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【フェアレディZ S30】×カローラレビンTE27!スペック・スポーツ性の違いを徹底比較

日産フェアレディZ S30とトヨタ・カローラレビンTE27は、1970年代を代表する国産スポーツの象徴ですが、そのスポーツ性の“方向性”は大きく異なります。

S30が直列6気筒を搭載したロングノーズ・ショートデッキのピュアスポーツである一方、TE27は軽量・高回転型の直列4気筒を核とした“小排気量ライトウェイトスポーツ”です。

どちらも当時のモータースポーツシーンで存在感を放ちましたが、走行フィール、車体設計、操縦性、レースでの役割はまったく異なり、購入検討時の視点も変わってきます。

旧車として維持する際も、S30は車格と重量による部品構造の複雑さがあり、TE27は軽量ボディゆえの腐食リスクや高回転エンジン特有の注意点が存在します。

どちらが優れているという単純な比較ではなく、「どのようなスポーツ性を求めるか」が選択の基準となる車種です。

この記事では、一次資料に基づき、両車の走行性能・エンジン特性・車体設計・走りのキャラクターの違いを整理し、「スポーツ性の方向性」という観点から丁寧に比較します。

最後まで読むことで、あなた自身が求める“スポーツカー像”にどちらが当てはまるのか見えてくるはずです。

Contents

両車の基本スペック比較とスポーツ性の立ち位置

フェアレディZ S30とカローラレビンTE27は、同じ1970年代前半に登場した国産スポーツですが、企画段階から優先するスポーツ性の方向性がまったく異なります。

S30はロングノーズ・ショートデッキの本格スポーツで、直列6気筒エンジンを搭載した“中排気量FRスポーツ”として企画されました。

一方、TE27は軽量ボディと高回転型4A型エンジンを核とした“小排気量ライトウェイトスポーツ”であり、車格・重量・パワーが異なるため、同じ“速さ”を追求していてもアプローチが根本的に違います。

まずは一次資料に基づく主要諸元を整理し、両車がどのような立ち位置にあるスポーツカーなのかを明確にします。

主要諸元(代表値)

項目フェアレディZ S30(L20型)カローラレビン TE27(2T-G型)
全長約4,115mm約3,955mm
全幅約1,630mm約1,600mm
全高約1,280mm約1,310mm
車両重量約1,040kg前後約900kg前後
エンジンL20型 直列6気筒 OHC2T-G型 直列4気筒 DOHC
排気量1,998cc1,588cc
最高出力約130PS前後約115PS前後
駆動方式FRFR
生産台数不明(多数)不明(多数)

※年式・グレードにより数値は変動
※両車とも生産累計の正確な公的資料が残っていないため「不明」と表記。

スポーツ性の“立ち位置”の違い

  • S30:中排気量FRスポーツ
     直6の余裕あるトルクと重量感を生かした、伸びのある走りが得意。
     車格は大きめで、ワイドスタンスから来る安定性も特徴。
  • TE27:ライトウェイトスポーツ
     重量の軽さと高回転型2T-Gを活かし、“軽さで走る”方向性。
     コーナー主体、ワインディング志向のスポーツ性が強い。

スポーツ性における両車の比較観点

  • エンジンのキャラクター
  • 車体重量とレスポンス
  • ハンドリングでの性格
  • スピードの質(余裕のS30、回す楽しさのTE27)
  • 実用域での扱いやすさ

こうして諸元を並べると、“スポーツ性をどう表現するか”の方向性が大きく異なることが見えてきます。

排気量・重量・エンジン形式が違うため、比較の軸は「速さ」よりも「スポーツ性の性格」に置くのが自然です。

要点まとめ

  • S30は直6を活かした中排気量FRスポーツ。余裕ある加速と安定性が特徴。
  • TE27は軽量ボディと高回転型エンジンによるライトウェイトスポーツ。
  • 両車は“速さそのもの”より、“スポーツ性の方向性”が本質的な比較ポイントとなる。

同じ年代のスポーツカーでも、こうして並べるとキャラクターがまったく違っていて面白いですね。

S30のロングノーズの伸びやかさと、TE27の小気味よいコンパクト感は、それぞれ違う魅力があると感じます。

エンジン特性とスポーツ性の方向性

フェアレディZ S30とカローラレビンTE27は、どちらもFRスポーツとして人気を得たモデルですが、エンジンの性格がまったく異なります。

S30は中排気量の直列6気筒OHC、TE27は小排気量の直列4気筒DOHC。この違いが“どのようにスポーツ性を発揮するか”に大きく影響し、走りの味わいは根本的に変わります。

フェアレディZ S30(L20型ほか)

  • 直列6気筒ならではの滑らかさ
  • 中回転域のトルクが厚く、余裕ある加速
  • 低速〜中速の扱いやすさが良い
  • エンジン音は重厚で、回した際の伸びも自然
  • キャブ形式・仕様年代で性格が変わるが、全体的にフレンドリーな特性

S30のL型エンジンは、日常領域でも扱いやすく、一定のトルクがあるため、加速時の余裕が「大人のスポーツ」という印象を強めます。

カローラレビン TE27(2T-G型)

  • 高回転型DOHCの典型
  • 排気量が小さい分、回してパワーを引き出すタイプ
  • 4気筒らしい鋭いレスポンス
  • 軽量ボディとの組み合わせにより“軽快感”が際立つ
  • トルクよりも回転の伸びを楽しむスポーツ性

2T-Gは当時の国産小排気量DOHCの象徴で、アクセルを踏み込むほどに「回転を使って走る」感覚が得られます。

エンジンキャラクターの違いを整理

観点S30(L20型)TE27(2T-G型)
フィーリング滑らか・重厚鋭い・軽快
トルク特性中回転域が太い低速は控えめ、高回転で力を出す
回転の伸び素直で滑らか高回転で一気に盛り上がる
重量との相性重量級ボディとのマッチングが良い軽量ボディでレスポンス重視
性格余裕のある「GT寄りスポーツ」回して楽しむ「ライトウェイトスポーツ」

スポーツ性の方向性

  • S30:トルクと伸びで“余裕ある速さ”を作るスポーツ性
  • TE27:軽さと高回転で“キビキビ走る楽しさ”を作るスポーツ性

どちらも魅力的ですが、求めるスポーツ性のタイプが完全に違うため、購入目的によって評価が変わるポイントです。

要点まとめ

  • S30は中回転域のトルクと直6の滑らかさが魅力で、余裕あるスポーツ性。
  • TE27は高回転域が本領で、軽さを活かしたキビキビしたスポーツ性。
  • “速さ”ではなく“スポーツ性の方向性”が両車の本質的な比較軸になる。

エンジンの資料を眺めていると、L型の重厚感と2T-Gのキレ味の違いがとても印象的です。

それぞれに独自の良さがあって、どちらも当時の技術力を感じさせる作りだと思います。

車体設計・重量・ハンドリングの違い

フェアレディZ S30とカローラレビンTE27の走りの性格を決める大きな要素が、「車体重量」「重心」「サスペンション構造」の違いです。

S30は“ロングノーズ・ショートデッキ+直6”という本格スポーツの構成で、車体も大きく重量もある程度ある一方、TE27は“軽量・コンパクト・高回転”のライトウェイト設計の典型。

両車の違いは走行フィールに直結します。

車体設計の違い

フェアレディZ S30

  • ロングノーズ構造による高速安定性
  • 車体剛性は当時としては十分だが、重量がある分落ち着いた挙動
  • 前後ストラットのシンプルな足回り

カローラレビン TE27

  • 軽量モノコックボディでレスポンス重視
  • コンパクトな車体により、コーナー進入が軽快
  • 後輪はリジッドアクスル(トルク感ある挙動)

サスペンション構造の違いと性格

項目S30TE27
フロントストラットストラット
リアストラットリジッドアクスル
性格安定志向・素直軽快・キビキビ・挙動がダイレクト

リアの違いが走行フィーリングに大きく影響し、S30は“しっとりした動き”、TE27は“リアの動きを使って曲がる感覚”が強いスポーツ性となります。

車体重量と重心

  • S30:約1,040kg前後
     直6エンジンの重量もあり、落ち着いた挙動。安定性が高く中高速域でメリットが大きい。
  • TE27:約900kg前後
     軽量で重心も低めのため、ワインディングでのヒラリとした動きが特徴。パワーより軽さで走る設計。

ハンドリングの方向性

S30

  • 重量がある分、ステアリング操作は落ち着いた印象
  • 高速道路や中速コーナーで安定性が光る
  • “ラインをトレースする”スポーツ性

TE27

  • 軽快でキビキビした反応
  • 低速〜中速コーナーが得意
  • リジッドの挙動も含めて“車を積極的に操る”楽しさがある

スポーツ性としての違いを整理

観点S30TE27
得意シーン高速道路・中高速コーナーワインディング・タイトコーナー
操作の印象落ち着き・安定俊敏・軽快
スポーツ性の方向性“余裕ある安定スポーツ”“回して曲がるライトウェイト”

要点まとめ

  • S30は直6の重量を活かした“安定性重視”のスポーツ性。
  • TE27は軽量ボディとリジッド後輪で“軽快に操る”スポーツ性。
  • 得意な走行シーンが異なり、求めるスポーツの質によって評価が分かれる。

こうした車体の設計思想を比べると、両車が“同じスポーツカーでもまったく違う走りを目指していた”ことがよく分かりますね。

軽快さと安定性の違いは、資料を見ているだけでも想像しやすい魅力があります。

モータースポーツでの性格と実力比較

フェアレディZ S30とカローラレビンTE27は、ともに1970年代のモータースポーツで活躍した車種ですが、求められた役割・強み・戦うステージは大きく異なります。

S30は“中排気量・高出力を活かした本格スポーツ”として国際レースでも存在感を発揮し、TE27は“軽量・高回転・小排気量クラスでの俊敏さ”を武器に国内競技で多数の結果を残しました。

両車のスポーツ性がどのように競技へ反映されたかを整理します。

フェアレディZ S30のモータースポーツでの性格

  • 排気量・車格を活かし、耐久レースや高速ステージで強みを発揮
  • 直6エンジンのトルクと伸びにより、ロングコースで安定した速さ
  • 車体が大きく安定性が高いため、高速域での操縦性が強み
  • 北米市場では240Zとしてレース活動が盛んだったことが知られる

S30は“速さの質”が直線・中高速域に適しており、安定したスポーツ性が評価されるモデルでした。

カローラレビン TE27のモータースポーツでの性格

  • 軽量・高回転エンジンの組み合わせが国内ラリーで高評価
  • 小排気量クラスでの戦闘力が高く、機敏な動きが武器
  • コーナー主体のステージで強く、ワインディング向けのスポーツ性
  • 2T-GのDOHCエンジンは回転の伸びに優れ、クラス上位の性能を発揮

TE27は“軽さを使ったスポーツ性”が競技でそのまま強みとなり、特に国内ラリーでの動きの軽快さが特徴的でした。

得意ステージの違い

ステージS30TE27
高速ステージ
タイトコーナー
ロングコース
小排気量クラス競技×
国際競技△(クラスにより)

このように、両車は“速さをどこで出すか”の方向性がまったく異なり、スポーツ性の性格が競技内容に応じて明確に表れています。

スポーツ性の視点でのモータースポーツ比較

  • S30:速度域の高いステージでの安定性が強み。直6を活かした余裕のある走り。
  • TE27:低〜中速のコーナーで俊敏さを生かす。回して曲がるライトウェイトの醍醐味。

要点まとめ

  • S30は高速域での安定性と中排気量スポーツとしての余裕がモータースポーツで活きる。
  • TE27は軽量・高回転のスポーツ性がそのまま小排気量クラスの競技で強みとなる。
  • 両車の競技結果は“スポーツ性の方向性”が異なることを示す良い例といえる。

レース資料を見ていると、両車がそれぞれの得意ステージでしっかりと結果を出していたことがよく分かります。

スポーツカーとしての個性が競技での役割に直結している点が、とても興味深いと感じます。

普段乗り・維持性から見るスポーツ性の実用幅

フェアレディZ S30とカローラレビンTE27は、ともにスポーツモデルとして人気がありますが、「普段乗りのしやすさ」や「維持性」の観点で見ると性格が大きく異なります。

スポーツ性の方向性は、そのまま日常での扱いやすさにも影響し、どちらの車がライフスタイルに合うかを判断する重要な材料になります。

普段乗りにおける扱いやすさ

フェアレディZ S30

  • 車格が大きめで、視界は良いものの取り回しはやや重め
  • 直6エンジンのトルクがあるため、日常速度域でも扱いやすい
  • ハッチバック構造により収納性が高く、実用性は比較的良い
  • 騒音・振動は旧車としての標準レベル

S30は“スポーツカーとしては実用性が高い”ことで評価されることも多く、日常にも取り入れやすいキャラクターです。

カローラレビン TE27

  • 車体が軽くコンパクトで、街中での取り回しが非常に楽
  • ただし2T-Gは低速トルクが薄く、日常走行ではギア選びに気を遣う
  • 室内・荷室は小さめで実用性は必要最小限
  • 振動・騒音は軽量ボディゆえに感じやすい

TE27は“走ることを楽しむ日常用スポーツ”という位置づけが近い印象です。

維持性とスポーツ性の関係

維持しやすさはスポーツ性とは直接関係しないように見えますが、「どの回転域を多用するか」「重量に応じた負荷がどの程度か」といった観点でスポーツ性と密接に繋がります。

S30の維持性

  • L型エンジンは耐久性が高く、部品供給も比較的安定
  • 車格が大きいため、足回りやブレーキの負荷はそれなりにある
  • 腐食対策(サイドシル・フロア)は必須

TE27の維持性

  • 2T-Gは高回転型ゆえにメンテナンス頻度がやや多い
  • 軽量なため、足回り・ブレーキの負担は比較的軽い
  • ボディ腐食(特にフェンダーアーチ・サイドシル)は注意点

実用域でのスポーツ性の違い

  • S30:中回転域のトルクが日常走行でも活かせる“実用スポーツ”。
  • TE27:回転を使って走る楽しさが出るのは一定以上の速度域。“走りを楽しむ”ためのスポーツ。

スポーツ性の実用幅の整理

観点S30TE27
普段乗り適性高め中程度
扱いやすさトルクで扱いやすい軽快だがギア選びがシビア
実用性荷室が広く便利最小限の実用性
維持しやすさ部品供給が良い小排気量ゆえ負荷は軽いが部品は減少傾向

要点まとめ

  • S30はスポーツ性と実用性のバランスが良く、普段乗りでも扱いやすい。
  • TE27は走りに特化した軽快なスポーツ性が魅力だが、日常の適性はS30に比べると控えめ。
  • 維持しやすさ・スポーツ性の方向性を踏まえると、ライフスタイルによって適車は大きく変わる。

実用性の資料を見ていると、S30は“旧車にしては気軽に乗れるスポーツ”という評価が腑に落ちます。

対してTE27は“走りの楽しさを優先する人のためのライトウェイト”という印象が強いですね。

購入前に理解すべき「スポーツ性の相性ポイント」

フェアレディZ S30とカローラレビンTE27は、どちらも1970年代を代表するスポーツモデルですが、「スポーツ性の方向性」がまったく異なります。

そのため購入前には、自分が求めるスポーツカー像と両車の性格が合っているかを確認することが大切です。

ここでは、実際の選択を左右する“相性のポイント”を整理します。


1. エンジンフィールとの相性

スポーツカー選びで最も分かれやすいポイントです。

S30(直列6気筒)

  • 滑らかで重厚
  • トルクで余裕を持って走る
  • 高回転まで自然に伸びる

TE27(直列4気筒 DOHC)

  • 回して楽しむタイプ
  • 2T-Gらしい鋭いレスポンス
  • トルクより回転フィーリングを重視

相性の基準

  • 「太いトルク」が好き → S30
  • 「回して操る楽しさ」を重視 → TE27

2. 車体サイズ・取り回しの好み

普段乗りの印象にも直結します。

S30

  • やや大柄で安定感が強い
  • 重厚な動きを好む人に向く

TE27

  • 小柄で運転が楽
  • ワインディング主体で楽しむ人に向く

相性の基準

  • 長距離・中高速が多い → S30
  • 山道・街中が多い → TE27

3. スポーツ性に求める方向性

スポーツ性の“理想像”で選ぶポイント。

求める方向性合う車種
安定した高速巡航S30
キビキビしたコーナリングTE27
落ち着いたスポーツ感S30
軽快・回転フィール重視TE27

4. 維持性・部品供給とのバランス

どれだけ走りに集中できるかという観点も重要です。

S30

  • 部品供給が比較的良い
  • L型エンジンは耐久性が高い

TE27

  • 年式的にボディ腐食が進んだ個体が多い
  • 2T-G系の部品は減少傾向

相性の基準

  • 長期維持の安心感を重視 → S30
  • メンテナンスも含めてスポーツ性を楽しみたい → TE27

5. 走りの“余裕”か、“軽快さ”か

結局のところ、両車の大きな違いはここに集約されます。

  • S30:余裕のある伸びやかなスポーツ性
  • TE27:軽快で操る楽しさが中心のスポーツ性

この“走りの質”が、自分の感性に合うかどうかが最大のポイントです。


要点まとめ

  • 直6の余裕あるスポーツ性が好きならS30。
  • 高回転・軽快なライトウェイトの楽しさが好みならTE27。
  • 普段乗り・維持性の現実性ではS30がやや優位。
  • ワインディング主体の走りを求めるならTE27の性格が合う。

両車の資料を見比べていると、本当に“スポーツ性の方向性”が全然違うのが面白いですね。

どちらも魅力的ですが、走りに対して何を求めるかで選ぶポイントが自然と変わってくるように思います。

よくある質問

Q1. 日常で乗りやすいのはS30とTE27のどちらですか?

日常での扱いやすさはS30が優位です。

直6エンジンのトルクがあり、低〜中速でも余裕を持って走れるため、街乗りでストレスが少ないのが特徴です。

TE27は軽快で取り回しは良いものの、高回転型エンジンゆえにギア選びが必要で、日常走行ではやや気を遣う場面があります。

Q2. ワインディングを楽しみたい場合はどちらが向いていますか?

軽快さと回転フィールを楽しみたいのであればTE27が向いています。

軽量ボディと高回転型2T-Gの組み合わせは、タイトなコーナーが続く道で魅力が最大限発揮されます。

S30はトルクを活かした安定した走りで、中〜高速コーナーを得意とします。

Q3. 部品供給はどちらが良いですか?

一般的にはS30の方が安定しています。L型系の補修パーツやリプロ品が国内外で流通しており、選択肢が多いのが利点です。TE27も流通はありますが、2T-G関連は徐々に減少傾向で、個体によっては探すのに時間がかかる場合があります。

Q4. 維持費はどちらがかかりますか?

相対的に見ると、S30の方が維持費の見通しが立てやすいです。

TE27はエンジンが高回転型で調整頻度がやや多く、ボディ腐食が進んだ個体もあるため、個体差による費用の振れ幅が大きくなります。

Q5. 初めて旧車に乗る場合、どちらがおすすめですか?

初心者にはS30が適しています。

部品供給や整備性が比較的良く、車両特性も扱いやすい傾向があります。

TE27は軽快で楽しいものの、エンジン特性やボディ状態の個体差に応じた注意が必要です。

Q6. 高速道路での安定性はどうですか?

高速安定性はS30が優れています。

車格と重量があるため、直進性や中高速域の安定感が強く、長距離走行にも向いています。

TE27は軽量ゆえに風の影響を受けやすく、高速域での余裕はS30ほどではありません。

Q7. 改造の自由度はどちらが高いですか?

S30は海外市場(240Zなど)の存在により、カスタム部品や社外品が豊富で自由度が高い傾向があります。

TE27も改造文化がありますが、部品の選択肢はS30ほど多くありません。

Q8. 走らせて楽しいのはどちらですか?

どちらも違った意味で楽しいですが、性格が異なります。

S30は直6の余裕ある加速や伸びのあるフィーリングを楽しめます。

一方、TE27は軽さと高回転エンジンの組み合わせによる“操る楽しさ”が大きな魅力です。

Q9. 資産価値はどうですか?

資産価値については、個体状態と市場動向に左右されやすく、どちらが上と断定できません。

ただし、TE27は良質個体が減少傾向にあり、状態の良い車は評価が高まりやすい傾向があります。

S30も人気が高く、状態の良いオリジナル個体は価値が維持されやすいです。

Q10. ロングドライブ向きなのはどちらですか?

ロングドライブはS30が向いています。

直6の余裕、車格による安定性、ハッチバックの実用性などが長距離向きです。

TE27は軽快ですが、長距離ではエンジン回転が高めになりやすく、快適性ではS30に軍配が上がります。


まとめ

フェアレディZ S30とカローラレビンTE27は、同じ時代の国産スポーツながら、スポーツ性の方向性が大きく異なります。

S30は直列6気筒の余裕あるトルクと安定性を武器とした“伸びやかなスポーツ性”が魅力で、普段乗りから高速走行まで幅広く使える懐の深さを持っています。

一方、TE27は軽量ボディと高回転型2T-Gエンジンにより、“キビキビとしたライトウェイトらしいスポーツ性”が際立ち、タイトなコーナーが続くワインディングでこそ本領を発揮します。

購入を検討する際は、自分が求める走りのスタイルを明確にすることが重要。

安定した走りと実用性を両立したいならS30、回して操る楽しさを求めるならTE27が候補となるでしょう。

部品供給や維持性の観点でも違いがあり、特に長期維持のしやすさではS30がやや優位。

どちらの車も当時のスポーツカー文化を象徴する存在であり、性格の違いが魅力としてはっきり表れています。

資料を読み込むほどに、両車が目指したスポーツ性の方向性が鮮明に伝わってくるように感じます。


参考リンク

トヨタ自動車 1973年 カローラレビン(TE27) カタログ
https://www.toyota.co.jp/

日産自動車 フェアレディZ(S30)当時カタログ(国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/

ヤマハ発動機 技術資料:2T-Gエンジン
https://www.yamaha-motor.co.jp/

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