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【フェアレディZ S30】× スカイライン C10 GT!魅力と走りの違いを徹底比較|用途別の選び方ガイド

フェアレディZ S30とスカイライン C10 GTは、同時期の日産を代表するスポーツモデルとして語られることが多い2台です。

どちらもL型エンジンを搭載した系譜を持ち、当時の日本車スポーツ性能を象徴する存在ですが、車体構造・走行特性・装備・用途は大きく異なります。

S30は軽量な2シーターFRスポーツとして誕生し、“走る楽しさ”を徹底的に追求した純粋なスポーツカー。

一方のC10 GTは4ドア/2ドアハードトップの設定を持つ実用性の高いパッケージを基盤としながら、高性能GTとして評価されたモデルです。

どちらも歴史的価値の高い名車ですが、選ぶ際には「どんな使い方をしたいか」によって最適解が変わります。

本記事では、外観・エンジン・性能・走行フィール・維持性などを比較し、S30とC10 GTそれぞれの魅力を丁寧に整理します。

Contents

S30とC10 GTの基本的な立ち位置の違い

フェアレディZ S30とスカイライン C10 GTは、同時期の日産を代表するスポーツモデルであるものの、開発目的・ターゲット層・車体構造のすべてが大きく異なる方向を向いています。

どちらも“走りに強いモデル”という共通点はあるものの、それぞれが果たした役割は明確に異なります。

S30は2シーターFRスポーツとして誕生し、世界市場で戦うことを前提とした純粋なスポーツカー。

一方C10 GTは、スカイラインの実用性を維持しながらGT性能を高めた「ハイパフォーマンス・セダン/ハードトップ」であり、用途や想定ユーザーがまったく違います。

この二台を比較するうえで、まずは“車としての立ち位置”を理解することが重要です。


開発目的の違い

フェアレディZ S30(日本仕様)

  • 世界市場を見据えた2シーターFRスポーツ
  • 軽量ボディ × ロングノーズ・ショートデッキ
  • 欧州スポーツカーへの対抗を意識

スカイライン C10 GT(GT / GT-X など)

  • 実用4ドア/2ドアハードトップをベースにGT性能を付加
  • ファミリー用途とスポーツ性の両立
  • 市街地〜高速巡航まで幅広い実用領域を担当

スポーツ専用車のS30に対し、C10 GTは「実用車ベースの高性能モデル」という位置づけです。


車体構造の違い(最重要ポイント)

項目S30C10 GT
タイプ2シータークーペセダン or ハードトップ
乗車定員2名5名(モデルにより異なる)
ボディの思想スポーツ性最優先実用性+走り

この“車体構造の根本差”が、走り・乗り味・用途すべてを大きく変えています。


想定ユーザーと用途の違い

S30

  • 走りを最優先するユーザー
  • 休日のスポーツドライブ向け
  • 長距離ツーリングよりも「操る楽しさ」を求める層

C10 GT

  • 日常使いからスポーツ走行まで幅広く対応
  • 乗車人数が多く、実用性重視のユーザー
  • 家族用途もこなしつつ、走りも楽しみたい層

用途面での差は明確です。


市場での立ち位置

S30は“純スポーツのスター”

  • 世界で大成功
  • 走行性能・デザインが象徴的
  • コレクション価値が高い

C10 GTは“名門スカイラインの上級スポーティ”

  • 4ドア/2ドアの利便性
  • モータースポーツのイメージも強い
  • 「実用と走りの両立」モデルとして評価

ブランドイメージの育ち方も異なります。


S30 × C10 GT

主要スペック比較表(確認できる範囲のみ)

※値は代表的なカタログ記載値。細かな年式差は「不明」とします。

項目S30(日本仕様)スカイライン C10 GT
全長約4,110mm前後約4,335mm前後(ボディ形状で変動)
全幅約1,630mm約1,595mm
車重約1,020kg前後約1,100〜1,160kg前後
乗車定員2名5名(標準)
エンジンL20 などL20/L20・S20(GT-R)など
排気量約2.0L約2.0L(GT-RはS20エンジン)
駆動方式FRFR
ボディタイプ2シータークーペセダン/ハードトップ

要点まとめ

  • S30は純粋な2シータースポーツ、C10 GTは実用性を備えたGTモデル
  • 車体構造の違いが“用途・乗り味・価値観”すべてを左右する
  • S30は世界的スター、C10は名門スカイラインとして独自の道を歩んだ
  • スペック面でも「軽さとスポーツのS30」「実用性を備えるC10」という構図が明確

両者は“どちらが上か”ではなく、基礎思想そのものが違うため、比較するとそれぞれの魅力がより鮮明になります。

デザイン・ボディ構造の違い

フェアレディZ S30とスカイライン C10 GTは、「スポーツカー」と「スポーティセダン」という立ち位置の違いが、そのままデザインとボディ構造の差として表れています。

どちらも1960年代末〜1970年代の日産を象徴するスタイリングを持っていますが、クルマとしての基本思想は明確に異なります。


ボディタイプの根本差:スポーツ vs セダン/ハードトップ

S30(フェアレディZ)

  • 2シータークーペ
  • ロングノーズ・ショートデッキの典型的スポーツプロポーション
  • 低く構えた全高、ワイドなスタンス
  • 空力を意識した滑らかなファストバック形状

C10 GT(スカイライン)

  • 4ドアセダン/2ドアハードトップの2系統
  • 直線的でスクエアなボディライン
  • 室内空間を優先したパッケージ
  • 実用性とスポーティさを両立させる設計思想

シルエットの段階でまったく別モデルであり、ボディ用途の違いが最も大きな区分点です。


デザインの方向性

S30(Z)

  • 欧州スポーツカーのエッセンスを取り入れた流線型デザイン
  • フェンダーの張り出しと低いボンネットラインが象徴
  • スポーツ走行時の安定性と空力を重視

C10 GT(スカイライン)

  • 直線基調で「ハコスカ」の愛称の由来になったスクエアデザイン
  • 角ばったフェンダーや切り立ったリアデッキが特徴
  • 力強く実用的な雰囲気を大切にしたスタイル

丸み × 流線型のS30と、直線 × 力強さのC10で、造形の思想が対照的です。


車体剛性の違い(一般的傾向)

S30

  • 軽量スポーツカーとして必要な剛性を確保した構造
  • 低い重心と短いホイールベースで軽快な挙動

C10 GT

  • 乗車人数と実用性を前提としたボディで、骨格はより強固
  • 元々のセダン構造のため車体剛性の方向性が異なる

スポーツカーとセダンの違いそのものが剛性面に現れています。


インテリアデザインの違い(特徴のみ)

S30

  • ドライバー中心のスポーツレイアウト
  • 2シーターのためタイトで集中できる空間

C10 GT

  • 乗員全体の居住性を意識した設計
  • 後席スペースを確保した実用的なインテリア

視覚的にも機能面でも「誰のためのクルマか」が明確です。


ボディ構造の比較表(確認できる範囲のみ)

区分S30(日本仕様)スカイライン C10 GT
ボディタイプ2シータークーペセダン/ハードトップ
デザイン方向性流線型/スポーツ重視スクエア/実用性+スポーティ
パッケージングドライバー中心乗員空間重視
車体の思想軽量スポーツ実用+GT性
魅力の軸操作性・スタイル実用性・迫力・歴史性

要点まとめ

  • S30は流線型のスポーツカー、C10 GTはスクエアで実用性を備えたスポーティセダン
  • ボディ構造の違いが用途の差を決定づけている
  • デザインコンセプトが異なるため、外観の方向性は真逆
  • インテリアも「スポーツのS30」「居住性のC10 GT」で明確な違い
  • 両者の魅力は競合ではなく、別カテゴリーとして輝く

デザインとボディ構造を比べるだけでも、S30とC10 GTが「まったく異なるアプローチでスポーツ性を追求した車」であることがよく分かります。

エンジン・性能の違い

フェアレディZ S30とスカイライン C10 GTは、同時期の日産車として共通点のあるエンジン(L型)を搭載するものの、車体構造・用途・重量の違いから、性能と走りの方向性は大きく異なります。

ここでは一次資料で確認できる範囲に絞り、それぞれの特徴を丁寧に整理します。


エンジン構成の違い(確実に言える範囲)

モデル主な搭載エンジン排気量
S30(日本仕様)L20 など約2.0L
C10 GTL20/L20系約2.0L
C10 GT-RS20約2.0L

基本構成はどちらも直6エンジンですが、スカイラインGT-Rのみ「S20エンジン」を搭載し、明確に別格の存在になります。

本記事ではGT-R(S20)は“存在として触れるが性能詳細は不明”という扱いとします。


出力・トルクの違い(年式差により不明部分あり)

当時の出力・トルク値は年式ごとの差が大きく、排ガス規制やキャブ設定などで変動するため数値の断定は行いません。

ここでは確実に言えるポイントに絞ります。

S30(L20搭載車)の特徴

  • 軽快な回転フィール
  • 車重が軽いため体感加速が鋭い
  • 中高回転域の伸びの良さが魅力

C10 GT(L20搭載車)の特徴

  • 実用車ベースのためトルクカーブが扱いやすい
  • 車重がS30より重い分、加速の性格は穏やか
  • 街乗り・高速巡航での扱いやすさを重視した特性

C10 GT-R(S20搭載車)の位置づけ

  • ツインカム・高回転型の特別なエンジン
  • モータースポーツ直系の設計思想
  • S30とは“性格が異なる別カテゴリーの存在”

※詳細数値は年式差があるため不明とします。


車重・ギア比による走りの違い

S30

  • 車重が軽いため加速が鋭い
  • ギア比と車重のバランスがスポーツ寄り
  • 小気味よい回転上昇と反応の速さが特徴

C10 GT

  • 車重が増える分、落ち着いた加速特性
  • 実用性の高いギア比設定(詳細は年式により不明)
  • 乗員や荷物を乗せても安定した走りが可能

性能面では、**「軽快なS30」「万能型のC10 GT」**という構図が浮かび上がります。


音・フィーリングの違い(一般的傾向)

S30(L20系)

  • 軽快なストレート6のサウンド
  • 吹け上がりが気持ちよく、スポーツカーらしい音色

C10 GT(L20系)

  • 安定した音質で扱いやすい性格
  • 車重と遮音の違いにより音の雰囲気も異なる

S20エンジン(GT-R)

  • 高回転を志向した独特のサウンド
  • 日常の性格というより完全に特別枠

エンジン・性能の主要比較表(確認できる範囲のみ)

区分S30(日本仕様)スカイライン C10 GT
エンジン型式L20 などL20/S20(GT-R)
排気量約2.0L約2.0L
車重軽い重い(用途により差)
加速の性格軽快で鋭い落ち着きがあり扱いやすい
回転フィールスポーツ寄り実用寄り(GT-R除く)
音の傾向軽快・スポーティ落ち着いた音質(GT-Rは別格)

要点まとめ

  • S30とC10 GTは同じL型を搭載しても、車重・用途の違いから走りの性格が大きく分かれる
  • S30は軽快でスポーティ、C10 GTは実用性を意識した穏やかな加速
  • GT-R(S20)は特別枠で、比較の基準が異なる
  • 性能そのものより、車の成り立ちが走りを明確に変えている

エンジンと性能を比較するだけでも、Zとスカイラインが“別カテゴリーのスポーツモデル”であることがよく分かります。

走行フィール・乗り味の違い

フェアレディZ S30とスカイライン C10 GTは、同じ日産のスポーツ系モデルでありながら、走行フィールは大きく異なります。

これは車体構造(2シーター vs セダン)、重量バランス、サスペンション設計、用途の違いが直接影響しているためです。

ここでは、確実に一次情報で確認できる範囲に基づき、両者の乗り味の違いを整理します。


S30の走り:軽快で鋭く、純粋なスポーツ性が魅力

特徴

  • 車重が軽く、操舵に対する反応が早い
  • ロングノーズ・ショートデッキによるFR特有の軽快な挙動
  • 路面状況がダイレクトに伝わりやすく、スポーツカーらしいフィードバック
  • 中高回転まで軽く吹け上がるエンジン特性が加速をスポーティに演出

向いている用途

  • ワインディング
  • 休日のスポーツドライブ
  • 「走ること」そのものを楽しむシーン

S30はまさに“スポーツカーに乗る楽しさ”を中心に設計されています。


C10 GTの走り:安定感と実用性を両立したGT的性格

特徴

  • セダン/ハードトップとしての車体構造により、直進安定性が高い
  • 車重があるため動きが穏やかで扱いやすい
  • 乗員を乗せても挙動が安定しやすい設計
  • 街中・巡航・日常使いでの扱いやすさが強み

向いている用途

  • 日常走行
  • 高速巡航
  • 乗員を乗せた移動
  • 都市部での走行

C10 GTは“実用をこなしつつ走りも楽しめるGT”としての性格を備えています。


ステアリングフィールの違い

S30

  • 軽快でクイック
  • 小さな操作にも反応しやすい
  • 路面からの情報が多い

C10 GT

  • 操作に対する反応が穏やか
  • 重量がある分、どっしりと落ち着いたフィーリング
  • 長距離で疲れにくい方向性

乗り心地の違い

S30

  • スポーツ寄りで硬めの乗り味
  • 路面の凸凹を拾いやすいが、それも“味”とされる

C10 GT

  • サスペンションは実用性寄りでマイルド
  • 乗員が複数いても快適性が保たれやすい
  • 長時間運転でも疲労が出にくい設定

高速安定性の違い

  • S30:軽さとスポーツ性ゆえ、高速域では挙動が緊張しやすい
  • C10 GT:セダン構造と重量により、高速巡航が安定

これは車体構造と用途の差がそのまま現れた部分です。


走行フィール比較表(確認できる範囲)

区分S30(日本仕様)スカイライン C10 GT
性格純スポーツ実用+GT
ステアリング軽快・ダイレクト落ち着き・安定
乗り心地硬めでスポーティマイルド/長距離向け
高速安定性やや緊張感あり直進安定性に優れる
適した用途ワインディング/スポーツ走行街乗り/高速巡航/複数人利用

要点まとめ

  • S30はスポーツカーらしい軽快性が魅力
  • C10 GTは実用面・安定性に優れ、日常用途を幅広くカバー
  • 走りの違いは「車体構造」「重量」「用途」に起因
  • 比較すると、両者の設計思想の違いがフィーリングに強く反映されている

走行フィールの違いを見ると、二台が“どんな場面で輝くか”が明確で、旧車としての楽しみ方もはっきり分かれています。

実用性・室内空間・用途の違い

フェアレディZ S30とスカイライン C10 GTは、車としての設計目的が根本から異なるため、実用性や室内空間には大きな差があります。

どちらも歴史的名車である点は共通していますが、「普段どのように使いたいか」で最適な選択がはっきり分かれます。


室内空間の違い:2シーター vs 5人乗り

S30(フェアレディZ)

  • 2シーター専用構造
  • ドライバー中心のタイトな空間
  • リアシートが無く、荷物スペースは限られる
  • コックピット感が強く、運転への集中を優先

C10 GT(スカイライン)

  • 4ドアセダンまたは2ドアハードトップ
  • 最大5名が乗車可能(モデルによる)
  • 後席も含めた実用性を確保
  • 家族での移動や日常用途に強い

室内空間の違いは“設計思想そのもの”が現れる最も分かりやすいポイントです。


荷室容量・積載性の違い

S30

  • トランク容量はスポーツカーとしては確保されているが、開口部は小さめ
  • 旅行や日常買い物に対応できるが大量積載は難しい
  • 形状が独特で、積める物が限られる場合あり

C10 GT

  • セダン/ハードトップのためトランクも大きく実用的
  • 普段使い・買い物・旅行に向いている
  • 荷物を多く積む用途でも余裕がある

この差は「旧車を日常に使うかどうか」の判断材料になります。


乗車人数と使い方の幅

用途S30C10 GT
家族利用不向き向いている
友人との移動2名のみ最大5名
趣味のドライブ非常に向いている向いている
通勤・日常利用使えなくはないが制約多め現実的で扱いやすい

C10 GTは“旧車を日常使いしたい人”に現実的
S30は“走り中心の趣味用途”に最適

といった構図が明確に見えます。


視界・ドライブポジションの違い

S30

  • 着座位置が低く、スポーツカーの視界
  • 長いノーズが特徴
  • 低いアイポイントで路面との一体感を強く感じる

C10 GT

  • セダンに近い自然な視界
  • アイポイントが高く、見切りが良い
  • 取り回しがしやすい

街中での使いやすさではC10 GTが優位です。


用途別の適性(確実に言える範囲)

  • ロングツーリング
     → C10 GT(乗員・荷物・快適性が有利)
  • ワインディング/スポーツ走行
     → S30(軽快・2シーターの楽しさ)
  • 日常走行・通勤
     → C10 GT
  • 週末の趣味用途だけで使う
     → S30
  • 家族で旧車を楽しみたい
     → C10 GT

実用性・用途の比較表(確認できる範囲)

区分S30(日本仕様)スカイライン C10 GT
室内空間2名用・タイト広く実用的(最大5名)
荷室最低限確保セダンとして十分
視界低いスポーツ視界見切り良好
日常性制約が多い高い
趣味性非常に高い高いが用途が広い

要点まとめ

  • S30は“純スポーツカーの居住性と使い方”で、用途が明確に限定される
  • C10 GTは“旧車でも普段使いできる”利便性を備えている
  • 家族や荷物と移動するかどうかで選択は大きく変わる
  • 室内空間と用途を見るだけで、二台の性格が明確に分かれる

実用性の比較は、S30とC10 GTの設計思想の違いを理解するうえで非常に重要で、それぞれの“使い方の未来像”をイメージする手助けになります。

維持費・部品入手性の違い

フェアレディZ S30とスカイライン C10 GTは、同年代の日産車であり共通部品も多いものの、「ボディ構造」「流通量」「需要層」の違いから、維持費と部品入手性に明確な差が生まれます。

いずれも旧車として維持には慎重さが求められますが、傾向を理解しておくことで購入後の負担を見積もりやすくなります。

ここでは一次資料や市場実態に基づき、確実に言える範囲に限定して整理します。


消耗品の入手性(共通が多く維持しやすい)

共通して比較的入手しやすい部品

  • L型エンジンの基本消耗品(プラグ、オイルフィルター、ベルト類など)
  • 一部のミッション・デフ関連の消耗部品
  • ブレーキ系統の部品(年式差はあるが共通構造が多い)

S30・C10 GT共通で供給されているリプロ品があるため、基本的な整備に困る場面は少ない傾向があります。


外装パーツの入手性(大きな違いが出る部分)

S30(フェアレディZ)

  • 国内人気・海外人気が高くリプロ品が豊富
  • ただし純正外装は希少で高騰中
  • エンブレム・モール類など良品確保が難しい

C10 GT(スカイライン)

  • ハコスカ系も人気が高くリプロ品は比較的揃う
  • ただしGT・GT-X・GT-R系で外装形状が異なる場合があり注意が必要
  • 外装の純正品はS30同様に希少で高価化

両者とも純正外装パーツは状態により価格差が大きく、入手難度は高めです。


GT-R(S20エンジン搭載車)の特殊性

C10 GT-Rは外装・内装・機構部品が専用設計のものが多く、**“維持費が別世界になる”**ことは確実に言えます。

本記事ではGT-R専用部品の詳細には触れませんが、S20関連は希少性が極めて高いため、「維持コストは大幅に増える」とだけ明確に述べておきます。


ボディ・錆修理の維持費

S30もC10 GTも、旧車として避けられないのが錆問題です。

共通して注意すべきポイント

  • フロア
  • サイドシル
  • ストラットタワー
  • リアフェンダー周辺
  • トランク・ハッチ周り

錆の程度次第で修理費用が大きく変動し、車両価格以上の費用が必要になる場合もあるため、個体の状態を重視する必要があります。


部品入手ルートの違い

S30

  • 国内外に専門店が多く、部品供給ルートが確立
  • 海外人気が高いため中古部品も豊富

中古パーツ例:
ヤフオク(中古パーツ)
https://auctions.yahoo.co.jp/

C10 GT

  • 国内供給は一定数あるが、良品確保が難しくなりつつある
  • 2ドア/4ドア、GT/GT-X、GT-Rなど仕様差が多く、部品選定に注意が必要

実際の維持費の傾向(確実に言える範囲)

  • 消耗品は大差なし(共通部品が多いため)
  • 外装部品はどちらも高騰傾向
  • C10 GTは仕様差が多く、部品選びに時間がかかる場合あり
  • S30は海外人気のため部品供給は豊富だが、価格も上昇中
  • 良質な個体ほど維持費を抑えやすい(どちらも共通)

維持費・部品入手性の比較表(確認できる範囲)

区分S30(日本仕様)スカイライン C10 GT
消耗品入手しやすい入手しやすい
外装部品リプロ多い/純正高騰リプロ多いが仕様差注意/純正高騰
中古部品海外流通豊富国内中心/状態差が大きい
錆修理重要重要
維持難度個体依存/比較的わかりやすい個体差と仕様差で手間が増える

要点まとめ

  • S30・C10 GTともに“消耗品は入手しやすいが外装は難しい”という傾向は共通
  • C10 GTは仕様差が多く、部品選定の難易度が高い場合がある
  • S30は海外人気が非常に高いぶん、部品の流通量は豊富だが価格も上昇
  • 錆修理費が維持費を大きく左右する点は両者共通
  • どちらも良質な個体を選べば長期維持が現実的になる

維持性の違いを見ることで、購入後の負担や“どちらが自分に向いている車か”がより明確になります。

よくある質問

Q1. S30とC10 GTでは、どちらの方が維持費を抑えやすいですか?

維持費は個体差が非常に大きいため一概には言えませんが、傾向としては 部品選びの複雑さが少ないS30の方が維持計画を立てやすい と言えます。

C10 GTはグレードや仕様が多く、外装部品の形状違いに気づかず合わないケースがあるため、整備の手間が増える場面があります。

ただし、どちらも「錆の少ない個体」を選ぶことで維持費を大幅に抑えられます。

Q2. 普段使いするならS30とC10 GTのどちらが向いていますか?

日常用途を考えるなら C10 GTが圧倒的に現実的 です。

室内空間が広く、荷物も積めて乗り心地も比較的マイルド。

S30は走る楽しさは格別ですが、2シーターの制約や乗り心地の硬さが日常使用では負担になることがあります。

Q3. 初めて旧車に乗る人にはどちらがおすすめですか?

初めてなら C10 GTの方が扱いやすい 場合が多いです。

視界が良く、動きが穏やかで、運転に余裕が持てます。

S30はスポーツ性が高く魅力的ですが、車体の挙動が敏感なため、旧車に慣れていない人には緊張しやすい場面があります。

Q4. 部品の手配で困るのはどちらの車ですか?

どちらも外装部品は入手困難ですが、C10 GTの方が仕様違いによる“選び間違い”が起こりやすい点で難しさがあります。

一方でS30は海外流通が多いぶん、中古部品の選択肢が多いというメリットがあります。

Q5. 走行性能の満足度はどちらが高いですか?

純粋な「走る楽しさ」を求める場合は S30の方がスポーツカーらしい満足感が高い 傾向があります。

軽快で反応が鋭く、ワインディングでの楽しさが際立ちます。

C10 GTは穏やかな挙動で、長距離や街乗りでの快適性が魅力です。

Q6. 長距離ドライブにはどちらが向いていますか?

長距離で疲れにくいのは C10 GT です。

サスペンションの性格や室内空間の余裕が快適性につながります。

S30は走りの楽しさはあるものの、低い seating ポジションや硬めの乗り心地が長距離では疲労につながる場合があります。

Q7. 車検・整備で注意すべき点はありますか?

どちらも50年以上前の車のため、錆・足回り・燃料系・ブレーキ系の点検が最重要です。

加えて、年式や地域によって保安基準の判断が異なるため、検査前には専門ショップで現車に合わせた確認が必須です。

Q8. パーツショップに迷ったときはどうすれば良いですか?

まずは消耗品やリプロ品の扱いがある 実在ショップに相談する のが安全です。

特にS30は海外製リプロが多いため、品質の確認を行ってから購入すると安心です。

Q9. 中古部品はどこで探すのが一般的ですか?

国内では ヤフオクやメルカリ が一般的です。

特に外装部品は状態差が大きく、写真や説明文をよく確認する必要があります。

ヤフオク(中古パーツ)
https://auctions.yahoo.co.jp/

Q10. 将来価値を期待できるのはどちらですか?

将来価値は市場動向で変動しますが、S30・C10 GTともに長期的な人気が継続しているカテゴリーです。

海外人気の強さはS30、国内市場の支持の強さはC10 GTに見られます。

ただし、将来価値を期待するなら“錆の少ない個体”“整備履歴の明確な個体”を選ぶことが何より大切です。

まとめ

フェアレディZ S30とスカイライン C10 GTは、同じ日産の名車でありながら「設計目的」「走り」「実用性」が大きく異なるモデルです。

S30は軽快なスポーツ性を前面に出した2シーターで、走る楽しさを純粋に味わえる構成が魅力です。

一方のC10 GTは、実用性と快適性を備えたセダン/ハードトップで、日常使用から長距離移動まで幅広く対応できます。

維持費や部品入手性に関しては共通点が多いものの、C10は仕様差の多さから部品選択の難しさが出る場面があります。

S30は海外人気により部品流通は豊富ですが、純正品は希少で価格が上昇傾向。

いずれも旧車では“良質な個体を選ぶこと”が最も大きな維持コストの削減につながります。

用途で選ぶなら、スポーツ走行や週末の趣味性を重視する人にはS30が向き、家族や荷物を乗せる機会が多かったり、日常使いを想定するならC10 GTが適した選択となります。

それぞれが異なる魅力を持つため、「自分が旧車とどんな時間を過ごしたいか」を基準にすると後悔しにくいです。

資料を見比べていると、どちらの車にも当時の雰囲気や時代性が鮮明に感じられて、今も愛され続けている理由がよく伝わってきます。

直線的なラインやシンプルな設計は今見ると逆に新鮮で、この時代の車にしかない魅力があるように思います。

参考リンク

日産フェアレディZ(S30)カタログ情報(装備・スペック)
https://kurumacatalog.com/nissan-fairlady-z/

Nissan Fairlady Z (S30)(英語 Wikipedia)
https://en.wikipedia.org/wiki/Nissan_Fairlady_Z_%28S30%29 Wikipedia

日産・フェアレディZ(初代S30を扱ったカタログ本/所蔵情報) *全国の図書館で利用可能(国立国会図書館サーチ)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I025046841

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