クラウンRS40とMS50――
それは「日本の高級車が世界水準へ進化していく過程」を体現した2台です。
RS40が国産セダンとしての信頼を築いた“原点”なら、MS50はそれをベースに“静粛性と上質さ”を極めた“完成形”と言えるモデル。
この記事では、トヨタがわずか数年の間でどのようにクラウンを進化させたのか、外観・メカ・内装・乗り味の違いを一次情報に基づいて徹底的に比較していきます。
Contents
RS40とMS50の概要・位置付け

歴史的背景
トヨペット・クラウンRS40は1962年頃に登場した2代目クラウンにあたり、国産初の本格的な高級乗用車として社会的に定着したモデルです。
当時はまだ
「トヨタが国産で高級車をつくれるのか?」
という時代で、信頼性・耐久性・修理性を徹底的に重視。
官公庁やタクシー会社に採用されるなど、まさに日本のクラウン伝説の礎を築いた存在です。
それから5年後に登場したクラウンMS50(1967年頃〜)は、RS40の堅実な設計思想を引き継ぎながら、上質・静粛・乗員快適性の追求という方向へシフトしました。
RS40が“戦後復興期の実用高級車”なら、MS50は“高度経済成長期の余裕ある高級車”。
クラウンが「大人のステータスシンボル」へと昇華するきっかけとなった世代です。
基本スペック比較
| 項目 | トヨペット クラウン RS40 | トヨタ クラウン MS50 |
|---|---|---|
| 登場年 | 約1962年 | 約1967年 |
| エンジン | 直列4気筒R型(1.9L) | 直列6気筒M型(2.0L) |
| 最高出力 | 約90PS | 約105PS |
| トランスミッション | 3速MT/オートクラッチ | 4速MT/3速AT(トヨグライド) |
| 駆動方式 | FR(後輪駆動) | FR(後輪駆動) |
| 全長 | 約4,550mm | 約4,690mm |
| 全幅 | 約1,695mm | 約1,695mm |
| 車重 | 約1,300kg | 約1,400kg |
| ターゲット層 | 官公庁・ビジネスユース中心 | 個人富裕層・企業オーナー層 |
RS40ではまだ直4エンジンが主流でしたが、MS50ではついに直6M型エンジンを採用。
これにより走行性能・静粛性が格段に向上し、クラウンが“日本のメルセデス”と呼ばれるきっかけをつくったのです。
市場での立ち位置
- RS40: 実用高級車として“信頼性と堅牢さ”を確立。
- MS50: 高級サルーンとして“快適性と上質さ”を確立。
つまり、RS40が「クラウンの骨格を作った」時代で、MS50は「クラウンの魂を完成させた」時代。
この2台の比較は、クラウンというブランドの成長物語そのものです。
要点まとめ
- RS40は“高級車の原点”、MS50は“完成された高級車”。
- 両者の差は「信頼性重視」から「快適性重視」への進化。
- エンジンの直4→直6化が、クラウンの世界観を変えた転機。
RS40の無骨さ、MS50の落ち着き…どちらも時代を象徴しています。
RS40の直線美は“職人の設計”、MS50の静寂は“技術者の誇り”。
どちらもトヨタの黄金期を語る上で欠かせません。
デザインとボディ構造の進化
外観デザイン:実用から威厳へ
トヨペット・クラウンRS40は、当時のアメリカ車デザインを強く意識した“角のあるボクシーなスタイル”。
直線的なフェンダーラインとメッキバンパー、少し張り出したテールフィンが特徴で、いわば「日本流アメ車デザイン」。
それまでの国産車にはなかった存在感を放っていました。
一方で、クラウンMS50に進むと、その“アメ車的派手さ”が徐々に抑えられ、より洗練されたヨーロピアンスタイルへと進化します。
ボンネットラインが低くなり、ウインドウ面積が拡大。グリルも横長基調で落ち着きがあり、上質な高級感を漂わせます。
RS40が「元気で勢いのある車」なら、MS50は「落ち着きと余裕を感じさせる車」。
つまり、RS40=戦後の挑戦的クラウン、MS50=完成された格式クラウン。
外観から受ける印象が、時代の成熟とともに変わっているのが見て取れます。
| 比較項目 | クラウン RS40 | クラウン MS50 |
|---|---|---|
| デザイン傾向 | アメリカ車的・直線重視 | 欧州車的・曲線と重厚感 |
| グリル形状 | クロームメッキの縦桟 | 横長スリット形状 |
| ボディライン | 直線的・張り出したフェンダー | 柔らかく統一されたシルエット |
| テールデザイン | テールフィン強調 | シンプルで安定感のある形状 |
| 全体印象 | 若々しく力強い | 大人の余裕と威厳 |
RS40は「挑戦」、MS50は「完成」。
まさにクラウンが“デザイン面で成熟した”世代交代です。
ボディ構造の改良
構造面では、RS40は依然として“剛性より整備性”を優先した設計で、重量も軽め。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがリーフリジッドで、乗り心地はやや硬めでした。
MS50ではボディ剛性を高め、遮音材を追加。
これにより走行中の振動や共鳴が大幅に減少し、静粛性が飛躍的に向上。
さらにドア厚も増し、車体全体の質感が向上しました。
また、MS50からはボディパネル精度の向上や塗装工程の改良など、トヨタ生産技術の成熟も顕著。
この世代でクラウンは“耐久性のある高級車”として信頼を確立し、国内ハイヤー市場を独占していきます。
デザインの時代的意義
RS40が誕生した1960年代初期は「日本のモータリゼーション黎明期」。
多くの人が初めて自家用車を持ち始めた時代で、クラウンは“憧れの象徴”でした。
MS50が登場する1967年頃には、日本社会がすでに成長軌道に入り、「上質さ」「静粛性」「ブランド感」が求められるようになります。
両者のデザイン差は、まさに“日本人が求める高級車の価値観が変化した”証拠と言えるでしょう。
要点まとめ
- RS40はアメ車テイストの直線美、MS50は欧州的で上品な流麗ライン。
- 構造もRS40は軽快、MS50は剛性・静粛性を重視。
- 時代背景の違いが「挑戦」から「完成」へと進化させた。
RS40のシャープなフェンダーライン、まるで勢いそのもの。
一方でMS50は“静かに誇る”デザイン。
時代の空気がそのままボディに刻まれているようです。
パワートレイン・走行性能の比較

エンジンの進化:4気筒から6気筒へ
クラウンRS40は、初期モデルでは**1.9LのR型直列4気筒OHVエンジン(約90PS)**を搭載していました。
R型はトヨタ初期の信頼性の高い汎用エンジンで、整備性の良さとシンプルな構造が特徴です。
タクシー用途や長距離走行にも耐えるタフな設計で、まさに“壊れにくい実用高級車”の心臓部でした。
それに対してMS50では、ついに**M型直列6気筒SOHC 1,988cc(約105PS)**を採用。
排気量自体はほぼ同等ながら、気筒数が増えたことで圧倒的な滑らかさと静粛性を実現しました。
M型はトヨタが以後20年以上にわたり使い続ける名機であり、クラウンを「高級車」として確立させた最大の要素です。
| 比較項目 | クラウン RS40 | クラウン MS50 |
|---|---|---|
| エンジン形式 | 直列4気筒 OHV(R型) | 直列6気筒 SOHC(M型) |
| 排気量 | 1,897cc | 1,988cc |
| 最高出力 | 約90PS | 約105PS |
| 主要燃料供給 | シングルキャブ | シングルキャブ |
| 静粛性 | やや粗め(バルブ音強め) | 非常に静かで振動少ない |
| 耐久性 | 非常に高い | 高いが精密整備が必要 |
RS40のエンジンは「頑丈で壊れにくい」、MS50のエンジンは「静かで上品に回る」。
つまり、トヨタはRS40で信頼を得て、MS50で“質感の頂点”を狙ったのです。
トランスミッションと走行フィール
RS40のトランスミッションは3速マニュアル(またはオートクラッチ式)。
シフトフィールは重めですが確実で、ギア比も高速走行より中低速トルクを重視していました。
一方、MS50では4速マニュアル+3速トヨグライドATが選択可能。
トヨグライドは当時としては非常に滑らかな変速で、走り出しのスムーズさが公用車市場で高く評価されました。
走りの印象はこうです:
- RS40:軽快でトルクフル。路面の凸凹を直接感じる“生の走り”。
- MS50:重厚でしっとり。振動を吸収する“静かな走り”。
まさに、RS40が「操る車」なら、MS50は「乗る車」。
この違いがクラウンの方向性を決定づけたとも言えます。
サスペンションと乗り心地の違い
RS40ではフロントがダブルウィッシュボーン、リアがリーフリジッド式。
ハードながら安定性があり、耐久性を最優先した構成でした。
MS50では同形式ながらチューニングが変更され、ショック特性の見直しとボディ剛性強化により、乗り心地が大幅改善。
さらに遮音材の採用範囲も増え、静粛性と快適性が飛躍しています。
ステアリングフィールもMS50では軽くなり、長距離運転時の疲労軽減に寄与。
当時の試乗記では、「まるで外国車のような静けさ」と評されたほどです。
走行性能の総括
| 特徴 | クラウン RS40 | クラウン MS50 |
|---|---|---|
| エンジン特性 | トルク型・実用向け | 滑らかで上質 |
| 変速機 | 3速MT中心 | 4速MT/3速AT |
| 乗り味 | ハードでダイレクト | ソフトで重厚 |
| 高速安定性 | 良好だがやや粗さあり | 高速でも静か・直進安定性抜群 |
| ドライバー向けか乗員向けか | ドライバー志向 | 乗員志向 |
つまりRS40は“操縦する高級車”、MS50は“乗るための高級車”。
ここでクラウンは「高級車=静かで快適」という世界標準に追いついたのです。
要点まとめ
- RS40は直4R型で頑丈、MS50は直6M型で上質。
- 変速機の進化により、クラウンは“操縦車”から“静粛車”へ。
- 高速時の安定性・静粛性ではMS50が圧倒的。
RS40のメカっぽさも魅力ですが、MS50のM型の音を聴くと「高級車ってこういうことか」と納得します。
回転が滑らかで、まるでエンジンが呼吸してるみたいだといいます。
内装・快適装備の違い

インテリアデザインの方向性
クラウンRS40の内装は、実用性最優先の設計でした。
計器盤は金属調のパネルで、メーターは横一列に配置されたシンプルな構成。
操作系は大型のノブやレバーを多用しており、手袋をしたままでも扱えるような“道具感のある設計”です。
シートはモケットまたはビニールレザーで、どちらかといえば業務車両的な印象を受けます。
それに対してMS50では、インテリア全体が高級感を前面に出したサルーン風デザインへと変化しました。
木目パネルの採用、クロームモール装飾、質感の高いステアリングとシフトノブ。
計器類も丸型メーターを中心に配置し、視認性だけでなく美観にも配慮。
また、ダッシュボードは厚みを持たせたソフトパッド構造に進化し、衝撃安全性にも配慮された時代の先端設計でした。
| 項目 | クラウン RS40 | クラウン MS50 |
|---|---|---|
| ダッシュパネル | 金属調、水平基調 | 木目調、曲面デザイン |
| メーター配置 | 横一列メーター | 丸型独立メーター |
| シート素材 | モケット/ビニール | モケット上質化/ベロア調(上位) |
| ステアリング | 細身の2本スポーク | クローム装飾付き3本スポーク |
| 室内照明 | 単灯式ルームランプ | 独立型ルームランプ+読書灯 |
| 内装トーン | 明るく実用的 | 落ち着いた高級トーン |
RS40が“職場のデスク”なら、MS50は“応接室”。
同じクラウンでも座った瞬間に世界が違います。
快適装備の充実度
RS40の装備は、当時の標準的な高級車レベルでした。
ヒーター、AMラジオ、灰皿、シガーライターなどが備わるのみで、電動系装備はほとんどありません。
パワーステアリングも設定なしで、運転時はかなりの腕力が必要でした。
MS50になると、これが大きく変化します。
上位グレードにはパワーステアリング、トヨグライドAT、エアコン、リモートミラー、電動アンテナ、AM/FMラジオなどが搭載され、快適装備の充実が一気に進みました。
特に冷暖房装備が広く普及したのはこの世代が初で、クラウンが「乗る人をもてなす車」へと進化した象徴でもあります。
さらに遮音材の追加、ドアシール強化、カーペット厚の増加など、見えない部分での静粛性向上策も数多く盛り込まれています。
乗員空間と快適性の差
RS40はボディ剛性がやや低く、走行中に若干の共振やきしみ音が発生することがありましたが、それでも当時としては快適な部類でした。
MS50ではドアの閉まり音ひとつ取っても違いがわかるほど静粛で、乗員空間の静けさと乗り心地のしっとり感は圧倒的。
リアシートのクッション性も改善され、長距離移動時の疲労軽減にも貢献しています。
また、ハイヤー仕様などでは後席用アームレストや灰皿、フットランプまで備え、**「おもてなしのクラウン」**が誕生した時代といえます。
要点まとめ
- RS40は実用・耐久重視、MS50は高級感・静粛性を重視。
- 装備面ではMS50で一気に近代化(AT・エアコン・電動装備など)。
- 内装の質感差は明確で、RS40が“道具”、MS50は“サロン”。
RS40の無骨なメーターパネルも味がありますが、MS50のウッド調インテリアに座ると、
「クラウンってここから本物の高級車になったんだな」
と実感します。
まるで時代が変わる瞬間を感じるようです。
維持・部品入手・レストアのしやすさ

部品供給の現状
クラウンRS40とMS50はいずれも生産終了から半世紀以上が経過していますが、部品流通の量と入手難易度には明確な差があります。
RS40は初期クラウンとしての歴史的価値が高いものの、流通している部品は非常に限られます。
特に外装モール、灯火類、内装トリムなどは現存する純正品がほぼ市場にないため、レストア時には中古部品のリペアや自作対応が基本です。
再生品も少なく、クラウン愛好家コミュニティのネットワークが頼みの綱となります。
一方、MS50は流通量が比較的多く、M型エンジンを採用している点が大きなアドバンテージ。
ブレーキ系、サスペンション系、電装系の一部は後継モデル(MS60やMS70など)と互換性があり、専門ショップやヤフオクでも代替品が入手可能です。
| 部品カテゴリ | クラウン RS40 | クラウン MS50 |
|---|---|---|
| エンジン系 | 直4R型:生産終了。O/H用パーツも希少 | M型:再生品・中古在庫が多く整備容易 |
| 外装系 | 純正在庫ほぼ皆無 | 一部レプリカ・流用品あり |
| 内装系 | 自作・張り替え対応が前提 | 張り替え素材が流通。加工しやすい |
| 足回り・ブレーキ | 修理可だが補修部品は要探求 | 後継車種流用で比較的容易 |
| 電装系 | 発電機・スターター要オーバーホール | 代替リビルト品あり |
MS50は“クラウン維持の黄金世代”とも言われ、愛好家の間で最も整備しやすい旧型クラウンの一つとされています。
レストア難易度と費用感
レストア難易度はRS40の方が明らかに高く、部品調達の手間・費用が倍近くかかるケースも珍しくありません。
ボディパネルの再製作やモール類の再メッキ加工など、専門職人の技術を必要とします。
一方のMS50は、ベース車両の状態さえ良ければ、比較的現実的な費用でフルレストアが可能。
ボディ骨格が頑丈なため、サビ補修や塗装仕上げも安定して行えます。
| 内容 | クラウン RS40 | クラウン MS50 |
|---|---|---|
| 部品調達ルート | 旧車会・個人ネットワーク中心 | 専門店・ネット通販でも入手可 |
| 板金・補修難易度 | 高(再製作が必要な場合あり) | 中(腐食部補修しやすい) |
| レストア費用目安 | 約200〜300万円 | 約120〜200万円 |
| 修理対応工場 | 限定的 | 全国に専門店あり |
RS40を選ぶ場合は“レストア前提のコレクターズアイテム”として、MS50は“維持して走れるクラシックサルーン”として考えるのが現実的です。
維持費の違い
維持費はどちらも旧車として高めですが、MS50の方がパーツ価格や修理工賃の相場が安定しています。
年間で考えると、RS40は維持費30〜40万円台、MS50は25〜35万円台が目安。
RS40は修理ごとに手作業調整が必要で、長期所有にはメカニックとの信頼関係が不可欠です。
| 項目 | クラウン RS40 | クラウン MS50 |
|---|---|---|
| 年間維持費(平均) | 約35万円前後 | 約28万円前後 |
| 修理対応のしやすさ | 難(技術者限られる) | 容易(M型整備経験者多い) |
| 燃費 | 約6〜7km/L | 約7〜8km/L |
| 長期保管性 | 要湿度管理・錆対策強化 | 安定保管が比較的容易 |
要点まとめ
- RS40は部品調達・補修ともに難易度高く、レストア費用も高額。
- MS50は部品互換性が広く、整備性も高いため“走らせて楽しめる旧車”。
- 維持費はRS40がやや高く、MS50は実用レベルでの所有が可能。
RS40を直して乗る人は、まさに“クラウン愛”そのもの。
だけど、普段から動かして楽しみたいならMS50が断然おすすめ。
M型のメカ音を聴きながら走ると、旧車の世界がぐっと身近になります。
今選ぶならどちらが現実的か
現在の市場動向と流通数
2025年時点で、クラウンRS40とMS50の現存数はどちらも少ないですが、中古市場で現実的に入手できるのはMS50です。
RS40はイベントや博物館で見る機会こそありますが、登録車として現役で走行している個体はごくわずか。クラシックカー専門業者が保管・販売するものは極めて希少で、フルレストア済みでも350〜500万円ほど。
一方、MS50はクラウンシリーズの中でも人気が安定しており、状態次第では120〜250万円前後で取引される個体も存在します。
特に“走行可能・整備済み・車検付き”の個体が一定数流通しており、**「手に入れて乗れるクラウン」**として旧車愛好家の間で高い支持を得ています。
| 車種 | 現存台数(概算) | 価格帯(2025年) | 入手難易度 |
|---|---|---|---|
| クラウン RS40 | 極めて少数(展示車レベル) | 約350〜500万円 | ★★★★★(非常に困難) |
| クラウン MS50 | 少数だが流通あり | 約120〜250万円 | ★★★☆☆(現実的) |
実用性・走行性能での比較
RS40は構造が古く、ブレーキ性能や足回り剛性が現代基準では非力です。
エンジンの始動性も季節に影響を受けやすく、日常使用は非推奨。
一方のMS50は、エンジン・サスペンション・電装が近代化されており、丁寧に整備された個体であれば週末ドライブやクラシックイベントでも安心して走れるレベルです。
さらに、M型エンジンは現代の無鉛ガソリンでも比較的扱いやすく、補機類の整備もしやすい点が大きな魅力。
| 比較項目 | クラウン RS40 | クラウン MS50 |
|---|---|---|
| 普段使い | 難(イベント限定向き) | 可(週末・ツーリング向け) |
| 部品供給 | ほぼ絶版 | 代替・中古流通あり |
| 安全性 | ドラムブレーキ全車 | ディスクブレーキ搭載グレードあり |
| 燃料対応 | 鉛ガソリン前提(代替添加剤必要) | 無鉛対応調整済み個体あり |
| 長距離走行 | 厳しい(オーバーヒート懸念) | 安定(冷却性能向上) |
現代で「走らせること」を前提に選ぶなら、圧倒的にMS50が有利。
RS40はもはや保存・展示・研究目的に近い領域の車です。
所有満足度と価値観の違い
RS40を所有する満足感は、
「クラウンの原点を自分の手で蘇らせた」
という誇りにあります。
メカニズムも素朴で、エンジンルームを開けるたびに“昭和の匂い”を感じる独特の味わいがある。
ただし、その維持はまさに愛と覚悟の世界。動かすたびに整備が必要で、工具と友人が欠かせません。
一方、MS50は**“現実的なロマン”**。
M型エンジンの滑らかさ、室内の木目パネル、落ち着いた走り。
昭和の上質を体験しつつ、安心して走れる。
クラウンらしい「威厳と信頼感」を日常で味わえる数少ない世代といえます。
| 所有目的 | おすすめ車種 | 理由 |
|---|---|---|
| 歴史的価値・展示重視 | RS40 | トヨタ初期クラウンとしての文化的価値が高い。 |
| 実際に走らせて楽しみたい | MS50 | 部品供給・静粛性・走行性能のバランスが優秀。 |
| コレクション性 | RS40(限定) | 現存少・市場価値上昇中。 |
| 維持の容易さ | MS50 | 整備ノウハウと互換部品が豊富。 |
今買うなら
クラウンRS40は、コレクターズカーとしては将来的な価値上昇が見込める一方、一般ユーザーが手を出すには敷居が高すぎるモデルです。
クラウンMS50は、現在もクラシックカー市場で安定した人気を保ち、**整備・走行・保管の3拍子が揃った“現役クラウン”**と呼べる存在。
結論として、
- クラウンRS40=保存向け(文化遺産的価値)
- クラウンMS50=実用旧車(走行可能で現実的)
という棲み分けが最も現実的な選び方でしょう。
要点まとめ
- RS40はコレクターズアイテム、MS50は現役で走れる旧車。
- 維持費・整備性・部品供給の面でMS50が圧倒的に有利。
- 歴史的ロマンを感じたいならRS40、実際に楽しむならMS50。
RS40を前にすると「これがすべての始まりか」と背筋が伸びます。
でもMS50に乗ると、「クラウンって、ここで完成してたんだ」と感じるといいます。
どちらを選んでも後悔はしません。
方向が違うだけなんです。
よくある質問(FAQ)

Q1. クラウンRS40とMS50では、どちらが維持しやすい?
圧倒的にMS50です。
RS40は部品がほぼ流通しておらず、修理できる工場も限られます。
MS50はM型エンジンを採用しており、後継モデルと互換性があるため、専門店での整備対応もスムーズです。
Q2. 今でもエンジン部品は手に入る?
MS50のM型エンジン部品(ピストンリング、ガスケット、ウォーターポンプなど)は再生品や中古が流通しています。
RS40のR型エンジン部品は数が非常に少なく、愛好家ネットワークを通じた個人取引が主流です。
Q3. 現代のガソリンで走行できる?
どちらもキャブレター式のため無鉛ガソリンでも走行可能ですが、RS40は鉛代替添加剤の併用を推奨。
MS50のM型はバルブシートが強化されているため、無鉛燃料で比較的安心して使用できます。
Q4. 高速道路は走れる?
MS50なら問題なく走行可能です。
100km/h巡航でも安定しており、エンジン回転も落ち着いています。
RS40はブレーキ・冷却性能が現代基準では不足しており、安全面から長距離高速走行は非推奨です。
Q5. 税金や保険はどのくらいかかる?
排気量2.0Lクラスのため、自動車税は約39,500円/年。
旧車特約保険を利用すれば、年間保険料はおおよそ5〜10万円程度に抑えられます。
ただし、RS40は走行距離が限られる前提での契約が主です。
Q6. 部品を自作・加工する場合、注意点は?
特にRS40は図面や資料が残っていないことが多く、精度・素材選定を誤ると安全性に関わります。
再メッキやゴムパーツ再成形は専門業者に依頼するのが無難です。
Q7. 両車を同じガレージに保管したいけど、スペースは?
全長はどちらも約4.6〜4.7mで、現代のセダンとほぼ同等。
ただし、ドア開閉角が広いため、車幅2.5m以上のガレージが理想です。
湿度60%以下・温度10〜25℃を保つ環境を推奨します。
Q8. クラウンRS40の希少なグレードは?
RS46型「デラックス」や「カスタム」が希少。
特に後期型のウインカー一体式ヘッドライトは国内でも数台レベル。
博物館級の価値を持つ個体も存在します。
Q9. クラウンMS50の人気グレードは?
MS51/MS55など上級仕様が人気。
トヨグライドAT搭載車や、当時の純正ホワイトカラー(T-031)仕様は評価が高いです。
「クラウンらしさ」を求めるならこの世代がベスト。
Q10. 旧車として長く乗るには?
最も大事なのは定期始動と油脂類交換。
特にMS50は構造が複雑なぶん、放置による固着・オイル滲みが出やすいので、月1回の始動+年1回の点検を習慣化しましょう。
まとめ

クラウンRS40とMS50――この2台は、トヨタが「日本の高級車とは何か」を探し続けた軌跡そのものです。
RS40は、まだ輸入車が主流だった時代に国産車の信頼性を築いた先駆者。
MS50は、その信頼をもとに上質さ・静粛性・快適性を完成させた成熟期のクラウン。
結論として:
- クラウンRS40 … 歴史的価値とロマン。所有=クラウンの原点を守る行為。
- クラウンMS50 … 実際に走らせて楽しめる現実的な旧車。維持も容易で信頼性が高い。
どちらを選んでも、「クラウンという車がなぜ特別なのか」を体で理解できるはずです。
エンジンをかけた瞬間に響く直列エンジンの音、それこそが昭和の技術者たちが残した“日本車の誇り”です。
RS40の無骨な存在感、MS50の静かな風格──
クラウンは時代を超えて“大人の車”です。
僕なら、まずMS50で旧車ライフを始めて、次の夢としてRS40を迎えたいですね(←夢ばかり‥)
