マツダ・カペラ CB系は、1989年に登場した5代目カペラにあたるモデルです。
バブル期の国産ミドルセダン競争の中で投入され、従来の“実用車カペラ”から一歩進んだ、上質志向と走行性能を両立させた設計思想が特徴でした。
現在このモデルを検討する場合、まず確認すべきは「当時どのクラスを狙った車だったのか」「現代基準で見てどの程度の実用性があるのか」という点です。
維持費は比較的抑えられる部類ですが、電装系部品や内装樹脂の劣化、ボディの錆の進行状況は個体差が大きく、購入時の見極めが重要になります。
また、保安基準は当時の基準で設計されているため、安全装備は現代車と比較すると限定的です。
本記事では、カペラ CBの基本諸元、当時の市場ポジション、競合車との関係性、そして現在の評価までを整理し、「今この車をどう見るべきか」を明確にしていきます。
Contents
【カペラ CB】の基本概要とモデルチェンジの背景

カペラ CB系の登場時期と型式
CB系カペラは1989年に登場した5代目モデルです。
型式はセダンが「CB系」、ハッチバック(カーゴ含む)は「GV系」として区別されます。
駆動方式はFFを基本とし、一部4WDモデルも設定されました。
当時のマツダは販売チャネルを複数展開しており、カペラは中核モデルの一つとして位置付けられていました。
上級車ルーチェと小型車ファミリアの中間にあたる“ミドルクラス”の役割を担っていました。
ボディサイズと基本スペック
代表的なセダンの主要寸法は以下の通りです。
| 項目 | 数値(代表値) |
|---|---|
| 全長 | 約4,515mm |
| 全幅 | 約1,690mm |
| 全高 | 約1,405mm |
| ホイールベース | 約2,575mm |
| 駆動方式 | FF/一部4WD |
| エンジン | 直4 DOHC 他 |
※グレードにより差異あり。
サイズ的には当時の“5ナンバー枠”に収まる設計で、日本市場における税制面の配慮も見られます。
モデルチェンジの背景
先代(GC系)からのフルモデルチェンジでは、以下の点が大きく変更されました。
- ボディ剛性の向上
- 空力性能の改善
- DOHCエンジンの強化
- 内装質感の向上
1980年代後半は各メーカーが“高性能・高品質”を競い合っていた時期であり、カペラもその流れの中で商品力を高めたモデルでした。
要点まとめ
- 1989年登場の5代目カペラがCB系
- ミドルクラス5ナンバーセダンとして設計
- FF中心、一部4WDあり
- 走行性能と上質感を強化した世代
この世代のカペラは、直線基調のボディと抑えたデザインが印象的ですね。
資料を見る限り、派手さよりも堅実さを重視した設計思想だったようです。
今見ると、その控えめな佇まいが逆に時代性を強く感じさせます。
【カペラ CB】の市場での位置付けとライバル比較
当時のマツダにおけるポジション
1989年当時、マツダのラインナップは以下のような階層構造でした。
| クラス | 車種例 | 位置付け |
|---|---|---|
| 上級車 | ルーチェ | フラッグシップ |
| ミドル | カペラ | 中核モデル |
| 小型 | ファミリア | 大衆向け主力 |
カペラは単なる中間モデルではなく、「走りと実用性を両立するファミリーセダン」としての役割を担っていました。
特にCB系では、先代よりもスポーティ志向を強めつつ、内装質感も向上させることで、幅広い層を狙った設計になっています。
同時代ライバル車との比較
CB系カペラが直接競合していた代表的モデルは以下です。
| メーカー | 車種 | 世代(当時) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| トヨタ | コロナ | T170系 | 安定志向・販売力 |
| 日産 | ブルーバード | U12系 | 走行性能重視 |
| ホンダ | アコード | CB系 | 高回転型エンジン |
| 三菱 | ギャラン | E30系 | ターボ展開あり |
カペラはこの中で「突出した販売台数」ではなく、「バランス型の完成度」で勝負する立ち位置でした。
特に自然吸気DOHCエンジンの設定や足回りの安定性は評価されていたとされます。
一方で、ターボモデルや高級志向グレードでは、ギャランやアコードのほうが話題性を持つ場面もありました。
販売戦略とバブル期の影響
CB系が登場した1989年は、日本の自動車市場が拡大期にあった時代です。
各メーカーは以下の傾向を強めていました。
- 高回転DOHC化
- 電動装備の増加
- 内装ソフトパッド化
- 上位グレードの豪華化
カペラもこの流れを受け、従来よりも「装備充実型」にシフトしています。
ただし、完全な高級車ではなく、あくまで“実用ミドル”の範囲内に収めた設計でした。
要点まとめ
- マツダの中核ミドルセダンとしての役割
- ライバルはコロナ/ブルーバード/アコード/ギャラン
- 突出型ではなくバランス型
- バブル期の装備充実傾向を反映
派手さよりも“堅実な総合力”を狙った車だったようですね。
当時のカタログを見ると、走行性能と実用性を丁寧に説明している印象があります。
控えめながらも完成度を高めようとした姿勢が伝わってきます。
【カペラ CB】のグレード構成とメカニズムの特徴

CB系カペラは、単一仕様ではなく複数のエンジン・駆動方式・装備グレードを展開していました。
購入検討時には「どの仕様か」で維持費・部品供給・整備難易度が変わるため、まず構成を正確に整理することが重要です。
エンジンラインナップ
CB系では直列4気筒エンジンを中心に構成されていました。
| エンジン型式 | 排気量 | 吸気方式 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| B6系 | 1.6L | NA | ベーシック仕様 |
| FE系 | 2.0L | SOHC/DOHC | 主力グレード |
| F2系 | 2.2L | SOHC | 上位排気量 |
| RF系 | 2.0L | ディーゼル | 燃費志向 |
※出力数値は年式・仕様により異なるため、個体確認が必要です。
主力は2.0Lクラスで、日常使用と高速巡航を両立する設定でした。
ディーゼル仕様も存在しますが、現代では部品入手性や騒音・振動面を考慮する必要があります。
駆動方式とトランスミッション
| 駆動方式 | 内容 |
|---|---|
| FF | 主流モデル |
| 4WD | 一部寒冷地・上級仕様 |
トランスミッションは5速MTと4速ATが中心でした。
AT車は経年による変速ショックやオイル管理履歴が重要になります。
4WD仕様は希少ですが、プロペラシャフトやリアデフ周辺の部品調達が難しくなる傾向があります。
足回りとシャシー設計
CB系は先代よりボディ剛性が向上したとされ、サスペンションは以下の構成でした。
| 部位 | 形式 |
|---|---|
| フロント | ストラット式 |
| リア | ストラット式(仕様により差異あり) |
特別なスポーツ専用設計ではありませんが、当時のミドルセダンとしては安定志向の設定でした。
ブッシュ類やショックアブソーバーは経年劣化が前提となります。
電装・装備の特徴
CB系では以下の装備が拡充されました。
- パワーウインドウ
- 集中ドアロック
- デジタル時計
- 一部オートエアコン
現在では電装トラブル(接触不良・基板劣化)が発生する可能性があります。
特にエアコン関連は修理費が高額になることがあります。
要点まとめ
- 主力は2.0Lガソリンモデル
- FF中心、一部4WD設定あり
- MT/ATともに存在
- 電装系は経年劣化リスクあり
この世代のメカニズムは、奇抜さよりも実直な設計という印象がありますね。
資料を見ると、過度なスポーツ性よりも“日常での安心感”を意識した構成だったようです。
長く使うことを前提にした設計思想が感じられます。
【カペラ CB】を今選ぶ意味と注意点
CB系カペラは、販売終了から30年以上が経過しています。現在この車を選ぶ場合、「趣味性」「維持可能性」「法規対応」「将来的価値」の4点を冷静に整理することが重要です。
単なる“安価な旧車”として選ぶと、想定外の整備費が発生する可能性があります。
現在の中古市場での立ち位置
CB系は流通台数が多いモデルではありません。
現存車両は減少傾向にあり、状態の良い個体は限定的です。
| 観点 | 現状傾向 |
|---|---|
| 流通量 | 少なめ |
| 価格帯 | 個体差大 |
| 修復歴 | 要確認 |
| 純正部品 | 廃番増加 |
価格が安く見えても、内外装の劣化補修に費用がかかるケースがあります。
中古車探しの主な経路:
ヤフオク
https://auctions.yahoo.co.jp/
メルカリ
https://www.mercari.com/jp/
※個人売買は整備履歴の確認が特に重要です。
錆とボディ状態の確認ポイント
CB系は防錆処理が現代車ほど強化されていません。
特に以下の部位は注意が必要です。
| 部位 | 確認内容 |
|---|---|
| フロントフェンダー内側 | 腐食進行の有無 |
| リアフェンダーアーチ | 水分滞留 |
| フロア下部 | ジャッキポイント腐食 |
| トランク下部 | 雨水侵入跡 |
構造部の錆は修復費が高額になる可能性があります。
維持費の現実的な目安
旧車維持では「購入価格より維持費」が重要です。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 自動車税 | 排気量区分による |
| 車検費用 | 整備内容次第 |
| 消耗品交換 | 年間数万円規模 |
| 大規模修理 | 内容により数十万円 |
特にエアコン修理・AT修理・電装修理は費用増加要因になります。
保安基準と安全装備
CB系は以下の安全装備が限定的です。
- エアバッグ未装着仕様あり
- ABSは一部仕様のみ
- 横滑り防止装置なし
現代基準の衝突安全性は期待できません。
家族用途では慎重な判断が必要です。
今選ぶ意味
では、なぜCB系を選ぶのか。
- 5ナンバーサイズの扱いやすさ
- 直線基調デザイン
- 過度に電子化されていない構造
- 価格上昇が急激ではない
派手なプレミアはついていませんが、“静かな良車”としての魅力があります。
要点まとめ
- 流通台数は減少傾向
- 錆確認は最重要
- 維持費は購入価格以上に重要
- 安全装備は現代基準未満
この車は華やかな存在ではありませんが、落ち着いた佇まいが印象的ですね。
当時のミドルセダンらしい均整の取れたデザインは、今見ると素朴な魅力があると感じます。
大切に維持されている個体には、静かな存在感があります。
【カペラ CB】の購入・保管・レストア方針をどう考えるべきか

ここでは「今からカペラ CBを本気で維持する場合」の現実的な戦略を整理します。
単なる概要理解ではなく、購入判断・保管環境・レストア範囲の見極めが重要です。
購入時に確認すべき優先順位
旧車は“全部見る”のではなく、“優先順位を決めて見る”ことが大切です。
| 優先度 | 確認項目 | 理由 |
|---|---|---|
| ★★★ | ボディ腐食 | 修復費が最も高額 |
| ★★★ | 下回り | 構造部腐食は致命的 |
| ★★☆ | エアコン作動 | 修理費高額傾向 |
| ★★☆ | AT変速状態 | オーバーホール高額 |
| ★☆☆ | 内装ヤレ | 補修で対応可能 |
エンジン不調は修理可能でも、骨格腐食は費用対効果が悪化します。
まず“錆が少ない個体”を優先すべきです。
保管環境の考え方
CB系は現代車より塗装・シール材の耐久性が低い傾向があります。
理想的な保管条件:
- 屋内保管
- コンクリート床
- 湿度管理
- 直射日光回避
屋外保管の場合、以下の劣化が進行します。
| 劣化部位 | 主な症状 |
|---|---|
| ダッシュボード | ひび割れ |
| モール類 | 白化 |
| ゴムシール | 硬化 |
| ヘッドライト | 曇り |
保管環境が維持費を左右します。
レストアはどこまでやるべきか
レストアは「フルレストア」か「機関維持型」かで方針が分かれます。
① 機関維持優先型
- エンジン整備
- 足回りリフレッシュ
- 消耗品交換
外観はオリジナル維持。
② 外装仕上げ型
- 全塗装
- モール交換
- 内装補修
費用は高額になりやすいです。
フルレストアの場合、車両価格を大きく超えることがあります。
部品入手の現実
純正新品部品は廃番が増加しています。
入手経路は以下が中心です。
モノタロウ
https://www.monotaro.com/
ヤフオク
https://auctions.yahoo.co.jp/
汎用品で代替可能なものもありますが、内装専用品は難易度が高い傾向です。
長期所有の現実的シミュレーション
5年間所有を想定した場合:
| 項目 | 想定 |
|---|---|
| 初期整備費 | 数十万円規模 |
| 年間維持費 | 税金+整備費 |
| 大規模修理 | 突発的に発生 |
購入価格より“初期整備費”を確保できるかが重要です。
要点まとめ
- 錆優先で個体を選ぶ
- 保管環境が寿命を左右
- レストア範囲は事前に決める
- 初期整備費を十分確保する
この年代のセダンは、派手な存在ではありませんが、きちんと手入れされた個体は落ち着いた魅力がありますね。
資料写真を見ると、直線的なフォルムが時代を象徴しているように感じます。
静かに長く楽しむタイプの旧車と言えそうです。
まとめ
【カペラ CB】は、1989年に登場した5代目カペラとして、マツダの中核ミドルセダンを担ったモデルです。
5ナンバーサイズに収まる実用性、直列4気筒エンジン中心の堅実な構成、そして過度に電子化されていない設計が特徴でした。
ライバルが多い激戦区にあって、突出した個性よりも「総合力」で勝負した一台といえます。
現在この車を検討する場合、最重要ポイントはボディ腐食の状態確認です。
エンジンや足回りは整備で対応可能な場合が多い一方、構造部の錆は費用面で大きな負担になります。
また、安全装備は現代車基準には及ばないため、用途の見極めも欠かせません。
購入価格の安さだけで判断せず、初期整備費を含めた総予算で考える姿勢が重要です。
一方で、過度なプレミア化が進んでいない点は魅力でもあります。
派手さはありませんが、直線的で落ち着いた佇まいはこの時代ならではの味わいがあります。
丁寧に保管し、無理のない範囲で維持するのであれば、静かに楽しめる旧車といえるでしょう。