クラウン

【クラウンS120】セダンとハードトップの違いを徹底解説|外装・構造・装備・乗り味の差を深掘りした完全ガイド

クラウンS120(1983〜1987)は、トヨタが80年代前半に展開した高級FR車の中核モデルであり、当時は「セダン」「ハードトップ」の2つのボディタイプが並行して販売されていました。

一見すると似たデザインですが、実際には外観の雰囲気・車体構造・装備内容・乗り味まで多くの点が異なり、旧車として購入する際にはこの違いを理解しておくことがとても重要です。

特にハードトップはピラーレス構造を採用した華やかなデザインが魅力で、一方でセダンは実用性と車体剛性を重視したクラウンらしい端正なモデルです。

これらの違いは「デザインの好み」だけでなく、「乗り心地」「静粛性」「維持のしやすさ」にも影響します。

この記事では、外観の差、車体構造、窓まわり、装備、グレード設定、走行フィールまで、セダンとハードトップの違いを一次情報をもとに深く整理し、購入前に押さえておくべきポイントを分かりやすくまとめます。

とくにピラーレス特有の魅力と弱点については、S120ならではの特徴として重要な判断材料になります。

Contents

クラウンS120の「セダン」と「ハードトップ」の基本的な違い

クラウンS120は、同じ型式でもボディの設計思想が大きく異なる2タイプを展開していました。

特に最大の違いは「ピラーレス構造の有無」と「ターゲット層」にあります。

セダン(4ドア・Bピラーあり)

  • Bピラーが存在する実用型ボディ
  • 車体剛性が高く、静粛性にも優れる
  • 公用車・タクシー・法人向けにも採用
  • 後席優先の設計で落ち着いた乗り心地

クラウン本来の“実用的・重厚な高級車”という性質を最も色濃く残すのがセダンです。

ハードトップ(4ドアピラーレス)

  • Bピラーがない“ピラーレス4ドア”
  • 窓を開けた際の解放感が非常に高い
  • スポーティで華やかな外観が特徴
  • ドライバーズカー寄りのモデルとして人気

80年代はピラーレスのハードトップが高級車の象徴であり、S120でもハードトップのほうが販売数が多かったと言われています。

セダンとハードトップの最重要ポイントまとめ表

項目セダンハードトップ
Bピラーありなし(ピラーレス)
車体剛性高いセダン比でやや低い
デザイン実用的・端正スタイリッシュ・華やか
静粛性高い傾向ピラーレス特有の風切り音あり
後席空間広めで快適ルーフ形状によりやや狭い
ターゲット層法人・実用ユーザー個人・趣味性ユーザー
現在の中古相場やや安いやや高い

要点まとめ

  • 最大の違いは ピラーレス構造(ハードトップ) の有無。
  • セダンは実用性、ハードトップはデザイン性と開放感が魅力。
  • 車体剛性と静粛性はセダンが優位。

当時の映像を見ると、ピラーレスのハードトップは窓を全開にした際の“空気が抜けたような大きな開放感”が圧倒的で、80年代高級車らしさを感じました。

一方でセダンは落ち着いた佇まいがあり、クラウンの原点に近い雰囲気が強く残っているように思います。

外観デザイン・シルエットの差

クラウンS120のセダンとハードトップは、同じ型式ながら“見た目の印象”が大きく異なります。

特に ルーフライン・窓まわり・ピラー構造の違いが、デザイン全体のキャラクターを分けています。

ルーフラインとプロポーションの違い

S120は外観の雰囲気が明確に異なるため、遠目でも区別しやすいモデルです。

項目セダンハードトップ
ルーフ厚みがあり直線的低めで流れるシルエット
ドアフレームあり(フレームド)なし(フレームレス)
窓まわり力強く実用的スッキリして軽快
全体の雰囲気正統派クラウン華やかでスタイリッシュ

セダンはクラウンらしい「公用車の風格」と上品さがあり、ハードトップは流れるようなラインで“80年代の高級車らしい躍動感”を持っています。

ピラーレス構造による見た目の変化

ハードトップ最大の特徴は Bピラーが存在しないピラーレス構造

  • 窓を全開にすると前後の窓がつながり、大きな一枚の開口部に
  • 横から見るとガラス面が大きく、スポーティな印象
  • 当時の高級ハードトップに共通する“解放感デザイン”

対してセダンはBピラーがあるため、窓を開けてもフレームが残り、重厚で端正な印象が保たれます。

前後フェンダー・細部デザインの違い

細部にも両者のキャラクターの差が現れます。

  • セダンは直線的で厚みのあるプレスライン
  • ハードトップは薄めのルーフと伸びたサイドラインで躍動感を強調
  • グリルやバンパーはグレードにより共通だが、ハードトップにより装飾的な仕様が多い

どちらが“高級”に見えるか?

時代背景もあり、ハードトップ=高級/スポーティな個人所有車
というイメージが強く、S120-eraも例外ではありません。

セダンは実用車・公用車として採用されることが多かったため、落ち着きと実用性が強みです。

外観デザインの特徴まとめ表

視点セダンハードトップ
全体の印象正統派・重厚華やか・スポーティ
開放感標準非常に高い(ピラーレス)
公用車としての適性高い低い
個人ユーザー向き普通高い

要点まとめ

  • セダンは重厚で実用的、ハードトップは解放感と軽快さが魅力。
  • ピラーレス構造のあるハードトップはデザイン性が高い。
  • ルーフ形状の違いが外観印象を大きく変えている。

当時のカタログ映像を見ても、ハードトップの窓全開のシルエットは圧倒的な開放感があり、街中で走る姿も少し華やかに感じます。

対してセダンは“クラウンの原点”ともいえる落ち着きがあり、堂々とした佇まいが印象的でした。

どちらも80年代らしい角型デザインですが、雰囲気はまったく違います。

車体構造・剛性・静粛性の違い

クラウンS120のセダンとハードトップは、同じS120系でありながら車体構造そのものが異なるため、剛性・静粛性・走行フィールに明確な差が生まれます。

特にピラーレス構造のハードトップは、デザイン性と引き換えに構造上の弱点も抱えており、旧車として購入する際の重要ポイントになります。

ボディ構造の違い(ピラーの有無)

構造面での最重要差は、やはり Bピラー の有無です。

項目セダンハードトップ
Bピラーありなし
ドア構造フレーム付きフレームレス
剛性高いセダン比で低い
ドアの閉まり音重厚で落ち着いた音やや軽い傾向

ハードトップは前後のガラスが一体化するため解放感がありますが、フレームレス構造は剛性でセダンに劣ります。

車体剛性の違い

セダン

  • Bピラー構造により縦方向・横方向の剛性が高い
  • 扉の密閉性が高く、車体の“捩れ感”が少ない
  • 経年劣化の影響も受けにくい

剛性が高いため、長距離でも安定した乗り心地をキープしやすい車です。

ハードトップ

  • ピラーレスゆえに剛性確保が難しく、補強構造でカバー
  • 経年でドアヒンジ・ゴム類の劣化が起きやすい
  • 個体差が大きく、ドアの閉まり具合にバラつきがある

当時のハードトップ特有の味わいとも言えますが、旧車としては注意ポイントでもあります。

静粛性の違い

静粛性に関しては、セダンが明確に有利です。

視点セダンハードトップ
風切り音少ないピラーレス特有の音が出やすい
密閉性高い経年で隙間ができやすい
車内の静けさ高い個体差あり

ハードトップはデザインが魅力なぶん、静粛性ではセダンのほうが上質に感じられます。

経年劣化で差が出やすい箇所

ハードトップ特有の弱点として、以下の劣化が多く報告されています。

  • ドアウェザーストリップの縮み
  • ガラスの密閉性低下
  • フレームレス窓のガタつき
  • 走行中の風切り音の増加

セダンはこれらのトラブルが起きにくいため、旧車としての安心感があります。

車体構造・剛性の違いまとめ表

項目セダンハードトップ
車体剛性高いやや低い
静粛性優秀個体差大
経年劣化の影響受けにくい受けやすい(特に窓まわり)
安定感高いピラーレスの魅力と弱点が共存
メンテ性良好ドア調整・ゴム交換が必須

要点まとめ

  • セダンは“安定・静粛・実用性”に優れた構造。
  • ハードトップは“開放感・デザイン性”が魅力だが、窓まわりの調整が重要。
  • 剛性・静粛性ではセダンが有利。

当時の走行映像を観ると、セダンは静かに滑るような印象が強い一方、ハードトップは窓を開けたときの解放感が非常に大きく、華やかな80年代らしさがありました。

剛性面では確かにセダンが有利ですが、ハードトップ特有の“雰囲気の良さ”は今の車では味わえない魅力だと感じます。

装備・グレード体系の違い

クラウンS120はセダンとハードトップで、「装備の充実度」「選べるグレード」「内装の雰囲気」が大きく異なります。

同じクラウンでも“誰に向けた車か”という設計思想が違うため、旧車として選ぶ際にはこの差を明確に理解しておく必要があります。

グレード体系の大まかな違い

視点セダンハードトップ
主な利用シーン公用車・法人・実用個人・趣味・自家用
グレード構成実用寄りが多い上位グレードが豊富
装備の豪華さ控えめ豪華・多機能
特徴的装備シンプルな内装デジタルメーターなど先進装備

S120時代は「クラウン=ハードトップの時代」と言われており、実際にハードトップのほうがグレード展開が多く、豪華装備を積む傾向が強いです。

セダンの特徴(装備・グレード)

セダンは“実用重視のクラウン”として位置づけられていました。

  • 法人・公用車用途の設定があり装備は控えめ
  • シートはベロア系で落ち着いた雰囲気
  • トランク容量が大きく実用性が高い
  • デジタルメーター設定は基本なし
  • 上質さより“堅実さ”を重視したパッケージ

代表グレード例:

  • スーパーサルーン
  • ロイヤルサルーン(セダン専用仕様あり)

ベースモデルも用意されていたため、装備内容の幅が広いのが特徴です。

ハードトップの特徴(装備・グレード)

ハードトップは“個人ユーザー向けの高級グレード”として設計されています。

  • ピラーレス構造のスタイリッシュな見た目
  • デジタルメーターや当時の先進装備を設定
  • パワーシート・電子制御サスなど豪華装備が豊富
  • 外装・内装の仕立てがセダンより華やか
  • スポーティなグレード(ターボ系)も存在

代表グレード例:

  • ロイヤルサルーンG
  • スーパーサルーン エクストラ
  • 2800ロイヤルサルーン(ハードトップ人気グレード)

内装の質感・雰囲気の違い

内装は両者で“明確に方向性が違う”ポイントの1つです。

内装項目セダンハードトップ
雰囲気落ち着いた和の高級感華やかで先進的
シートふかふか系ベロアベロア+装飾性のあるデザイン
メーターアナログ中心デジタルメーター設定あり
内装カラーグレー・ブラウン系アイボリー・ツートンなど幅広い

ハードトップは“見た目の満足感”を高める豪華な仕様が多く、現在でも人気が高い理由の1つです。

装備差のポイントまとめ

視点セダンハードトップ
豪華装備少なめ多い
電子装備控えめデジタル系が多い
旧車としての維持しやすい電装トラブルの可能性がある
グレード価格差お手頃やや高騰しやすい
内装の雰囲気正統派華やか&スポーティ

要点まとめ

  • ハードトップは上位装備が豊富で、内外装が華やか。
  • セダンは実用性と静粛性重視で、維持のしやすさが魅力。
  • グレード体系はハードトップのほうが多彩で高級志向。

当時のカタログを見ても、ハードトップは写真の扱いが大きく、華やかな見開きで紹介されていることが多い印象です。

対してセダンは落ち着いた構成で、実用ユーザー向けの安定した雰囲気が強く感じられます。

今見ても、どちらもS120らしい魅力があり、選ぶ方向性が分かれるモデルだと感じました。

乗り味と実用性の特徴

クラウンS120のセダンとハードトップは、同じプラットフォームを共有しながらも、乗り味や実用性の方向性がまったく違うモデルです。

特に「剛性」「静粛性」「座席空間」「長距離の疲れにくさ」に明確な差があり、旧車として購入する際にはこの違いが選択の決め手になることが多いです。

乗り味の違い(静粛性・揺れ・安定感)

セダンとハードトップは、構造の違いがそのまま走りの印象に表れます。

乗り味の要素セダンハードトップ
車体剛性高いセダン比で低い
静粛性高い(風切り音が少ない)ピラーレス構造ゆえ増えやすい
揺れの収まり良い個体差が出やすい
長距離の安定感高い風の強い日は揺れを感じやすい
印象落ち着いた上質軽快で華やか

セダンの乗り味

  • Bピラーの効果で剛性が高く、挙動が安定
  • 静粛性が高く、後席に乗っても快適
  • 公用車としての耐久性を感じさせる落ち着き

ハードトップの乗り味

  • ピラーレス特有の軽快さがあり“スーッ”とした走り
  • 開放感は圧倒的(窓全開時)
  • 経年劣化した個体はドアまわりからの風音が増えやすい

室内の実用性(後席・トランク・乗降性)

項目セダンハードトップ
後席の頭上空間ゆとりありルーフが低めで狭い
乗り降りのしやすさ良い開口は広いが高さが低い
トランク容量同程度だがセダンが安定
後席の快適性高いややスポーティでタイト

セダンは「後席の快適性」を重視した設計のため、家族・同乗者が多い用途に向いています。

ハードトップは個人向け・ドライバーズカー寄りで、後席はデザイン優先のため頭上がやや低めです。

長距離運転での違い

長距離の疲れやすさにも差が出ます。

  • セダンは直進安定性・静粛性が高く、疲れにくい
  • ハードトップは軽快だが、風切り音が現れる個体もある

高速道路メインならセダンが優位で、ハードトップは街乗り〜流し運転で魅力が出ます。

メンテナンス性の差

ピラーレス構造の違いが、そのままメンテ性の差になります。

メンテ項目セダンハードトップ
窓まわり調整ずれにくい調整が必要な場合あり
ウェザーストリップ交換標準的消耗が早く交換頻度が高め
ドアの建て付け安定個体差が出やすい

ハードトップの“窓4枚全開の魅力”は唯一無二ですが、整備コストはやや増える傾向があります。

要点まとめ

  • 乗り味の落ち着き・静粛性はセダンが優位。
  • ハードトップは軽快さと開放感が魅力。
  • 後席空間と長距離の快適性はセダンが強い。
  • 日常的な維持はセダンが楽、ハードトップは窓まわりの調整が必要。

映像を見ていると、セダンは走り出しから“しっとり重厚”で、クラウンらしい落ち着きを強く感じました。

一方ハードトップは窓を全開にした時の爽快感が圧倒的で、80年代のハイソカーらしい華やかな雰囲気が印象的です。

どちらを選んでも魅力的ですが、用途によって性格がまったく違うと改めて感じました。

よくある質問(FAQ)

セダンとハードトップ、どちらが維持しやすいですか?

維持しやすいのは セダン です。

Bピラーがあるため車体剛性が高く、窓まわりの調整もほとんど不要。

ハードトップはピラーレス構造ゆえにドア・ガラス調整、ウェザーストリップ交換の頻度が高めです。


ハードトップはピラーレスの風切り音が気になりますか?

個体差がありますが、気になる車は多いです。

新車時は静粛性も十分でしたが、40年近い経年でゴム類が劣化し、風が強い日の高速走行で“ヒュー”という風切り音が出る例がよく報告されます。


どちらが中古市場で値上がりしやすいですか?

ハードトップの方が値上がりしやすいです。

デザイン性・希少性・人気の高さから、今後もセダンより上昇する傾向が続くとみられます。


後席が広いのはどちらですか?

後席の快適性は セダンが有利です。

ハードトップはルーフが低く、デザイン優先のため頭上スペースがタイト気味です。


セダンとハードトップで走りの違いは大きい?

大きいです。

  • セダン → 安定・静粛・しなやか
  • ハードトップ → 軽快・開放感・スポーティ
    剛性の差がそのまま走りの印象になります。

ハードトップのドアは重い?下がりやすい?

フレームレスのため、年式相応のヘタリが出やすいです。

ヒンジの摩耗やウェザーストリップの縮みで“ドアの下がり”が起きる場合があり、調整・交換で改善できます。


セダンのほうが実用性は高い?

はい。

セダンは後席快適性と静粛性が高く、荷物の積み降ろしも楽です。

ファミリー用途や長距離が多い場合はセダンが向いています。


ハードトップにしかない装備は?

あります。

代表的なものは デジタルメーター・豪華内装・電子制御装備 など。

当時の“高級ハードトップ文化”を象徴する仕様でした。


電装トラブルはどちらが多い?

ハードトップです。

豪華装備が多いぶん故障リスクも増えます。

セダンは比較的シンプルで扱いやすいです。


旧車として長く乗るならどちらがオススメ?

維持のしやすさで選ぶなら セダン、雰囲気・デザインを楽しみたいなら ハードトップ が向いています。

どちらもS120らしい魅力がありますが、自分の用途に合わせるのが後悔しない選び方です。

まとめ

クラウンS120のセダンとハードトップは、同じ型式でありながら、設計思想・構造・装備・乗り味のすべてが異なる“性格の違う2台”です。

セダンはBピラーを持つことで車体剛性と静粛性が高く、落ち着いた乗り心地と高い実用性を備えています。

法人・公用車としても採用されていた背景から、後席の快適性や長距離での疲れにくさが際立ち、旧車としても扱いやすいモデルです。

一方のハードトップは、ピラーレス構造による解放感と華やかなデザインが魅力で、80年代の高級車らしいスタイリッシュさを強く持ちます。

デジタルメーターなど当時先進的だった装備を搭載するグレードも存在し、“所有して眺める満足感”の高さはセダン以上です。

ただし、窓まわりの調整やウェザーストリップ交換が必要になるなど、維持には手間がかかる部分もあります。

旧車として選ぶ際には、静粛性・快適性のセダン/雰囲気とデザインのハードトップという大きな方向性で見ると分かりやすく、用途や好みによって最適な選択が異なります。

セダンは長距離・家族利用中心、ハードトップは個人で楽しむ車として理想的。

それぞれが明確な魅力を持ち、今見てもクラウンらしさがしっかり感じられるモデルだと感じます。

参考リンク

-クラウン