ホンダNSX(日本仕様)とアキュラNSX(北米仕様)の違いについて、皆さんはどれだけご存知でしょうか?
「エンブレムが違うだけでしょ?」
と思われがちですが、実はそれだけではありません。
ブランド戦略やマーケティングの背景、細かな仕様の違い、そして中古市場での評価にも違いが見られます。
本記事では、NSXファンが気になる
「ホンダとアキュラの違い」から「なぜアキュラは日本で展開されないのか?」「どっちのNSXが価値があるのか?」まで、徹底的に掘り下げて解説します。
アキュラNSXとホンダNSXの違いとは?エンブレムだけじゃない本質的な差

アキュラNSXとホンダNSXの違いは何ですか?
アキュラNSXとホンダNSXは、基本的には同じ車両です。
車体構造、パワートレイン、デザインは共通しており、違いは以下のポイントに絞られます:
- ブランドとエンブレム:
- 北米仕様:"ACURA"エンブレムを装着
- 日本仕様:"HONDA"エンブレム
- 型式表記:
- 北米:VIN(Vehicle Identification Number)が異なり、US-DOT基準に準拠
- 日本:車検証ベースでE-NA1型やE-NA2型など
- 装備の一部:
- 北米仕様には寒冷地仕様やエアバッグの初期搭載など、 一部装備が先行または追加で用意されていたケースがありました。
- 排ガス規制・サイドマーカー等の保安基準対応:
- 北米仕様ではUS基準に基づくサイドマーカーやバンパー構造などが含まれます。
- メーター表示単位:
- マイル表記(mph) vs. キロメートル表記(km/h)
以上のように、構造は同じでも地域の法規やマーケティング上の事情で差異が生じたのが事実です。
ホンダとアキュラのブランド戦略とは?なぜ日本でアキュラは展開されない?

ホンダとアキュラの違いは何ですか?
アキュラは、ホンダが1986年に北米市場向けに設立した高級車ブランドです。
トヨタのレクサス、日産のインフィニティに相当します。
- ホンダ:グローバルブランド(日本・アジア中心)
- アキュラ:北米・中国を中心に展開されるプレミアムブランド
主な特徴:
ブランド | 展開地域 | 主な特徴 |
---|---|---|
ホンダ | 日本、アジアなど | 大衆車中心、コスパ重視、技術力で評価 |
アキュラ | 北米、中国 | 高級車中心、ブランドイメージ重視、高付加価値 |
日本国内での「ホンダ」ブランドは既に高品質なイメージを持たれているため、アキュラの導入は見送られてきました。
ホンダのアキュラはなぜ日本で売らないのか?
- 高級ブランド戦略が日本では成立しにくい(市場規模・税制・価値観)
- 日本国内では、ホンダ=信頼と品質の象徴として定着
- 高価格帯車種は販売網が弱く、レクサスのような成功モデルが少ない
結果として、アキュラブランドの独立展開はせず、国内では同車種をホンダエンブレムで販売するという判断がされています。
初代NSXからタイプR・タイプSまでの違いと北米での反応は?

ホンダNSXは最高級車ですか?
1990年にデビューした初代NSX(NA1型)は、**当時の日本車としては破格の約800万円スタート(MT車)**という価格設定で、「国産スーパーカー」と称されました。
- アルミモノコックボディ
- ミッドシップ・後輪駆動(MR)
- VTEC V6エンジン(C30A型)
- F1からフィードバックを受けた空力ボディ
など、革新的な技術と設計思想が凝縮されており、アイルトン・セナが開発に関わったことでも有名です。
北米市場での評価
- 「日本車の品質とイタリアンスポーツの融合」として非常に高い評価
- 1991年のアキュラNSXは、当時のフェラーリよりも“信頼性が高く、扱いやすいスーパーカー”として注目
- 現在、北米での中古車価格は2000万円を超える個体も多数(タイプSやNSX-Rは特に)
タイプR・タイプSの違い
- タイプR(NA2後期):
- 軽量化徹底(エアコン・オーディオレスなど)
- 専用レカロシート、チタンシフトノブ、レッドバルクヘッド
- サーキット志向のサスペンション・LSD
- タイプS / タイプS-Zero:
- 快適装備と軽量化のバランス型
- スポーツ走行+ストリート使用を両立した仕様
北米ではタイプRは未発売であり、輸入されると高値が付きます。
まとめ:アキュラNSXとホンダNSX、どっちが価値あるのか?日本人が選ぶべきモデルとは
✅ アキュラNSXとホンダNSXは基本的に同一の車体・性能だが、エンブレムや法規対応装備が違う
✅ アキュラは北米市場向け高級ブランドであり、ホンダの上位互換というわけではない
✅ アキュラNSXは一部装備が異なるが、コレクターズアイテムとしての価値は高い
✅ 日本人が選ぶべきかどうかは、「想い入れ」と「保守性」次第。部品供給や整備性ではホンダ仕様に軍配が上がる
✅ エンブレムが違っても、中身はNSX。その本質は、ブランドではなく“魂”にある
結論:ホンダNSXもアキュラNSXも、「本物のスポーツカーが持つ魅力」は何ひとつ色褪せていない。
あなたが乗るべきなのは、“どちらを見て心が躍るか”で決めて間違いありません。