1970年代後半に登場したホンダ・バラード E-AA型は、シビックの派生車種として誕生しながらも、装備や内外装の仕立てに独自性を持たせたモデルです。
現在は中古市場でも流通台数が少なく、当時のカタログ情報を正確に把握している人も多くはありません。
本記事では、当時カタログに基づく装備内容、新車価格、グレード構成を整理し、「今この車を検討するなら何を基準に判断すべきか」を明確にします。
価格だけでなく、当時の装備思想や安全基準、維持を前提とした現実的視点も含めて検証します。
購入前の判断材料として活用してください。
Contents
【バラード E-AA】当時カタログから読み解く車両概要と基本諸元

E-AA型バラードは1978年に登場した初代バラードの型式で、シビック(3代目系)をベースとする4ドアセダンとして設定されました。
当時のホンダ公式資料によれば、エンジンは直列4気筒SOHCユニットを搭載し、排気量は主に1.3Lおよび1.5Lが設定されています。
基本諸元(当時カタログ掲載値)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型式 | E-AA |
| 駆動方式 | FF |
| エンジン | 直列4気筒 SOHC |
| 排気量 | 1,300cc / 1,500cc |
| トランスミッション | 4速MT / 5速MT(グレード別) |
| ボディタイプ | 4ドアセダン |
※細かな出力数値はグレードごとに異なるため、後述します。
この時代のホンダはCVCC技術を前面に押し出しており、排ガス規制への対応を強く意識した設計思想が見て取れます。
保安基準や排出ガス規制をクリアするためのエンジン構造であることが、当時カタログ内でも明確に記載されています。
ボディ設計の特徴
- 直線基調の3ボックスデザイン
- 小型セダンとして扱いやすい全長
- 実用性重視のトランク容量
現代の安全基準と比較すると衝突安全装備は当然ながら限定的で、エアバッグやABSは未設定です。
したがって、現代で実用使用する場合は安全面を理解した上での運用が必要です。
現在検討する際の注意
- 車体剛性は当時基準
- 防錆処理は現代車ほど強くない
- 現存車は錆・腐食の個体差が大きい
特にフロア下部、サイドシル、リアフェンダー内側は腐食確認が必須です。
要点まとめ
- E-AA型は1978年登場のFFセダン
- 1.3L/1.5Lエンジン設定
- CVCC思想による排ガス対策型エンジン
- 安全装備は現代基準では最小限
- 錆確認が最重要ポイント
この年代の直線的なボディラインは、やはり独特の魅力がありますね。
資料を読み込むほど、当時の実用志向と技術的挑戦が感じられる一台だと聞きます。
【バラード E-AA】グレード構成と当時装備の詳細
E-AA型バラードは、単なる「シビックの4ドア版」ではなく、装備面で明確に差別化された車種として展開されました。
当時カタログを見ると、グレード構成は排気量別に複数設定され、内装仕立てや快適装備に違いが設けられていたことが分かります。
※細かな年次変更や装備改訂の詳細は資料により差異があるため、ここではカタログ記載に基づく代表的内容を整理します。
グレード構成(代表例)
| 排気量 | 主なグレード | 特徴 |
|---|---|---|
| 1.3L | 標準グレード系 | 実用重視装備 |
| 1.5L | 上級グレード系 | 快適装備追加 |
※正式グレード名称は販売時期により異なるため、個体確認が必要です。
エンジン別仕様の違い
1.3Lモデル
- 燃費と維持費重視
- 必要最低限の装備構成
- MT中心の設定
1.5Lモデル
- 出力向上型エンジン
- 上級内装
- 5速MT設定あり
当時はAT車の設定が限定的であり、主流はマニュアルトランスミッションでした。
現在入手可能な個体もMT比率が高い傾向にあります。
当時カタログ掲載の主な装備
外装装備
- クローム調グリル(上級系)
- ホイールキャップ仕様(アルミは限定的)
- 丸形ヘッドランプ
内装装備
- 布シート(グレード別に質感差あり)
- AMラジオ(AM/FMは上位系)
- ヒーター標準装備
安全装備
- 3点式シートベルト
- ヘッドレスト(グレード別)
- 衝撃吸収ステアリング
エアコンはオプション設定または上級グレード装備であり、全車標準ではありません。
当時の小型セダンとしては一般的な仕様です。
現代目線での装備評価
| 項目 | 現代評価 |
|---|---|
| エアコン | 個体差確認必須 |
| パワーウィンドウ | 基本的に未設定 |
| ABS | 非搭載 |
| エアバッグ | 非搭載 |
したがって、「日常使用」を前提とする場合は、装備の割り切りが必要です。
維持視点での装備関連注意点
- AMラジオは動作確認必須(部品供給ほぼ終了)
- メーター照明球は汎用品で代替可能
- シート生地は張替前提になる場合が多い
汎用補修部品については
モノタロウ
https://www.monotaro.com/
で入手可能なケースがあります。
要点まとめ
- 1.3Lと1.5Lで明確な差別化
- 上級系は装備充実
- 現代基準の安全装備は未搭載
- エアコン有無は必ず確認
- 内装状態が車両価値を左右
この時代のシンプルな内装は、今見ると非常に素朴で味わい深いですね。
豪華さではなく、実用性を丁寧に作り込んでいた時代だったのだと感じます。
【バラード E-AA】新車価格一覧と当時の市場ポジション

E-AA型バラードを検討するうえで、「当時いくらで販売されていたのか」は重要な判断材料です。
新車価格は、その車が当時どの層をターゲットにしていたのかを示す明確な指標になります。
1970年代後半のカタログ掲載価格(代表的な参考値)は、おおよそ以下のレンジに位置していました。
※年式・仕様変更・地域差により価格は変動するため、正確な金額は該当年式カタログ確認が必要です。
当時の新車価格(参考レンジ)
| 排気量 | 価格帯(当時) | 備考 |
|---|---|---|
| 1.3L | 約70万円台後半〜 | 標準仕様中心 |
| 1.5L | 約80万円台〜 | 上級装備モデル |
(※消費税制度導入前の価格体系)
この価格帯は、同時期の小型セダン市場において「実用志向ながら少し上質」を狙ったポジションに該当します。
純粋なエントリーモデルよりやや上、しかし上級車まではいかない中間層向けの設定です。
同時期小型セダンとの価格比較(概念整理)
| 車種区分 | 価格帯傾向 |
|---|---|
| エントリー小型車 | 60万円台〜 |
| バラード | 70万〜80万円台 |
| 上位中型セダン | 100万円超 |
この位置付けから見えるのは、バラードが「実用+少しの上質感」を売りにしていた点です。
特に1.5Lモデルは、若年層だけでなくファミリーユースも意識した構成と考えられます。
現代価値換算の考え方
単純な物価換算を行うと、当時80万円前後は現在価値で約150〜200万円相当になると推定されます(※物価指数ベース概算)。
つまり、決して廉価車ではありません。
この事実は、現在の中古価格が安価であっても「当時は一定の品質基準で作られた車」であることを示します。
新車価格から見える設計思想
- コスト重視の簡素設計ではない
- エンジン技術(CVCC)への投資
- 価格帯に見合う内装仕立て
- 小型車ながらセダンらしい独立性
単なる派生モデルではなく、独立ブランドとしての意図があったことが読み取れます。
現在購入を検討する場合の視点
価格だけを見ると「手頃」に感じるかもしれません。
しかし重要なのは以下です。
- レストア費用が車両価格を超える可能性
- 部品確保難易度
- 保安基準適合の維持
- 錆修復コスト
購入価格よりも「総コスト」で判断する必要があります。
要点まとめ
- 当時価格は70万〜80万円台
- 小型車としては中間〜やや上級層
- 現代換算では150万円以上相当
- 当時の品質基準は一定水準以上
- 現在は購入価格より維持費が重要
当時の価格を見ると、単なる廉価車ではなかったことがよく分かります。
資料を読み進めると、ホンダがこの車に込めた意図が感じられる気がしますね。
【バラード E-AA】現在の視点で見る装備の実用性と維持面
E-AA型バラードを「今、所有する」前提で考える場合、当時の装備内容をそのまま受け入れられるかどうかが重要な判断軸になります。
カタログ上の装備は当時基準では十分でも、現代の日常使用では制約が生じる場面もあります。
ここでは、実用性・維持費・部品供給という観点から整理します。
現代日常使用における実用評価
| 項目 | 評価 | 注意点 |
|---|---|---|
| 冷暖房 | △ | エアコン非装着車あり |
| 高速巡航 | △ | 5速MT車が有利 |
| 衝突安全性 | × | エアバッグ・ABS非搭載 |
| 燃費 | ○ | 排気量相応 |
| 車幅感覚 | ◎ | 取り回し良好 |
市街地中心の運用であれば問題は少ないですが、高速道路主体の長距離移動には快適性の面で割り切りが必要です。
維持費の現実的内訳(目安構造)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 自動車税 | 1.3L / 1.5L区分 |
| 車検費用 | 部品状態に依存 |
| 消耗品 | ベルト類・ゴム類 |
| 錆補修 | 個体差大 |
| 内装補修 | 張替前提の可能性 |
最大の不確定要素は「錆」です。
特に以下は重点確認部位です。
- フロア下部
- サイドシル内部
- リアホイールアーチ
- トランク床面
防錆処理は当時水準であり、完全保存車でない限り何らかの補修歴があると考えるのが自然です。
部品供給の現状
メーカー純正部品は多くが供給終了していると考えられます(正式な供給状況は個別確認が必要)。
代替手段としては以下が現実的です。
- 中古部品流通
- リビルト品
- 汎用品流用
ヤフオク
https://auctions.yahoo.co.jp/
メルカリ
https://www.mercari.com/jp/
消耗系汎用品は
モノタロウ
https://www.monotaro.com/
で入手可能な場合があります。
ただし、ボディ外装パネルや専用内装部品は入手難易度が高いと想定されます。
保安基準と車検
- 旧車枠での特例は原則なし
- 現行保安基準への適合は必要
- 排ガス規制は初度登録年基準
マフラー改造車などは継続車検で問題になる可能性があります。
購入前に必ず確認すべき点
- 錆の貫通有無
- フレーム修復歴
- エアコン作動状況
- ブレーキ系統の整備履歴
- 書類の整合性
価格が安価でも、修復費が上回る例は珍しくありません。
要点まとめ
- 日常使用は用途次第で可能
- 錆対策が最重要
- 純正部品は供給終了前提
- 保安基準は現行適合が必要
- 総コスト視点で判断する
この年代のコンパクトセダンは、今見ると非常に端正な佇まいですね。
華美ではない分、丁寧に維持された個体は静かな存在感があると聞きます。
【バラード E-AA】購入前に確認すべき資料と現存個体の注意点

E-AA型バラードは流通台数が少なく、情報も断片的になりやすい車種です。
そのため「思い込み」や「イメージ」で判断するのは危険です。
購入を真剣に検討するなら、当時資料の確認と、現存個体の状態精査が不可欠です。
ここでは、確認すべき資料と、現車確認時の具体的チェックポイントを整理します。
確認すべき当時資料
カタログ(発行年確認必須)
- 発行年月
- グレード名称
- 装備差異
- 価格表記
※同じE-AAでも年式で装備変更がある可能性があります。
取扱説明書
- メーター警告灯仕様
- オプション装備有無
- 推奨整備内容
車検証
- 初度登録年
- 型式一致確認
- エンジン型式記載
型式確認の重要性
「E-AA」と表記されていても、
- 年式違い
- エンジン違い
- 改造履歴
によって実際の仕様が異なる場合があります。
車検証の記載とエンジン刻印の一致確認は必須です。
現車確認時の重点チェック部位
| 部位 | 確認内容 | 理由 |
|---|---|---|
| フロア下部 | 腐食・穴 | 修復費高額 |
| サイドシル | 内部錆 | 見えにくい |
| ストラット取付部 | 亀裂 | 強度影響 |
| トランク床 | 水侵入跡 | 腐食進行 |
| ダッシュボード | 割れ | 代替困難 |
エンジン・機関系確認
- 冷間始動性
- 異音有無
- 白煙・黒煙
- オイル滲み
- キャブ調整状態
キャブレター車の場合、セッティングの個体差が大きく、整備技術の有無がコンディションに直結します。
レストア前提か現状維持か
購入判断は大きく2方向です。
| 方針 | 向いている人 |
|---|---|
| フルレストア前提 | 長期所有志向 |
| 現状維持型 | 週末趣味使用 |
いずれにせよ、予算配分は「車両価格+整備費」が基本です。
保管環境の重要性
- 屋内保管推奨
- 湿度管理
- 下回り防錆処理
- 定期始動
屋外放置は錆進行を加速させます。
購入判断の最終基準
- 書類の明確性
- 錆の進行度
- 改造歴の有無
- 部品入手ルートの確保
- 整備できる環境
「価格が安い」ことは決定理由にはなりません。
要点まとめ
- 当時資料確認が第一歩
- 型式・年式の一致確認必須
- 錆とフレームが最大リスク
- レストア方針を明確に
- 保管環境が寿命を左右
このような希少な小型セダンは、資料を丁寧に読み込むほど当時の空気感が伝わってくる気がします。
静かに残っている個体には、独特の落ち着きがあると聞きます。
【バラード E-AA】主要消耗・補修部品の現状と部品入手戦略
E-AA型バラードを維持するうえで、大きな課題となるのが消耗部品や補修用パーツの入手です。
当時のカタログやサービスマニュアルでは純正部品番号が掲載されていますが、現在では純正供給の終了がほぼ確実であり、適合部品の特定・代替品の活用・中古部品ルートの確保が重要になります。
ここでは、消耗部品を中心に、「どこまで純正部品が入手可能か」「どのパーツが代替品で対応できるか」「入手戦略として何を優先すべきか」を整理します。
バラード E-AA の消耗部品区分と入手可能性
| 部品カテゴリ | 供給の現状 | 入手戦略 |
|---|---|---|
| エンジン周り消耗品 | 部分的に供給終了 | 汎用品流用 + 中古 |
| 足回りブッシュ | 多くが供給終了 | 汎用ブッシュで代替 |
| ブレーキ関連 | 一部可能だが限定 | 中古+リビルト |
| 排気系パーツ | ほぼ終了 | 中古 |
| 内装トリム・クリップ | 終了 | 汎用品 / 自作補修 |
| 電装系スイッチ・ランプ | 終了 | 汎用品(形状要適合) |
※純正供給状況は2026年時点の主要カタログ・サービス情報参照。
ただし、部品供給は都度確認が必要です。
エンジン・機関系消耗部品
エンジンオイル・フィルター
- オイルフィルターは現代汎用品で対応可能
- 粘度と交換時期の見直しが重要
- ホンダ純正指定では当時「G1 10W-30」等を推奨
キャブレター関連
- オーバーホール前提
- ジェット類・ガスケットは中古入手が現実的
- 当時専用パーツのため代替不可部分あり
点火系
- 点火プラグ:現行品で対応可(熱価とサイズ確認)
- デスビキャップ/ローター:中古中心
足回り・ブレーキ
ブッシュ類
当時純正は供給終了が基本。
代替としては「社外汎用ブッシュ」を利用して対応することが多く、寸法調整が必要になるケースがあります。
ブレーキパッド/シュー
- フロント/リア共に汎用品で対応可能な場合あり
- 形状・厚みを現物計測して適合検索が必要
排気系
純正マフラーはほぼ供給終了と考えられるため、中古での確保が現実的です。
新品社外品は設定がない場合が多く、代替パイプによる製作が必要なケースもあります。
内装・トリム・クリップ
ボルトオンで装着可能な内装トリム部品はほぼ供給終了です。
クリップ類も専用品が多く、同等サイズの汎用クリップで代替する方法が一般的です。
電装系
- ライトスイッチ・ワイパースイッチなどは純正廃止
- 電球類は現行12V汎用品で対応可能
- ヒューズボックス内のヒューズは現行タイプへ交換できる場合あり
モノタロウ等汎用補修部品
基本的なベルト・ホース・電球・オイルフィルターなどは以下で探せる可能性があります。
モノタロウ
https://www.monotaro.com/
ただし、寸法・性能は必ず現物確認・適合確認を行う必要があります。
部品入手時の注意点(まとめ)
- 純正供給は原則終了を前提
- 中古流通の確保が最重要
- 汎用部品流用は寸法・性能確認が必須
- サービスマニュアルを用いた部品番号確認が基本
要点まとめ
- 純正は集中的に供給終了が進行
- 汎用部品と中古パーツで対応
- 部品戦略は維持費に直結
- 長期保有なら自前在庫化も検討
- サービス資料で番号確認が最優先
この年代の補修部品事情は、まるでパズルを解いているような面白さと難しさがあります。
各部品を丁寧に集めていくほど、クルマと向き合う時間が深くなると感じますね。
まとめ
E-AA型バラードは、シビックを基盤としながらも独自の立ち位置を持って展開された小型セダンです。
当時カタログを見ると、単なる廉価派生モデルではなく、排ガス規制対応技術や装備の質感向上など、一定の思想を持って設計された車であることが分かります。
新車価格も70万〜80万円台と、当時の小型車としては中間〜やや上のポジションでした。
現在この車を検討する場合、重要なのは「価格」ではなく「状態」と「維持計画」。
特に錆の進行度、フレームの健全性、書類の整合性は最優先確認事項となります。
純正部品の供給は期待しにくく、汎用品や中古部品を前提とした維持体制が必要。
また、安全装備は現代基準では最小限であるため、用途は限定されると考えるのが現実的でしょう。
それでも、直線的なボディラインや端正なセダンフォルムは、この年代ならではの魅力があります。
派手さはなくとも、丁寧に維持された個体には静かな存在感が宿る一台。
長期所有を前提に、資料確認と現車精査を徹底した上で判断することをおすすめします。