クラウンS120(1983–1987)と日産グロリアY30(1983–1987)は、同じ80年代中期に登場した国産高級セダンであり、当時のトヨタと日産の“正面衝突”ともいえる競合モデルです。
ともにキャブレターから燃料噴射化へ向かう過渡期、豪華装備の高度化、直6エンジンの静粛性向上など、国産高級セダンの質が飛躍的に高まった時代に生まれました。
しかし、ブランド哲学はまったく異なります。
クラウンS120は「静けさ」「重厚感」「威厳」を徹底追求した“保守的な豪華さ”を持つ一方、グロリアY30は「直線基調で都会的」「電子制御の積極採用」「VG型V6エンジンの滑らかさ」といった“モダンでハイテク志向”を強く押し出しています。
どちらも当時の高級車として完成度が高く、現代の旧車市場でも高い人気を持つモデルです。
この記事では、外観・内装・走り・静粛性・維持性・部品入手性・中古相場を一次情報中心に整理しながら、クラウン S120とグロリア Y30の違いを徹底比較します。
80年代国産セダンらしい“豪華さの時代”を象徴する2台の個性を深く掘り下げ、用途に応じた最適な選び方を分かりやすく解説していきます。
Contents
基本スペックと車格の違い
クラウン S120 と グロリア Y30 は同年代のライバル関係ですが、ボディサイズ・車重・エンジン構成・車格の方向性に違いがあります。
まずは比較の基礎となる“素のスペック差”を整理します。
サイズ比較(全長・全幅・全高)
| 項目 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| 全長 | 約4,690mm | 約4,690mm |
| 全幅 | 約1,695mm | 約1,690mm |
| 全高 | 約1,435mm | 約1,385〜1,390mm(低め) |
| ホイールベース | 2,690mm | 2,680mm |
| 車重 | 1,420〜1,560kg | 1,380〜1,550kg |
数値は非常に近いですが、グロリアの方が全高が低く、よりスポーティなプロポーションを持っています。
クラウンは“威厳を感じさせる高さ”が特徴で、室内のゆったり感にも繋がります。
車格・ブランド方向性の違い
| 視点 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| 位置づけ | トヨタの上級セダン | 日産の上級セダン |
| ブランド哲学 | 静粛重視・伝統路線 | ハイテク志向・都会派 |
| 主力エンジン | 直6(1G系・M系) | V6(VG20・VG30) |
| 想定ユーザー | 公用・法人・富裕層 | 個人・都会的志向 |
グロリアは当時の“ハイソカー”ブームの中心で、都会的・モダンな高級車として設計されていました。
室内スペースの方向性
- クラウン S120:天井高く、後席が広い → “後席重視の高級車”
- グロリア Y30:天井低く、スポーティ → “運転主体のラウンジ”
クラウンは“役員車”のイメージが強く、グロリアは“個人の高級セダン”として売れた背景があります。
要点まとめ
- サイズは似ているが、キャラクターは大きく異なる。
- クラウンは静粛・重厚、グロリアは都会的・モダン。
- 室内のゆとりはクラウン、デザインの低さとスタイリッシュさはグロリア。
当時の映像を見ると、クラウンは走り出しから“落ち着き”が支配する空気に対し、グロリアは直線的で薄いボディ形状が都会的でスマートな印象でした。
どちらも高級車ですが、ブランドの個性がはっきりと分かれる一台です。
外観デザインの方向性

クラウンS120とグロリアY30は、どちらも1980年代らしい“直線基調のセダンスタイル”を採用していますが、デザイン哲学と細部の作り込みには大きな違いがあります。
同じ「高級セダン」でも、トヨタの保守的・重厚路線と、日産の都会的・モダン路線が鮮明に表れた対照的なデザインです。
デザインコンセプトの根本的な違い
| 観点 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| デザイン方向 | 保守的・重厚・威厳 | 都会的・スタイリッシュ |
| 基本ライン | 厚みのある直線基調 | 薄い直線とシャープさ |
| ボディの厚み | しっかり厚い | 全高が低くスマート |
| フロントの印象 | 落ち着いた“顔” | シャープで都会的 |
クラウンは“重厚感・安定感”を前面に出すため、厚みのあるボディラインと控えめなグリルを採用。
一方のグロリアは、低めの車高と薄いボディ、直線的でシャープな造形を特徴とし、“都会的に洗練されたセダン”を目指しています。
フロントマスクの差
✅ クラウン S120
- 角型2灯または4灯ヘッドライト
- 横に広いグリルで重厚感を演出
- バンパーに厚みがあり安心感がある
→ 落ち着いた威厳のある表情
✅ グロリア Y30
- 角型2灯または4灯だが、クラウンより薄型
- グリルが縦線多めでシャープ
- ボンネットが低く、全体的に平たい
→ 洗練された都会的な顔つき
ヘッドライト1つ取っても、「威厳と安定のクラウン」「薄さと都会的なY30」がはっきりと分かれます。
サイドビューの違い(最も性格が出る箇所)
| 要素 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| 車高 | 高め | 低い |
| ベルトライン | フラットで厚い | 低く直線的 |
| キャビン形状 | 直方体に近く後席重視 | 低くスタイリッシュ |
| ドア厚み | 分厚く重厚 | 薄めで都会的 |
クラウンは後席空間を広く確保するため、車高が高くキャビンも大きめ。
グロリアはスポーティで低いシルエットを持ち、街中での“映える見た目”を意識した形状です。
リア周りのデザイン差
✅ クラウン S120
- 大型のテールランプ
- バンパーが厚い
- 直線基調で“重み”を感じる後姿
✅ グロリア Y30
- 薄めの横長テールランプ
- バンパーも比較的薄い
- シンプルで上品なシャープさ
リアのデザインはユーザーの好みが分かれやすく、クラウンは威厳、グロリアは都会的センスが際立ちます。
ハードトップのデザイン差
| ポイント | クラウン S120 HT | グロリア Y30 HT |
|---|---|---|
| Bピラーレス | あり | あり |
| シルエット | 厚く重厚 | 低く伸びやか |
| 上質感 | 落ち着いた高級感 | 若々しいラグジュアリーさ |
両者ともBピラーレスハードトップを設定していましたが、雰囲気は大きく異なります。
クラウン → 穏やかで威厳
グロリア → スタイリッシュで軽快
という世界観です。
要点まとめ
- クラウンは“重厚で威厳のある高級車”を体現したデザイン。
- グロリアは“都会的で薄くシャープな高級車”という方向性。
- 車高の違い(クラウン高い/グロリア低い)がキャラクターを決定づけている。
- ハードトップでも世界観が異なり、クラウンは落ち着き、グロリアはモダン。
映像で当時の2台を並べて見ると、クラウンは公用車や役員車の延長線にある“威厳の車”という佇まいなのに対し、グロリアは街を走るシーンが本当によく似合う“都会的でスマートな高級セダン”という印象です。
どちらも直線基調のデザインながら、ブランドの方向性が強くデザインに反映されているのがよく分かります。
内装の質感・装備の違い

クラウンS120とグロリアY30は、どちらも当時の国産高級セダンとして充実した室内装備を備えていましたが、高級感の方向性・デザイン哲学・快適装備の考え方が明確に異なります。
一見同じ「豪華な80年代内装」でも、体験としては大きく違う世界観を持つのが特徴です。
内装デザインの世界観
| 視点 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| 雰囲気 | 落ち着いた和風・重厚 | 欧風・都会的・シャープ |
| 色味 | 茶系・グレー・ベージュ中心 | グレー系+黒のコントラスト |
| 素材選択 | モケットやウッド調が多い | メタリック調・布の質感が現代的 |
| 高級感の方向性 | “静かで落ち着いた高級感” | “都会的なモダン高級感” |
クラウンはどこか和の雰囲気すら感じさせ、重厚で落ち着いたインテリア。
対してグロリアは薄いラインのデザインが多く、都会的でスタイリッシュです。
シートの違い(乗り味に直結する重要ポイント)
✅ クラウン S120
- 厚みのあるクッション
- 柔らかめで包まれる座り心地
- 後席の座面長が長く、長距離向き
→ 「座っているだけで楽」な設計思想
✅ グロリア Y30
- 適度に硬め、体を支えるタイプ
- 着座位置が低く、スポーティ
- 後席はクラウンよりタイト
→ “運転して気持ち良い”座り味
乗り味はデザインだけでなく、シートの思想からも差が明確に表れています。
インパネ・メーターの違い
| 項目 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| デザイン | 直線+ウッド調 | 薄型+シャープ |
| メーター | アナログ中心/一部デジタル | デジタルクラスターあり(高級感は現代的) |
| 操作系 | 物理スイッチ多め | 電子制御を積極採用 |
特にY30は日産の電子技術を前面に出しており、デジタルメーターやボイス警告など、当時としては非常にハイテクでした。
快適装備の違い(装備思想が全然違う)
クラウンは“ゆったり寛ぐための豪華装備”。
グロリアは“快適さ+ハイテク演出の豪華装備”。
クラウン S120 の主な装備
- パワーシート
- 後席大型アームレスト
- ウッド調インテリア
- 静粛性重視の天井材
- 電動ミラー
→ 静粛・落ち着き・快適性を徹底した装備構成
グロリア Y30 の主な装備
- デジタルメーター
- ボイス警告システム
- VG型V6の滑らかさを活かす電装制御
- 高グレードは本革・パワーシートもあり
→ 電子技術を使って“未来的高級感”を演出
天井高と室内空間の差(最も分かりやすい違い)
| 観点 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| 天井高 | 高い | 低い |
| 室内の印象 | 広くゆとりがある | スポーティで包まれる |
| 後席の使いやすさ | とても良い | ややタイト |
クラウンは「後席に偉い人が座る前提」の作り。
グロリアは「ドライバーズセダン」の雰囲気が強いです。
内装の質感・装備まとめ
- クラウンは“和風の落ち着き・静粛・ゆとり”
- グロリアは“都会的・薄くシャープ・ハイテク”
- 乗り心地はクラウンの方が柔らかく、後席の快適性も上
- グロリアは運転席のスポーティ感が強く、スタイリッシュ
当時の室内映像を見ると、クラウンは重厚で包み込まれるような空間に対し、グロリアは薄く平たいインパネが都会的で、シートの沈み方も違って感じられます。
クラウンは“ゆったり落ち着く内装”、グロリアは“乗るたびに楽しい内装”という印象が強いです。
エンジン特性・走りの印象
クラウン S120 と グロリア Y30 の走行性能は、**エンジン形式(直列6気筒 vs V型6気筒)**の違いがそのまま性格へ直結しています。
どちらも当時の国産上級セダンを代表するパワーユニットですが、フィール・音・回り方・振動特性はまったく異なります。
✅ エンジン構成の違い(直6クラウン/V6グロリア)
| 項目 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| 形式 | 直列6気筒(M型・1G系) | V型6気筒(VG20/VG30) |
| 排気量 | 2.0〜2.8L | 2.0〜3.0L |
| フィール | 滑らか・静か・重厚 | 反応よく力強い・モダン |
| 振動特性 | 直6特有の均整した回転 | V6らしい低振動+反応の良さ |
クラウンの直6は“静けさ・滑らかさ”を極めた設計。
グロリアのVG型V6は“力強さ・モダンさ”が魅力。
どちらが優れているというより、フィーリングがまったく違うのが面白いポイントです。
✅ 低速域〜中速域の乗り味
● クラウン S120(直6の滑らかさ)
- 低回転でゆったり走るのが得意
- 回転上昇がスムーズで、音が非常に静か
- 重厚な車体をしっとり動かす“上質な感覚”
→ 落ち着いた大人の走り
● グロリア Y30(V6の現代的フィール)
- 低速トルクがあり発進が軽い
- レスポンスが良く、操作に対して素直に加速
- 排気音も控えめながら軽快
→ 軽くてキビキビ動く走り
クラウンは“重厚で静か”。
グロリアは“軽快で反応が良い”。
走行フィールの方向性がはっきり分かれます。
✅ 高速巡航での違い
| 視点 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| 静粛性 | とても高い | 高いがクラウンに一歩譲る |
| 直進安定性 | 重厚で安定感抜群 | 軽快で疲れにくい |
| エンジン回転の質 | 静かで滑らか | 回転が軽く伸びる |
クラウンは長距離向きの性格が強く、グロリアは都市部〜高速の切り替えが得意という印象です。
✅ 操舵フィールと足回りの違い
● クラウン S120
- ステアリングがやや重め
- 足回りは柔らかく、ギャップを吸収
- ロールはあるが不安感はない
→ “ゆっくり気持ち良く走る”ための足
● グロリア Y30
- 操舵が軽く、クイッと曲がる
- 足回りが適度に締まっている
- 直線基調ボディの軽快さが走りに反映
→ 街乗りも高速も軽快なハンドリング
クラウンは“落ち着き”。
グロリアは“軽快さ”。
走りにおけるキャラクターの差は、乗り比べれば誰でも体感できるほどハッキリしています。
✅ サスペンションと走りの方向性まとめ
| 項目 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| 方向性 | 快適・重厚 | 軽快・都会的 |
| 足回り | 柔らかめ | 適度に締まりがある |
| 操舵感 | 重めで落ち着く | 軽快でスムーズ |
✅ 要点まとめ
- クラウンS120は“静粛性と滑らかな直6が主役”。
- グロリアY30は“反応の良いV6で軽快な走り”。
- 高速クルーズはクラウン、街中〜高速の切り替えはグロリアが得意。
- 両者のキャラクターは乗り味でもはっきりと分かれる。
当時の走行映像を見ても、クラウンは“静かにどっしり走る”印象があり、音の少なさに驚かされます。
一方グロリアはV6らしい現代的な軽さがあり、加速時の伸びは見ていて気持ち良いです。
どちらも国産高級セダンの完成度の高さを感じさせる走りですが、そのフィーリングは完全に別物です。
静粛性・乗り心地の差

クラウン S120 と グロリア Y30 は、いずれも1980年代の国産上級セダンとして高い静粛性と快適性を誇りました。
しかしその“静けさ”や“乗り味”の方向性はまったく異なり、乗る人の価値観によって好みが分かれるポイントでもあります。
ここでは、走行中の騒音、振動、足回りの特徴などを一次情報と実走映像に基づいて整理していきます。
✅ 静粛性の特徴(クラウン=静か・グロリア=軽快)
| 項目 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| エンジン音 | 非常に静か | 静かだがやや存在感あり |
| 振動 | 直6らしく極めて少ない | V6の低振動だが直6ほど均一ではない |
| 風切り音 | 高速でも抑えられている | 車高が低く少なめだが、クラウンよりは入る |
| 遮音材 | 厚め | 標準的 |
クラウンは“静けさこそ高級の証”という思想で、当時の評論家からも静粛性を高く評価されています。
対してグロリアは静粛性も確保しつつ“軽快なスポーティ感”を残した印象です。
✅ 乗り心地(クラウン=柔らかい/グロリア=締まりがある)
● クラウン S120
- 足回りが柔らかい
- 路面の凹凸を上手に吸収
- 長距離で疲れにくい
→ “しっとりとした高級乗り味”
● グロリア Y30
- 乗り心地は良いがクラウンより引き締まる
- 街乗りでの動きが軽い
- スポーティ感がある
→ 快適だが、ややドライバーズカー寄り
クラウンは“乗り心地の柔らかさ”が明確な特徴で、後席の快適性は特に高く、公用車として選ばれる理由にもなっていました。
✅ 後席の快適性の違い(最も差が出るポイント)
| 観点 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| 足元スペース | 広い | 普通 |
| 座面の長さ | 長い | やや短い |
| 背もたれの角度 | 寛ぎやすい | やや立ち気味 |
| アームレスト | 大型で快適 | 標準的 |
クラウンは「後席に人を乗せる車」として作られているのに対し、グロリアは「運転を楽しむ車」という思想が見えます。
✅ 高速道路での乗り味
● クラウン S120
- 高速直進性が非常に高い
- 低いエンジン回転で巡航できる
- 車体の揺れが少なく、疲れにくい
● グロリア Y30
- 高速でも軽快で扱いやすい
- 車高が低いため風の影響を受けにくい
- クラウンよりも“キビキビ感”が残る
高速巡航ではどちらも優秀ですが、クラウンはより“静かで安定した長距離車”です。
✅ 走行中の騒音の傾向
| 種類 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| エンジン音 | ほとんど気にならない | 抑えられているがやや主張あり |
| 路面音 | よく抑えられている | 車高が低いぶん拾いやすい傾向 |
| 風切り音 | かなり静か | 年式差もあるがクラウンほどではない |
全体として、クラウンは「とにかく静か」。
**グロリアは「静かだがスポーティさも残る」**という印象です。
✅ 静粛性・乗り心地まとめ
- クラウンは上級セダンらしい“しっとり静かで柔らかい乗り味”。
- グロリアは都会的な“軽快で締まりのある乗り味”。
- 後席の快適性はクラウンが圧倒的に上。
- 高速安定性はどちらも高水準だが、クラウンの方が疲れにくい。
映像で比べても、クラウンは速度が上がっても車内の音がほとんど変わらず、ゆったりと安定して走る姿が印象的です。
グロリアは姿勢が低く、ステアリング操作に対してクイっと反応するのが映像からも伝わってきます。
どちらも快適ですが、クラウンは穏やか・グロリアは軽快という味付けがしっかり感じられます。
維持費・整備性・部品入手性

クラウン S120 と グロリア Y30 は、どちらも「80年代国産上級セダン」として信頼性の高い構造を持っていますが、維持費・故障傾向・部品入手性は大きく異なります。
旧車として所有する際の“現実的な判断ポイント”なので、ここをしっかり比較しておくことが重要です。
✅ 維持費の違い(クラウン=やや高い/グロリア=平均的)
| 項目 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| 自動車税 | 排気量依存で同等(2.0〜3.0L) | 同等 |
| 重量税 | やや重い → 少し高め | わずかに軽い |
| 燃費 | 重量・直6の特性で不利 | V6で効率も良く、やや有利 |
| タイヤ代 | サイズ大きく高め | 標準的で入手しやすい |
クラウンは車重・装備の多さからランニングコストは“高級車寄り”。
グロリアは比較的軽量で、維持費は標準的です。
✅ 整備性の差(クラウン=作業しやすい/グロリア=電装注意)
どちらも整備性は高いですが、性格は違います。
● クラウン S120
- ボンネット内のスペースが広い
- 直6は整備性がとても良い
- 機械式要素が多く扱いやすい
→ 整備で困る場面が少ない
● グロリア Y30
- V6は横幅があり、一部作業に手間
- 電子制御が多く、基板系のトラブルに注意
- 年式次第で純正部品の入手が難しい箇所あり
→ “電子装備の豊富さ”が弱点になる場合も
とくにY30のデジタルメーターやボイス警告システムなどは、現存する個体数が少なく、修理が難しい場合があります。
✅ 壊れやすいポイント比較(実体験に基づく声の多い部分)
| 方向性 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| 弱点 | 電装品・パワーシート | デジタルメーター・基板 |
| エアコン | コントロール系の経年劣化 | コンプレッサー+制御系の劣化 |
| AT | M型系は耐久性高い | 電子制御ATの基板劣化に注意 |
| 足回り | 重量でブッシュ劣化が早め | 比較的持ちが良い |
クラウンは“部品点数の多さが弱点”。
Y30は“電子基板系が最大の注意ポイント”。
✅ 部品入手性(ここが最も大きな差)
| 部品カテゴリ | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| エンジン系 | 1G系・M型系は比較的豊富 | VG系は流通多い |
| 外装部品 | 年々入手難 | 角目ライトはやや入手難 |
| 内装部品 | 上級仕様は不足 | デジタル系は入手困難 |
| 電装系 | コントロール系が弱点 | 基板は希少で高額化 |
| 社外品 | 少なめ | 足回り・マフラー等が豊富 |
特にY30のデジタルメーター周りは中古でも高額になりやすく、動作品の確保が難しい場合があります。
✅ 維持費・整備性・部品入手性まとめ
- 維持費はクラウンがやや高め、Y30が標準寄り。
- 整備性はクラウンが扱いやすい。
- 電装トラブルはグロリアの方がリスクが高い。
- 部品入手性は“エンジン系は互角、電装はY30が不利”。
- 旧車初心者向けとしてはクラウンの方が安心度が高い。
維持の観点では、クラウンは重厚ゆえに消耗品の寿命は短くなりがちですが、構造がシンプルな分“直せる旧車”という安心感があります。
グロリアは機械的には丈夫ですが、電子制御周りの部品確保が課題になることがあり、電装品の状態が良い個体を選ぶことが重要と言われています。
どちらも魅力的ですが、維持のしやすさの方向性がまったく違うと感じました。
用途別の選び方(結論)

クラウン S120 と グロリア Y30 は、同じ“80年代の国産上級セダン”でありながら、設計思想・走行フィール・内外装の世界観がまったく異なるため、用途や価値観によって最適な一台が完全に変わります。
ここでは、実際に所有すると想定した場合の「どちらを選ぶべきか」を具体的に整理します。
✅ 静粛性・快適性・後席のゆとりを最優先するなら → クラウン S120
クラウンは「静けさ」と「ゆとり」を極めた上級セダンで、特に長距離や高速巡航に強みがあります。
こんな人に向く
- 高級車らしい乗り心地を楽しみたい
- 後席の使用機会があり、広さを優先したい
- 静粛性を何より重視する
- ゆったり運転したい
- 重厚で威厳のあるデザインが好み
クラウンは“乗ること自体が癒し”になる車で、長距離ほど良さが際立ちます。
✅ 軽快さ・ハンドリングの良さを楽しみたいなら → グロリア Y30
グロリア Y30 は V6の反応の良さと車高の低いスポーティな設計から、運転する楽しさが強く感じられる一台です。
こんな人に向く
- 軽快で切れの良い走りが好き
- 都会的でスタイリッシュなデザインが好み
- ハンドル操作に素直に反応してほしい
- ドライバーズカーとして使いたい
- 電装の状態が良い個体を選べる人
“運転して気持ちよいセダン”という意味では、Y30の方が向いています。
✅ 旧車初心者におすすめなのは?
→ クラウン S120 の方が安心
理由は3つ:
- 基本構造がシンプルで整備性が良い
- 電装の弱点が少なく、修理の難易度が低い
- コンフォート系の構造でトラブルが読みやすい
Y30はデジタルメーターや基板、電子制御ATなど、“電子装備の状態”が命となるため、旧車初心者は慎重に選ぶ必要があります。
✅ 維持費を抑えるなら?
→ グロリア Y30
- 車重が軽め
- タイヤや消耗品が安価
- V6はパーツ流通も多い
ただし電子制御部品の故障は高額なので、個体選びが重要です。
✅ 高級感と存在感を楽しみたいなら?
→ クラウン S120
- 静けさ
- 乗り心地
- 重厚なインテリア
- ハードトップの美しいシルエット
これらの要素が揃っており、いま見ても“昔の高級車”として際立った魅力があります。
✅ 2台の本質的な違いまとめ
| 観点 | クラウン S120 | グロリア Y30 |
|---|---|---|
| 世界観 | 静けさ・重厚感 | 都会的・スタイリッシュ |
| 走り | 穏やか・滑らか | 軽快・反応良い |
| 内装 | 広く落ち着く | シャープでモダン |
| 乗り心地 | 柔らかい | やや締まりがある |
| 後席 | とても快適 | ややタイト |
| 維持性 | 高い | 電装に注意 |
| 初心者向き | ◎ | △ |
実際の走行映像でも、クラウンは“ゆっくり走っても高級感が伝わる車”としての完成度が高く、どっしりとした走りと静けさが魅力です。
グロリアはステアリング操作に対しての応答が良く、街中や郊外の流れに合わせて走るのが本当に楽しそうです。
どちらも良い車ですが、キャラクターが想像以上に違うため、用途と好みに合わせて選ぶのが最も満足度の高い選び方だと感じました。
まとめ
クラウン S120 と グロリア Y30 は、1980年代国産上級セダンの代表格でありながら、ブランド哲学・走行特性・内外装デザイン・装備思想が大きく異なる、まさに“対照的な2台”です。
クラウン S120 は直6エンジンの滑らかさ、高い静粛性、柔らかな乗り心地、広い後席など「乗る人が心地よさを感じる高級車」として設計され、いま見ても静けさと重厚感が際立ちます。
一方、グロリア Y30 は都会的で薄いシルエット、V6エンジンの軽快な反応、シャープなインテリアなど“モダンでハイテク志向な高級セダン”として作られており、運転して楽しむ車という色が強く出ています。
維持の観点でも差は明確で、クラウンは構造がシンプルで整備性が高い一方、車重や豪華装備ゆえにランニングコストはやや高め。
グロリアは軽快で維持費も抑えやすいですが、電装・基板系の状態が大きく価値を左右し、良い個体を選ぶ目が必要です。
旧車初心者にはクラウン、走りを楽しみたい人にはグロリアという住み分けが自然です。
静粛で威厳あるクラウン、スタイリッシュで軽快なグロリア。
どちらも80年代の国産高級車文化を象徴する完成度の高いモデルであり、現在の旧車市場でも価値が再評価されています。
用途や価値観に応じて選べば、どちらを選んでも“80年代高級セダンの本質”を存分に味わえると思います!。
