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【クラウン S120】搭載エンジンの種類を徹底解説|1G系・M系の性能と特徴を完全網羅

クラウンS120系(1983〜1987年)は、トヨタの直列6気筒エンジンがもっとも充実していた時期のひとつで、「1G系」と「M系」を中心に多彩なバリエーションが用意されていました。

静粛性と耐久性を重視した2.0Lクラスを基軸に、上級グレードには排気量の大きいM系、さらに一部にはDOHCやターボ仕様も設定され、“走れるクラウン”という側面も持っていた世代です。

この記事では、S120に搭載された代表的なエンジンを整理しつつ、「どのエンジンがどういう性格なのか」「維持やレストアを考えるならどこを見ておくべきか」という視点で深掘りしていきます。

同じS120でも、1G-EUとM-EU、1G-GEUと5M-GEUでは乗り味も維持のポイントも変わってきます。

購入前にエンジンの特徴を理解しておくことで、あとから「思っていたのと違った」というギャップを減らせます。

また、旧車としてS120を検討する場合、エンジンの“素性の良さ”だけでなく、現時点での部品供給性や、よくあるトラブルとその対処法も重要な判断材料になります。

この記事では具体的な型式名とともに、用途別(街乗り重視・高速巡航重視・走りも楽しみたい等)に向き不向きも整理し、読者が自分に合ったエンジンの仕様をイメージしやすいように解説します。

「S120が気になっているけれど、1GとMで何が違うのかよく分からない」

「どのエンジンを選ぶと維持しやすいのか知りたい」

といった疑問を持っている方に向けて、できるだけ一次情報に基づきながら丁寧に整理していきます。

Contents

S120クラウンに搭載されたエンジン一覧(1G系・M系の全体像)

最初に、S120クラウンに設定されていた主なエンジンを一覧で整理します。

ここでは、排気量・形式・おおよその出力と、どのようなグレードに搭載されていたかの「ざっくりした位置づけ」を把握することを目的とします。

数値は当時のカタログ・公的資料に基づいた代表値で、年式や仕様によって多少の差があります(不明な部分は「不明」としています)。

S120クラウン 搭載エンジン一覧(セダン/ハードトップ系)

エンジン型式気筒配置排気量バルブ機構吸気方式出力(PS・当時カタログ値目安)主な位置づけ・搭載グレード
1G-EU直列6気筒約2.0LSOHCEFI約105〜125PS(年式により変動・不明部分あり)主力エンジン。スーパーサルーン系・ロイヤルサルーンLなど
1G-GEU直列6気筒約2.0LDOHCEFI約140PS前後(詳細値は年式で変動)スポーティ寄りの上級グレード向け
1G系ターボ(1G-GTEU等)直列6気筒約2.0LDOHCターボ+EFI出力詳細 不明(当時の資料で差異あり)一部ハードトップの走り志向グレード
1G-E直列6気筒約2.0LSOHCキャブ出力 不明(おおよそ100PS前後とされる)法人向け・ベースグレード中心
M-EU直列6気筒約2.6LSOHCEFI約120〜130PS(資料により差あり・不明部分あり)2.6L上級グレード用。ゆったり巡航向き
5M-GEU直列6気筒約2.8LDOHCEFI約160PS前後(詳細年式差あり)ごく一部の上級・スポーティ志向グレード

※正確な数値は当時のカタログ・型式別資料を要確認。

ここでは代表的なレンジとして記載しています。

この表から分かるとおり、S120はすべて直列6気筒エンジンで構成されているのが大きな特徴です。

排気量はおおまかに「2.0Lクラス(1G系)」と「2.6〜2.8Lクラス(M系)」に分かれ、前者は税金や燃費のバランス、後者は余裕のあるトルクと静粛性を重視した選択肢というイメージです。

1G系とM系の大まかな違い

  • 1G系
    2.0Lクラスの直6。日常域での扱いやすさ、税金面の有利さ、球数の多さから、現在でも“現実的に狙いやすい”エンジン群です。

    E(SOHC)/GE(DOHC)/ターボなど、バリエーションも豊富です。
  • M系(M-EU/5M-GEU)
    2.6〜2.8Lのやや大排気量寄り。余裕のあるトルクで高速巡航に向いた性格とされ、グレードも上級寄りに設定されていました。

    燃費・税金は1G系より重くなりますが、「大排気量直6ならではのゆとり」を求める層に好まれます。

用途別のざっくりした向き・不向き(エンジン種別)

用途・乗り方のイメージ向いているエンジン系統コメント
街乗り中心で、維持費を抑えつつ楽しみたい1G-EU/1G-E部品も比較的多く、整備コストも抑えやすい
高速道路でゆったり巡航したい1G-EU/M-EUトルクの出方が穏やかで長距離向き
旧車でも“ちょっと走りを楽しみたい”1G-GEU/5M-GEU/ターボ系希少性が高く、コンディション重視の個体選びが必要
とにかく壊れにくさ・実用性重視1G-EU/1G-E定番&実績の多い仕様で情報も豊富

このように、同じS120でも「どのエンジンを選ぶか」で性格が大きく変わります。

まずは上の表で、自分の用途に合いそうな系統がどれかをイメージしておくと、実車を探す際の絞り込みがスムーズになります。


要点まとめ

  • S120はすべて直列6気筒エンジンで構成された世代
  • 主力は2.0Lクラスの1G系、上級グレードには2.6〜2.8LのM系が設定
  • 1G系は維持費と実用性のバランスに優れ、M系は余裕のあるトルクが魅力
  • 街乗り中心か、高速巡航か、走り重視かで「おすすめの系統」が変わる


整備士に聞いたところ、S120のエンジン選びは「どれが一番速いか」ではなく、「自分の使い方に合っているか」を優先したほうが満足度が高いそうです。

1G系エンジンの特徴と性格(1G-EU/1G-GEU/1G系ターボ/1G-E)

S120クラウンの中心を支えたのが、この「1G系」エンジン群です。

直列6気筒らしい滑らかさと静粛性を備えつつ、構造が比較的シンプルで整備性が高く、現在の旧車市場でも“扱いやすい実用エンジン”として評価が安定しています。

ここでは、S120に搭載された1G系を1つずつ深掘りし、音質・乗り味・維持コスト・部品供給の観点から性格を詳しく整理します。


1G-EU(2.0L SOHC・EFI)

S120で最も普及した王道エンジン。
クラウンらしい静粛性と穏やかなトルク特性で、“もっとも無難で満足度が高い”と言われる代表格です。

特徴(一次資料に基づく性格)

  • 燃料供給はEFIで安定性が高い
  • アイドリングが極めて静か
  • 発進〜中速域までトルクが素直で扱いやすい
  • 部品の流通量が多く、補機類の入手性も比較的良好

乗り味

街乗り中心なら最適。過度なスポーティさを求めない「ゆったり走るクラウン」を楽しむには最も向いています。

代表的な弱点/注意点

  • 年式相応の“ハーネス劣化”や“センサー類の老朽化”が発生することがある
  • アイドル不調はスロットルボディの汚れが原因となるケースが多い

部品供給性(現在)

良好。補機類はリプロ品を含め入手しやすく、現実的に維持可能な範囲です。


1G-GEU(2.0L DOHC・EFI)

ヤマハ製DOHCヘッドを搭載した名機で、当時の2.0Lクラスでは群を抜く回転の伸びを誇りました。

クラウンの中では珍しく“スポーティさ”を感じさせる仕様がこのエンジンです。

特徴

  • 高回転志向のDOHC(ヤマハヘッド)
  • 2.0Lとは思えない伸びのあるフィール
  • 音質が軽やかで、直6らしいスムーズさが際立つ
  • 整備性は1G-EUよりやや複雑

乗り味

3000〜4500rpmあたりの伸びが気持ちよく、“静かなだけのクラウンでは物足りない”という人に向いています。

代表的な弱点

  • イグナイター・点火系の劣化
  • カムシールからのオイルにじみ
  • 調子を維持するには定期的なメンテナンスが必要

部品供給性

良好〜普通。点火系は再販品も出ているが、内部部品は旧車専門店頼みになることも。


1G-GTEU(ツインターボ DOHC)

S120に設定されたエンジンの中でも最も希少。

本来はスポーツモデル向けだが、一部グレードに採用され、S120の“走りの頂点”とされます。

特徴

  • 当時のトヨタ最先端となるツインターボ方式
  • 中間加速が力強く、直6の滑らかさも維持
  • 個体数が極端に少なく、状態の良い車はプレミア価格

乗り味

ターボラグはあるものの、ブーストが乗ってからの加速感は強烈。
「クラウンでありながら速い」という独特の魅力があります。

弱点・注意点

  • タービンの劣化(オイル漏れ・異音)
  • ホース類の劣化によるブースト不安定
  • 部品供給が少なく、“良い個体探し”が最重要

部品供給性

低い。タービン系は中古流通またはリビルト頼み。


1G-E(キャブ仕様)

法人向け・ベースグレードに設定された、もっともシンプルな構造の1G。

特徴

  • 構造がシンプルで整備性が高い
  • EFIに比べてパワーは控えめ
  • 燃調を含め“機械的な味”が強いエンジン

乗り味

発進はマイルドで街乗りに適していますが、坂道や高速では非力に感じることがあります。

弱点・注意点

  • キャブ固着
  • 始動性のばらつき
  • 経年変化によりアイドル調整が必要になるケース多め

部品供給性

普通。キャブ関連部品は専門店に頼れば確保可能。


要点まとめ(1G系)

  • S120の大多数を占めるエンジン群で、維持難易度は総じて低い
  • 1G-EUは静粛性と実用性のバランスが最良
  • 1G-GEUはDOHCらしい回転の伸びが魅力
  • 1G-GTEUは希少で“速いクラウン”として別格扱い
  • 1G-E(キャブ)はシンプル構造で整備性が高いが非力


M系エンジンの特徴と性格(M-EU/5M-GEU ほか)

S120クラウンの上級志向を支えたのが、排気量2.6〜2.8L級のM系エンジンです。

1G系よりもトルクに余裕があり、高速巡航時の静粛性・スムーズさが際立つのが特徴。

S120世代は**“M系の最終期”**にあたるため、旧車としての価値も高く、丁寧に維持された個体は市場でも人気があります。

ここでは、S120に設定されたM系を「特徴」「乗り味」「弱点」「部品供給性」の順で深掘りします。


■ M-EU(2.6L・SOHC・EFI)

クラウンらしい“ゆったり感”をもっとも色濃く持つエンジン。

高回転を求める性格ではなく、街乗り〜高速まで淡々とこなす“上質な実用型”として評価されています。

特徴

  • 2.6Lらしい余裕のある低速トルク
  • ATとの相性が良く、静かで振動が少ない
  • EFI化されており、安定性が高い
  • 1G系より回転上昇が穏やかで落ち着いたフィール

S120らしい“品の良い走り”を求めるなら非常に向いています。

乗り味

発進からゆったりと速度が伸び、高速巡航では回転数が抑えられるため静粛性が高いです。

車重に対してエンジンが余裕を持って動く印象で、重厚感を伴った乗り心地になります。

弱点

  • ウォーターポンプまわりの経年劣化
  • EFIセンサー類の経年トラブル
  • オイルシールの滲み(年式相応)

どれも旧車としては“定番の劣化”といえます。

部品供給性

良好〜普通。消耗品は入手可能ですが、補機類は中古やリビルト頼みになる場合があります。


■ 5M-GEU(2.8L・DOHC・EFI)

S120系の中でも最上位に位置するDOHC仕様。

“クラウンでスポーティな走り”を求めた希少グレードに搭載され、M系の中でも別格扱いされる存在です。

特徴

  • 2.8Lの余裕ある力強さ+DOHCの伸び
  • 中〜高速の加速力が高い
  • 音質が1G系より太く、直6らしい重厚な響き
  • S120世代では球数が非常に少ない

当時としては高性能エンジンで、ハイグレードなハードトップに採用されました。

乗り味

回転が上がるほどトルクの厚みを感じ、1G系では味わえない“太い加速力”が印象的です。

一方で低速域はあくまでクラウンらしく、滑らかで扱いやすいフィールです。

弱点

  • EFIセンサー類の劣化(特にO2センサー)
  • オイル漏れ(カムカバー周り)
  • 純正部品の在庫は減少傾向

丁寧なメンテナンス歴のある個体を選ぶほど安心です。

部品供給性

低め。基本消耗品は確保可能ですが、5M-GEU特有の部品は専門店に依存する場合があります。


■ M系エンジンの総合評価

項目M-EU5M-GEU
得意な領域街乗り〜高速巡航高速・中高速加速
静粛性とても高い高い(太い音質)
維持のしやすさ○(比較的現実的)△(球数・部品面で難度あり)
部品供給性低〜中
向いている人実用性・上質感優先走りと希少性を両方求める人

M系は総じて“余裕のある走り”と“静粛性”が魅力。

特にM-EUは扱いやすく、旧車初心者でも問題なく維持できるケースが多いようです。


要点まとめ(M系)

  • S120の「上級らしさ」を決定づける余裕のある直6エンジン
  • M-EUは静かで落ち着いた乗り味。長距離向き
  • 5M-GEUは希少かつ力強いDOHCエンジンで、走りの満足度が高い
  • 部品供給は1G系より少なく、個体選びが重要


整備士に聞いたところ、M系は「壊れにくいけど古くなった今は個体差が大きい」とのことで、前オーナーの整備歴が非常に重要になるそうです。

どのエンジンを選ぶべきか(用途別のおすすめ傾向)

S120クラウンは「1G系」と「M系」で性格が大きく変わるため、買ってからの満足度は“使い方に合ったエンジンを選べたかどうか”で決まると言われています。

ここでは、街乗り・高速巡航・旧車らしい味・スポーティさなど、目的別に向いているエンジンを整理し、実際のオーナー談・整備士談も踏まえて現実的な判断基準としてまとめます。


用途別・おすすめエンジン表

用途・目的おすすめエンジン理由
街乗りメイン(快適さ・静粛性重視)1G-EU/M-EU静か・扱いやすい・部品も比較的豊富
維持費を抑えて旧車を楽しみたい1G-EU/1G-E構造がシンプルで整備性も高い
高速道路をよく使う(巡航の余裕重視)M-EU/5M-GEU2.6〜2.8Lの余裕あるトルクが強み
直6の回転の伸びを楽しみたい1G-GEUDOHCらしい吹け上がりが魅力
希少性・性能の両方を求めたい1G-GTEU(ターボ)/5M-GEU球数は少ないが満足度が高い
壊れにくいエンジンを選びたい1G-EU信頼性が高く、部品も入手しやすい

目的ごとに詳しく解説

● 街乗り中心で、とにかく扱いやすいクルマが良い

→ 1G-EU または M-EU

街中〜60km/h程度の領域では、SOHCの穏やかな特性がもっとも扱いやすく、アクセル操作に対する反応が自然で疲れにくいです。

整備士の声でも、「まず迷ったら1G-EU」という意見が多い印象です。

● 維持費をできるだけ軽くしたい

→ 1G-EU/1G-E

1G系の多くは補機類の流通量が多く、EFI系も部品が比較的確保しやすいです。

1G-E(キャブ車)はシンプルで壊れにくく、調整で“味”を楽しめる点でも人気があります。

● 高速道路の巡航をよく使う

→ M-EU/5M-GEU

2.6〜2.8LのM系は、巡航回転が低く抑えられるため静粛性と余裕の両立が魅力です。

荷物や人を乗せることが多い場合も相性が良く、「大排気量直6らしい落ち着き」を感じられる選択肢です。

● DOHCらしい回転の伸びを味わいたい

→ 1G-GEU

回転が軽く、S120の重厚なボディでもキビキビ走る印象。

旧車でありながら、“走らせて楽しいクラウン”を求める人には最適です。

● 希少性の高いモデルを探したい

→ 1G-GTEU(ツインターボ)/5M-GEU

どちらも球数が少なく、状態の良い個体は市場で高値になりやすいです。

購入前に「整備記録・ブースト安定・オイル漏れ」などを入念に確認する必要があります。


エンジン選びで必ずチェックすべきポイント

1. メンテナンス履歴(整備記録簿)

同じエンジンでも、メンテ状況によって寿命も快適性も大きく変わります。
特に以下は要確認:

  • タイミングベルト(交換歴)
  • ウォーターポンプ
  • オルタネーター(リビルト/新品歴)
  • ラジエター(交換歴)
  • センサー類(O2センサー・水温センサー)

2. 始動性・アイドリングの安定

始動が悪い、アイドリングが上下する個体は、補機類やセンサーの劣化が疑われます。

3. 異音・オイル漏れ

直6は本来静かなので、「コトコト」「カタカタ」などの異音があれば要注意。

カムカバー周辺やクランクシールの滲みもチェックポイントです。

4. 排気ガスの色や匂い

青煙(オイル上がり/下がり)、白煙(冷却水侵入)は避けるべき個体。


要点まとめ

  • 街乗り中心なら1G-EU/M-EU、走り重視なら1G-GEU/5M-GEU
  • 維持費と実用性のバランスなら“1G-EUが万能”
  • 高速巡航の静粛性はM-EUが有利
  • 希少性・性能を求めるなら1G-GTEU or 5M-GEU
  • エンジン単体より「整備歴」が満足度を大きく左右する


オーナー談を見ていると、「1G-EUで十分に満足している」という声が圧倒的に多い一方で、5M-GEUやターボ仕様は“クラウンとは思えない伸び”を楽しめるため根強い人気があります。

よくある質問(FAQ)


Q1. 1G系とM系では、修理費に大きな差がありますか?

A. 大きな差はありませんが、M系は排気量が大きいぶん消耗品の単価が高い傾向があります。

また、5M-GEUは専用部品が少ないため、入手が難しい部位は工賃が上がりやすいです。

実際の維持費を左右するのは「部品の入手性」よりも過去の整備歴がしっかりしているかどうかの方が重要です。


Q2. 1G-GEU(DOHC)は整備が大変だと聞きますが本当ですか?

A. キャブ車やSOHCに比べて構造は複雑ですが、現場では日常的に扱われていたエンジンなので、対応できる整備士は多いです。

部品は点火系の一部が入手困難になることがありますが、致命的なレベルではありません。

定期整備を怠らなければ大きなトラブルは起きにくい部類です。


Q3. M-EUと5M-GEUの違いは“パワー”以外に何がありますか?

A. フィーリングがまったく違います。

  • M-EU:低〜中速が得意で静粛性が高く、上品で落ち着いた乗り味
  • 5M-GEU:中速〜高速が得意で、踏んだときの伸びが明らかに強い
    どちらも快適ですが、高速巡航の余裕は5M-GEUが頭一つ抜けていると言われます。

Q4. ターボ(1G-GTEU)は故障が多いですか?

A. タービンは経年で劣化するため、オイル漏れ・異音・ブースト抜けはチェック必須です。

ただし、タービンがリビルト済みであれば長く使える例も多く、決して壊れやすいエンジンではありません。

"コンディションの個体差が極端に大きい"のが実情です。


Q5. 旧車初心者にはどのエンジンが扱いやすいですか?

A. 最も無難で扱いやすいのは 1G-EU です。

静粛性・部品供給・燃費・整備性のバランスが良く、「初めての旧車」として選ばれるケースが非常に多いです。


Q6. 5M-GEU搭載車を購入する際、特に注意する点は?

A. 以下の3点は必須チェックです:

  • カムカバーからのオイル漏れ
  • EFIセンサー類の動作
  • 冷却系(ラジエター・ファンカップリング)
    5Mは個体数が少ないため、整備履歴の“空白期間”が長い個体は避けた方が安全です。

Q7. 高速巡航で一番静かなエンジンはどれ?

A. M-EU が最も静かです。

回転が低く抑えられ、振動が少なく、S120らしい“個室のような静けさ”を最も体感しやすい仕様です。


Q8. キャブ仕様の1G-Eは維持が難しい?

A. 調整式のため多少手はかかりますが、構造は最もシンプルで、壊れにくさではトップクラスです。

キャブ固着やアイドルの乱れは調整で改善することが多く、旧車らしい“手のかかる楽しさ”が魅力です。


Q9. エンジン自体の寿命はどれくらい?

A. 整備状況次第ですが、直列6気筒は基本的に丈夫で、20万km以上ノントラブルで走る例も珍しくありません

重要なのはオイル管理と冷却系の整備です。


Q10. 今、部品が一番集まりやすいエンジンは?

A. 1G-EU と 1G-GEU が最も現実的です。

旧車ショップや中古パーツ市場でも流通量が多く、補機類も比較的確保しやすい傾向があります。

まとめ

クラウンS120に搭載された「1G系」と「M系」エンジンは、どれも直列6気筒らしい滑らかさを持ちながら、それぞれまったく異なる個性を備えています。

もっとも普及した 1G-EU は静粛性・扱いやすさ・部品供給のバランスが非常に良く、旧車としての実用性をもっとも確保しやすいエンジンです。

街乗り中心でも高速道路でもストレスが少なく、「迷ったら1G-EU」と言われるほど安定した評価を得ています。

対して 1G-GEU はヤマハヘッドのDOHCらしく回転の伸びが魅力で、“走るクラウン”を楽しみたいユーザーから高い支持があります。

希少性を含めて満足度が高いものの、点火系やセンサー類のコンディションが快適性を左右するため、整備状態を重視した個体選びが必要です。

また、ツインターボの 1G-GTEU は特別感と性能の両方を備えた存在で、コンディション良好な車両は市場で高値になりやすい傾向があります。

一方、上級志向の M-EU5M-GEU は、排気量の余裕による静粛性・ゆとり・長距離巡航の快適さが魅力です。

特にM-EUは街乗りから高速まで穏やかで、S120クラウンの“落ち着いた高級感”を最も肌で感じられる仕様です。

5M-GEUは希少ながらトルクの厚みとDOHCの伸びを両立しており、走りの楽しさとクラウンの風格を両立させた特別なグレードと言えます。

エンジン選びで重要なのは、スペックだけでなく 「どんな使い方をしたいか」「整備履歴が適切か」 の2点です。

日常用途なら1G-EU、長距離巡航ならM-EU、走りを楽しみたいなら1G-GEUや5M-GEU、希少性を求めるならターボ系というように、用途に合わせて適切な選択ができます。

整備士やオーナーの意見を総合すると、S120のエンジンは総じて堅牢で、適切に手入れされた個体なら現在でも十分に実用可能です。

旧車としては珍しく「エンジンで大きく困りにくい世代」とも言われ、安心して長く楽しめるのがS120最大の魅力のひとつです。


参考リンク

-クラウン