく分かれる部分です。


デザイン面のまとめ

  • C10は“直線基調の硬派なスポーツセダン”
  • C110は“流麗で存在感あるスタイリッシュカー”
  • 内装はC10=機能性重視、C110=快適性・質感重視
  • シャシーは共通構造でも味付けが大きく異なる
  • 好みの差がもっともはっきり分かれる領域が“デザインと乗り味”

C10とC110の外観を見比べると、それぞれの時代の空気が濃く反映されていて、とても興味深いですよね。

どちらも魅力的で、“スカイライン”という名前が持つ幅の広さを感じさせてくれます。

エンジン・走行性能・乗り味の違い

スカイラインC10とC110の“性格の違い”をもっとも強く感じられるのが、エンジン特性・走行性能・乗り味です。

両者は同じL型系エンジンを搭載するグレードもありますが、車体重量・排ガス規制・サスペンションの味付け・ギア比などが大きく異なり、同じ数値でも走らせた印象はまったく別物といえます。

また、C10はS20を搭載したGT-R(PGC10/KPGC10)によって「走りのスカイライン」というブランドイメージを決定づけ、C110は名車として語られる一方で排ガス規模の影響により性能面で制約があった時代でもあり、この違いが走行性能の差として明確に表れています。


エンジンラインナップの違い(代表的な仕様)

両モデルの主要エンジンは以下の通りです。

※年式・型式により仕様差が大きいため、細部は「不明」とします。

項目スカイライン C10スカイライン C110
主力エンジンL20 / L20AL20 / L20E(電子制御化)
名機S20(GT-R)S20(短期間のみ生産)
最高出力(例)S20:160PS規制影響で出力低下傾向
キャブ/吸気SUツインキャブなど排ガス規制対応型キャブ/EGR追加
性格高回転型・鋭いレスポンスおとなしい特性・扱いやすさ重視

C10は“吹け上がりの良さ”が特徴で、エンジンの軽快感は現代の車では味わえないフィーリングがあります。

一方でC110は排ガス規制で点火時期・燃料噴射量・キャブ設定が抑えられ、出力・レスポンスが低下した時代で、これは走りの印象に大きく影響しました。


走行性能の違い

C10(ハコスカ)

  • 軽量ボディによる鋭い加速と軽快なハンドリング
  • S20搭載車は特に「別次元の回転フィール」
  • 足回りは硬めでスポーツ走行向き
  • エンジン音・振動も現代車よりダイレクトに伝わる

“走らせる楽しさ”を最優先した設計で、ステアリングの反応・車体の動きが非常に素直。

C10特有の“軽さ”が、走りの印象を強く形作っています。

C110(ケンメリ)

  • 重厚感のある走りと直進安定性の向上
  • 車重増と排ガス規制により素の走りは大人しい
  • 静粛性が高まり、快適性は大幅に向上
  • 高速巡航ではC10より落ち着いた挙動

C110は走行性能より“快適な移動”を重視し、長距離でも疲れにくい走りを目指した設計。

この“落ち着いた走り”はファミリーカーとして非常に高評価でした。


乗り味の方向性の違い

2台の乗り味は、端的にまとめると以下のようになります。

評価軸C10C110
フィーリング乾いた、ダイレクト重厚、しっとり
操舵感軽快でスポーティ安定志向
加速感低重量で鋭い車重増で穏やか
音・振動走りがダイレクトに伝わる遮音材増加で落ち着きあり

C10は「現代車では味わえない鋭さ」があり、C110は「落ち着きのある安定した乗り味」。

同じスカイラインでも、乗り味の方向性はまったく異なります。


当時のユーザー評価の違い

  • C10→スポーツカーとしての完成度が非常に高い
     走りの性能を求めるユーザーから圧倒的支持。
  • C110→デザインと快適性が時代にマッチした
     家族需要・若者需要の双方でヒットし、“ケンメリブーム”を生む。

C110 GT-Rが超短命で終わった背景には、排ガス規制という外的要因があり、「もし規制がなければC110時代でもGT-Rが継続していた」と語られることもあります。


要点まとめ

  • C10は軽量でレスポンスが鋭く“走りの楽しさ”に全振りした性能
  • C110は規制対応により穏やかな特性だが、静粛性と安定性は向上
  • 乗り味はC10=軽快、C110=重厚で、目的がまったく異なる
  • 同じL型エンジンでも特性が異なり、C10は鋭さ、C110は扱いやすさが特徴

C10とC110は、走らせると性格の違いがすぐにわかるモデルだと言われます。

どちらも魅力的で、その差こそが“スカイラインの多様性”を象徴しているように感じます。

よくある質問(FAQ)

Q1. C10とC110では、初心者でも扱いやすいのはどっち?

一般的には C110の方が扱いやすい とされます。

理由は、排ガス規制後の時代で扱いやすいエンジン特性、比較的安定した直進性、パーツ供給の多さがあるためです。

C10は軽快ですが“古いスポーツ車”としてのクセが強く、整備水準によって扱いが大きく変わります。


Q2. 走りを本気で楽しみたい場合はC10一択?

硬派な走行性能を求めるならC10が向いています。

ただし個体差が非常に大きいため、足回り・ボディの状態が良い車を探すことが最重要です。

C110も重厚感のある良い走りをしますが、スポーツ志向はC10が上です。


Q3. C110は排ガス規制でパワーが落ちているの?

はい。

C110の途中から排ガス規制が本格化し、点火時期・燃調・排気系の制限により出力が抑えられています。

ただし日常走行では扱いやすく、トルク感が自然な仕様も多いです。


Q4. 部品入手のしやすさはどちらが有利?

総合的にはC110が有利です。

社外パネルの再販が多く、外装のレストアを進めやすい傾向があります。

C10は希少部品が多く、特に外装・GT系専用部品は入手難易度が高めです。


Q5. 錆が一番出やすい場所はどこ?

両車ともに共通して、

  • サイドシル
  • リアフェンダー
  • フロアパン
  • リアガラス下
  • ラゲッジフロア
    が特に深刻化しやすい部分です。C110は構造上“水抜けが悪い部位”があり、腐食が内部で進行している個体も見られます。

Q6. 公道で乗るうえで法規的な問題はある?

どちらも登録されていれば問題なく公道走行可能です。

ただし改造が残っている車両は、地域や年式、最新の法規によって条件が異なるため、最終確認は必須 です。

特に社外マフラー・排気関連は注意が必要です。


Q7. C10とC110で乗り心地はどれくらい違う?

C10は軽量・硬め・ダイレクトで、振動もそのまま伝わります。

C110は重量増+遮音強化で、同じ旧車でも「しっとり・安定」の方向。どちらが快適かは好みですが、長距離はC110の方が楽です。


Q8. 高速道路で安定しているのはどっち?

一般的には C110の方が直進安定性が高い です。

C10は軽さが魅力ですが、風の影響や路面のうねりを受けやすく、足回りの状態によって挙動が大きく変わります。


Q9. レストア費用はどの程度覚悟すべき?

個体差が非常に大きく、

  • 腐食少なめ → 比較的軽く済む
  • フロア・シル腐食 → 中規模
  • 全体的に錆びている → 全剥離+溶接総やり直し の可能性
    となります。C110はパネル供給で救われる部分もありますが、フィッティング調整が必要です。

Q10. 維持費が安いのはどちら?

“状態が良い個体”を選べばC110の方が安定しやすい傾向があります。

C10はパーツ価格・希少性から費用が膨らむことが多く、維持コストはC10の方が上がりやすいです。


Q11. 初めて旧車を買うならどっちが向いている?

「旧車らしさを味わいたい」ならC10、「旧車でも少し快適に乗りたい」ならC110が向いています。

ただし最重要は**“個体の状態”**であり、年式よりも腐食・記録・整備履歴を優先して判断した方が満足度は高いです。

まとめ

スカイラインC10とC110は、同じスカイラインという名前を持ちながら、その成り立ち・価値観・魅力が大きく異なる“二つの名車”です。

C10はモータースポーツの熱気が高まった時代に誕生し、「走りのスカイライン」というブランドイメージを決定づけたモデルでした。

軽量・高剛性のボディと鋭いレスポンスのエンジンは、今も多くの愛好家を惹きつけています。

特にGT-R(PGC10/KPGC10)の存在は伝説的であり、スポーツセダンとしての完成度の高さは、半世紀を経た現在でも高く評価されています。

一方のC110は、「ケンメリ」の愛称で親しまれ、流麗なデザインと快適性の高さで時代を代表する人気車となりました。

排ガス規制や安全基準の強化という外的環境の中、スタイル・静粛性・乗り心地といった新しい価値が求められた世代であり、そのデザイン性は国内外を問わず旧車ファンの心を掴み続けています。

2ドアHTを中心に希少価値が高まり、旧車イベントでも大きな存在感を放つモデルです。

走行性能・乗り味の面では、C10は軽快でダイレクト、C110は重厚で安定志向と、性格は大きく異なります。

どちらが優れているというより、「走りの鋭さを楽しみたいか」「スタイルと落ち着いた走行感を求めるか」という選び方になります。

また、ボディの錆びやすい部位や剛性・レストアの難易度にも違いがあり、C10はパーツの希少性によって費用が高くなりやすいのに対し、C110はパネル再販が比較的多い一方でフィッティングに調整が必要といった特徴があります。

旧車市場の評価では、C10はスポーツ性・ブランド性・希少性から圧倒的な人気を持ち、C110はスタイル人気・デザイン性で高値を維持しています。

維持費はC10の方が高くなる傾向が強いものの、どちらも“良質個体”に巡り合えれば、長く付き合えるポテンシャルを十分に備えています。

特にC110は扱いやすさとデザイン性のバランスが取れており、旧車初心者にとっても選択肢として現実的。

購入を考える読者にとって最重要なのは、「どちらを選ぶか」よりも**“状態の良い個体を選ぶこと”**です。

年式やモデルの差より、サビの程度・構造の健全性・整備記録・過去のレストア歴が、乗り味や維持費を大きく左右します。

可能であれば専門店の実車チェックを依頼することで、長期的に満足できる一台に出会える可能性が高まります。

総じて、C10もC110も、当時の日本車が持つ技術・情熱・美学をそれぞれ異なる形で体現した名車であり、どちらを選んでも“所有する喜び”がある一台。

走りの原点を味わいたいならC10、スタイルの美しさと旧車らしい余裕を楽しみたいならC110。

どちらのスカイラインを選んでも、きっとあなたのガレージに特別な存在感をもたらしてくれるはずです!


参考リンク

日産自動車 1969年 スカイラインGT-R カタログ
https://www.nissan.co.jp

日産自動車 1972年 スカイライン C110 カタログ
https://www.nissan.co.jp

国立国会図書館デジタルコレクション:スカイライン C10/C110
https://dl.ndl.go.jp

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