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【クラウンS120】前期/後期の違いを徹底解説|外装・内装・装備・走りの差を完全ガイド

クラウンS120(1983〜1987)は、販売期間の中で大きく「前期型」と「後期型」に分けられ、外観・装備・内装の仕立て・走行フィールに細かな変更が加えられています。

どちらも80年代クラウンらしい重厚な雰囲気を持ちますが、前期は“角ばったクラシック感”、後期は“洗練された上品さ”が強く、見た目だけでなく乗り味にも違いがあります。

特に注目すべきは、前期型ではクラシックな角型4灯フェイスが主流だったのに対し、後期型ではバンパー形状・グリルデザイン・加飾が改良され、より高級感を増している点です。

また、内装の質感も後期で向上し、電子装備の改良や静粛性の調整など、地味ですが実用上のメリットも増えています。

この記事では、当時の資料をもとに、S120の前期/後期がどのように変わったのかを外観・内装・装備・走り・維持性まで徹底的に比較し、購入前に押さえるべきポイントをしっかり整理していきます。

Contents

前期/後期モデルの基本的な違い

クラウンS120は1983年のデビュー後、途中で大規模なマイナーチェンジを受け、前期/後期で明確な差が生まれました。

ここではまず、全体像や“変わった方向性”を整理します。

前期型(1983〜1985年頃)

  • 角ばったデザインが最も強い時期
  • グリル・バンパーの加飾が控えめ
  • 内装は落ち着いた仕立てが中心
  • 電子制御装備は控えめ(故障リスクも低い)
  • 初期らしい“古き良き80年代クラウン感”が魅力

後期型(1985〜1987年頃)

  • グリル・バンパーの加飾が増え、高級感が向上
  • 内装色・素材の質感が細かく改良
  • デジタル系装備の採用拡大
  • 静粛性の調整が入り、乗り味も安定方向へ
  • “完成度の高い後期クラウン”として評価されることが多い

前期/後期の方向性まとめ表

視点前期後期
デザイン角ばったクラシック洗練されて上品
加飾控えめ多め・豪華
電装装備少なめ増加
内装質感標準高級感アップ
走りやや古風しっとり・静粛
中古人気好みが分かれる人気が高め

要点まとめ

  • 前期は“角張ったクラシック感”、後期は“洗練と豪華さ”が魅力。
  • 電装は後期が増え、静粛性や快適性も改善されている。
  • 古き良さを楽しむか、快適性を求めるかで選び方が変わる。

当時の映像を見ると、前期型は“80年代初期のトヨタらしい角ばり感”が強く、クラシックな魅力が際立っていました。

一方で後期型は加飾が増えて落ち着きが増し、現代の感覚でも上質に見える印象があります。

どちらもS120らしさがありますが、方向性ははっきり異なると感じました。

外観デザインの変更点

クラウンS120の前期/後期で最も分かりやすい違いが出るのが外観デザインです。

特にグリル・バンパー・モール・テールランプといった加飾系が変更されており、見た目の印象が大きく変わります。

80年代クラウンらしさは共通ですが、「前期=角ばったクラシック」「後期=高級感の強化」という方向性がはっきりしています。

グリルの違い(デザイン・加飾)

項目前期型後期型
グリルの意匠横バー中心で控えめ加飾が増え立体感が強い
トヨタエンブレム小さめ・シンプル大型化/加飾強化
雰囲気クラシックでスッキリ豪華で上品

後期型は上級感を演出するため、グリルのメッキ処理が強調されていることが多く、街中で見ると前期より“近代的”な印象を受けます。

バンパー形状・加飾の違い

前期は直線的でシンプル、後期はモールが追加され厚みのある意匠へ。

  • 前期 → 角ばった鉄バンパー的な雰囲気
  • 後期 → メッキ量が増え高級感アップ

後期ではコーナー部分の加飾が増えており、“完成度の高い80年代中期クラウン”という印象に近づきます。

サイドモール・ボディ加飾の違い

後期型はサイドモールが太く見え、グレードによってモール配置が変更されることもあり、見た目の厚みが増しています。

加飾要素前期型後期型
サイドモール細い/控えめ太い/豪華寄り
ドア下部モール無し or 簡素一部グレードで追加
グレードバッジシンプル装飾が細かい

テールランプの違い(細部の造形)

項目前期後期
テール形状角ばったデザイン内部の意匠が変更され上品
レンズ内部シンプルなリフレクターリフレクター増加・加飾あり
全体の雰囲気カクカクした昭和感洗練された80年代後期感

後期型はナイトシーンで見ると光り方が柔らかく、上品に感じる仕上がりです。

ホイール・キャップの違い

  • 前期:デザインがシンプルで、平面的なキャップが多い
  • 後期:メッキや立体的な意匠が増え豪華感が強い

上位グレードではアルミホイールのデザインも微妙に変更されている場合があります。

見た目の違いまとめ表

視点前期後期
雰囲気クラシック・角ばった洗練・上質
メッキ量控えめ増加
バンパーシンプル厚みと加飾強化
グリル平面的立体的で豪華
テールクラシック内部意匠が豪華

要点まとめ

  • 前期はクラシックな角型デザイン、後期はより高級で洗練されたスタイル。
  • グリル・バンパー・テールランプの加飾が後期で大きく進化。
  • 外観の印象は“前期=昭和のクラウン”、“後期=近代クラウンへの橋渡し”。

当時のカタログ映像を見ても、前期型は角ばった古典的なクラウンらしさを強く押し出しており、後期型は上級感を高めた落ち着いた雰囲気が印象的でした。

どちらを選ぶかは完全に“好み”の世界ですが、前期のクラシック感に惹かれる人も、後期の完成度の高さを評価する人も多く、S120の幅広い魅力を象徴しているように感じます。

内装デザイン・質感の違い

クラウンS120の前期/後期は、外観だけでなく内装の雰囲気・素材感・装備の精度にも違いがあります。

特に後期型では“高級感の底上げ”が随所に行われており、前期のクラシックな質感とは明確に差が生まれています。

内装カラー・素材の違い

項目前期型後期型
内装カラーグレー・ブラウン系が中心カラー展開が増え、上級色も追加
シート表皮標準ベロアが中心ベロアの質感向上、柄も上品に
ドアトリムシンプル加飾が増え、立体感のある造形
天井素材標準的な織布質感が改善される傾向

後期型は“80年代後半の高級車”らしい滑らかさや上品さが感じられ、年式による地味な改善が多くみられます。

メーター・スイッチ類の違い

前期/後期で見た目や質感に差が出やすいのがインパネ周りです。

  • 前期型
    • アナログメーター中心
    • スイッチ類が大きく、操作感がしっかり
    • 電子系は控えめで壊れにくい
  • 後期型
    • デジタルメーターの採用率が上昇
    • スイッチ類が小型化・上質化
    • 電子機器が増え快適性が向上

デジタルメーターは後期の象徴的存在で、当時のハイソカー文化を感じる部分です。

シートの座り心地・クッションの違い

ロイヤル・スーパーサルーン系など、グレード差も絡みますが、傾向としては以下のような違いがあります。

観点前期後期
クッションやわらかく、クラシックな沈み込み反発力が増し座り心地が改良
ベロア質感毛足が短めふんわり感が増加
シート形状フラット寄り立体感が増えホールド感も改善

後期型は、長距離での疲労軽減を意識した調整が入っているといわれています。

内装全体の雰囲気の違い

  • 前期型
    → 素朴で“昭和らしいクラウン”の空気感
    → スイッチやメーターまわりも角ばって古風
    → 法人車にも通じる落ち着きが強い
  • 後期型
    → 上質さと洗練の方向に進化
    → 内装の色遣い・素材が柔らかい印象
    → 高級感が強く、現代の目で見てもまとまりがある

内装の違いまとめ表

視点前期後期
雰囲気古風・クラシック上質・洗練
ベロア質感標準改良され高級感UP
メーターアナログ中心デジタルの採用増
スイッチ類角ばって大きい小型化・上品
快適装備少なめ改良され使い勝手向上

要点まとめ

  • 前期の内装は“クラシックな昭和クラウンの空気感”、後期は“洗練された高級セダン”。
  • デジタルメーターやベロア質感向上など、後期で細かな進化が多い。
  • シートの仕立てやクッション性も後期で改善され、快適性が増している。

当時のカタログ映像を見ると、前期型の内装は“質実剛健”という言葉がぴったりで、クラウンらしい重厚感をしっかり感じます。

一方で後期型は素材感や色づかいが上品になっており、今見ても魅力的な高級サルーンの雰囲気が漂っています。

どちらも良さがありますが、方向性ははっきりと違うと感じましたね。

装備・電子制御の進化ポイント

クラウンS120は前期から後期にかけて、快適装備・電子制御・電装修理性に関わる部分が大きく進化しました。

外観の違いよりも“生活のしやすさ”に直結する部分で、購入後の満足度に影響する重要ポイントです。

エアコン・空調系の違い

項目前期型後期型
エアコン形式マニュアル式が中心電子制御式が拡大
操作パネル角ばった押しボタン小型化・反応性が向上
風量制御段階式電子制御で滑らかに

後期は操作性が改善され、空調の効率も上がったと言われます。

ただし、後期の電子制御式は基板の不調が起こるケースもあり、維持性という観点では前期の“シンプルさ”が強みになります。

メーター・情報表示の違い(象徴的ポイント)

S120で最も話題に上がるのが**デジタルメーターの採用率増加(後期)**です。

  • 前期:アナログメーターが中心
  • 後期:デジタルメーター搭載車が増え、未来感のある演出

当時のデジタルメーターはハイソカー文化の象徴でもあり、夜間のイルミは動画でも人気があります。

一方で故障リスクは高く、液晶抜け・照明不良などは定番症状です。

電装スイッチ・快適装備の進化

後期型はスイッチ類の質感も改良され、軽い操作感になっています。

装備項目前期後期
パワーウインドウ標準モーター静音化・動作改善
電動ミラー標準操作感向上・加飾追加
オーディオシンプル音質改善・上級機の設定拡大
クルーズコントロールごく一部採用車増加

この時期の進化は「豪華さ」よりも使い勝手と静粛性の調整が中心という印象です。

静粛性・遮音材の違い

後期型では静粛性に関わる調整が行われ、特にロードノイズが軽減されているといわれます。

  • 前期 → 遮音は十分だが、路面の粗さが少し入る
  • 後期 → 吸音材が増え、よりクラウンらしい静けさへ

静粛性重視のユーザーには後期が人気です。

装備・電装の違いまとめ表

視点前期後期
電装品の数少なめ増加
故障リスク低めやや高い
操作性角ばった操作感改良されて軽い
快適装備必要十分豪華さ・使い勝手向上
静粛性十分さらに静か

要点まとめ

  • 電装装備は後期が確実に上級だが、故障リスクも上昇。
  • 前期のシンプルさは維持性の強み。後期は快適性と静粛性の強み。
  • デジタルメーター採用率は後期で大幅に増加し、特徴的な違いになっている。

当時のオーナー動画を見ると、前期型は非常に“機械としての古き良さ”を感じる操作感があります。

一方後期型は動作が滑らかで、クラウンらしいストレスの少ない操作性が強まっている印象でした。

どちらが良いというより、構造のシンプルさをとるか、快適性をとるかの選択だと感じます。

走り・静粛性・整備性の違い

前期/後期でクラウンS120の“走りの印象”は大きく変わります。

エンジンや基本構造は共通ですが、遮音材・サスペンション設定・電装制御の違いが、乗り味や静粛性にしっかり影響します。

さらに、整備性という実用面でも差が出るため、旧車として購入を検討する際には重要な判断材料になります。

走行フィールの違い(乗り心地・応答性)

視点前期後期
乗り心地少し硬さが残る古典的フィールマイルドで“よりクラウンらしい”
加速の印象直6の素直な回り方静粛性向上で滑らかな印象
操舵感機械的でダイレクトしっとり落ち着きが増す
足まわり前期特有の“角感”がある重厚感が増し安定方向へ

前期はより“昭和の高級セダン”らしい素朴さがあり、後期は安定性・しっとり感が増した完成度の高い乗り味です。

静粛性の違い(遮音の量・エンジン音の入り方)

後期型は遮音材の増量や細かなチューニングが行われ、静粛性が大幅に向上しています。

  • 前期
    → エンジン音・ロードノイズがほんの少し入る
    → 直6らしい“機械音の心地よさ”が残る
  • 後期
    → 室内に入る音が減り、高速道路での快適性が増加
    → “静けさで勝負するクラウン”の完成形に近い

この静粛性は旧車として乗る場合の満足度に直結します。

高速走行での安定性

観点前期後期
直進安定性良好さらに良好(調整入り)
風の影響やや受ける剛性感が増し安定
長距離疲労古典的で疲れやすさ若干静粛・安定で疲れにくい

後期型の高速フィールは、当時のクラウンの中でも高評価を受けていました。

整備性(ここが実用差になる)

クラウンS120の整備性は非常に良好ですが、電装の進化によって前期/後期で扱いやすさは変わります。

前期型

  • 電装品が少ない
  • 故障ポイントが少なく整備しやすい
  • 部品流通が多く、代替もしやすい
  • “いじりながら楽しむ旧車”に向く

後期型

  • 電装が増えたことで整備ポイントも増える
  • デジタル・電子制御系は症状が出ると修理に時間がかかる
  • 内装の加飾が増えて外す時に気を使う
  • 走りの完成度は高いが、整備の難度は前期より上

どちらも致命的な欠点はありませんが、旧車として長く乗る前提なら押さえておくべき差です。

走り・静粛性・整備性まとめ表

視点前期後期
走行フィール素朴・機械的重厚・落ち着き
静粛性十分だがやや音が入るかなり静か
高速安定性良いより安定
電装の数少ない多い
故障リスク低い中程度
整備性とても良い前期より手間が増える

要点まとめ

  • 前期は“素のクラウンの味”を楽しめ、整備しやすい。
  • 後期は静粛性・安定性が高く、完成された乗り味。
  • 電装の多さが整備性の差として明確に現れる。

映像で比較しても、前期型の“素朴な走り”は魅力的で、まさに80年代初期のクラウンらしさを感じます。

一方後期型は静けさや落ち着いた挙動が強く、遠出したくなる雰囲気があると感じました。

個人的には、走りの素の感触を楽しむなら前期、普段使いも考えるなら後期が合っているように思えます。

よくある質問(FAQ)

前期と後期でどちらが人気ですか?

傾向としては後期型の方が人気が高めです。

理由は、外観の高級感が増し、静粛性や装備の完成度が上がっているため。

ただし“クラシック感”を好む愛好家には前期型も根強い支持があります。


デジタルメーターは後期だけですか?

後期で採用率が増えましたが、前期にも一部設定があります

ただし、後期のほうが構造が複雑で故障報告も多く、維持視点では前期アナログが有利です。


整備性は前期/後期で大きく違いますか?

大きく違います。

  • 前期 → 電装が少なく整備しやすい
  • 後期 → 電装が増え、手間がかかる場面がある

特に空調・デジタルメーターまわりは後期で複雑化しています。


走りの違いは体感できますか?

体感できます。

前期は“機械的で素直”、後期は“静かで落ち着く”乗り味です。

特に高速走行では後期の安定性が強く感じられます。


中古相場はどちらが高いですか?

後期の方が高めです。外観の豪華さや人気グレードの多くが後期に揃っているため、価格差が出やすい傾向があります。


故障しやすいのは前期?後期?

“故障しやすい”のではなく、後期のほうが電装品が多いというだけです。

前期はシンプルゆえ壊れにくく、後期は快適装備の豊富さと引き換えにトラブルポイントが増えています。


前期の魅力はどこですか?

クラシックな角ばったデザイン、素朴な乗り味、整備性のよさが魅力です。

古き良き昭和クラウンの雰囲気を味わうなら前期の方が向いています。


後期の魅力はどこですか?

高級感の増した外観、静粛性の向上、装備の改善された操作感です。

普段使いもしやすく、完成された“大人のクラウン”として人気です。


前期・後期で部品の互換性はありますか?

基本構造は同じため互換性は多いですが、内外装・電装品の一部は前後期で専用品があります。

特にグリル・バンパー・メーターまわりは違いが出ます。


どちらを買うべき?選び方のポイントは?

  • クラシック感・シンプル整備 → 前期
  • 快適性・豪華感 → 後期

迷った場合は、用途とメンテナンス方針で選ぶと後悔しにくいです。

まとめ

クラウンS120の前期/後期は、同じモデルでありながら“魅力の方向性”がはっきり分かれています。

前期型は角ばった外観や素朴な内装、アナログ中心の操作系など、昭和のクラウンらしいクラシックな雰囲気を色濃く残しており、構造がシンプルで整備性も高めです。

古き良き直6の音や、素の乗り味を楽しみたいユーザーにとって、前期型はとても魅力的な選択肢になります。

一方、後期型は外観の加飾が増えて上質感が高まり、空調や電装スイッチ類、デジタルメーターなど、快適装備の完成度が底上げされています。

静粛性や高速安定性も向上しており、“普段使いしやすい旧車”としての完成度が高いのが特徴です。

特に高速道路での落ち着きや、乗員を包み込むような内装の仕立ては、後期型ならではの魅力です。

前期は古典的で機械的な良さ、後期は洗練された高級感という違いで、どちらもS120らしい重厚さと落ち着いた走りをしっかり持っています。

購入を検討する場合は、クラシック感を楽しみたい=前期/快適性や完成度を重視=後期という選び分けがもっとも後悔の少ない基準になるでしょう。

どちらを選んでもS120が持つ“80年代クラウンの真髄”を存分に味わえるはずです。

参考リンク

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