フェアレディZ S30は、国産スポーツカーの中でも特に人気が高く、国内だけでなく海外でも評価が上昇し続けている一台です。
そのため中古車相場は非常に広く、状態が悪い個体からレストア済みの高品質車まで、数百万円単位の価格差が生まれています。
また、国内仕様・輸出仕様(Datsun 240Z/260Z/280Z)、オリジナル度、改造内容、整備履歴の有無といった要素も、相場に強く影響します。
この記事では、2025年時点で確認できる実在の販売価格やオークション落札情報をもとに、S30の中古車相場を「状態別・仕様別・市場別」に体系的に整理します。
さらに、価格差が出る理由や、購入時に注意すべきポイントも深掘りし、現在の市場で“妥当な価格帯”を見極めるための指針をまとめました。
これからS30を探す方が、過剰な価格や不適切な個体を避けつつ、適正な判断ができるよう構成しています。
Contents
S30中古車相場の全体像(2025年最新データ)
フェアレディZ S30(国内仕様・輸出仕様含む)は、2020年代に入り価格が大きく上昇した車種のひとつです。
特に海外需要の高まりと、国内で残存している良質な個体の減少により、中古車市場では「状態による価格差が極端に大きい」状況が続いています。
この項目では、2025年時点で確認できる実在の中古車販売情報とオークション実績をもとに、S30の相場を俯瞰します。
1. 国内中古車販売サイトでの実勢価格帯
大手中古車サイト(カーセンサー等)に掲載された実在のS30を基準にすると、価格帯は下記のように幅広く分布しています。
| コンディション・仕様 | 中古車販売価格の目安 |
|---|---|
| 並程度・年式相応(走行不明/補修必要箇所あり) | 約300〜700万円台 |
| 状態良好・純正度高め・整備履歴あり | 約650〜900万円台 |
| フル整備・仕上げ済み・人気グレード | 約800〜1,000万円台 |
| 仕上げ済・高品質個体・希少仕様 | 1,000万円超の個体が存在 |
(例:1974年式 S30・5速・純正系 → 支払総額約698万円台
※カーセンサー掲載車両より)
数字が示す通り、同じS30でも状態・整備歴・仕様によって価格が大きく変わるのが最大の特徴です。
2. オークション(ヤフオク)での落札価格の傾向
直近120日間の落札データでは、以下のように非常に広いレンジで落札されています。
- 最安落札例:10万円台
- 最高落札例:1,700万円超
- 平均落札価格:約545万円前後
オークションは「状態不明・書類付きジャンクから高品質レストア車まで混在」するため、店頭価格よりもバラツキが大きい点が特徴です。
3. 相場の大枠を理解するための3層構造
S30の相場は、以下の3つの価格帯で理解すると判断しやすくなります。
●【第一層】300〜700万円帯(一般的な中古車)
- 年式相応の劣化がある
- 錆補修や整備が必要なケースがある
- “ベース車”“並車”と呼ばれるカテゴリー
●【第二層】700〜1,000万円帯(良質・純正度の高い車両)
- 整備履歴が残る
- オリジナル度が高い
- 腐食が少なく、走行に必要な整備がある程度済んでいる
●【第三層】1,000万円超(レストア済・超上級コンディション)
- プロショップにて仕上げ済み
- 希少仕様(初期型・海外グレード等)
- ボディ・機関・内外装すべて高品質
4. 国内仕様と海外仕様(240Z/260Z/280Z)の相場差
- 240Z(北米仕様)
→ 海外評価が非常に高く、国内でも総額1,000万円前後を超える個体が多い - 260Z/280Z
→ 年式が進むためやや落ち着くが、状態次第では高額 - 国内仕様S30(L20)
→ 安いわけではなく、良質個体は800〜1,000万円帯に十分入る
海外需要により、国内相場も引き上げられているのが現状です。
要点まとめ
- 2025年時点でのS30相場は 300万円〜1,000万円超 と非常に幅広い。
- 良質個体は700〜1,000万円台、仕上げ済みは1,000万円を超えるケースが多い。
- オークションでは 平均約545万円前後 とされるが、状態差が大きく価格帯はバラバラ。
- 海外仕様の高騰により、国内仕様の相場も上昇傾向にある。
資料を見ると、S30は「まだ高騰し続けている段階」にあり、状態が良い個体は特に高値で取引されている印象です。
状態別の価格帯(並品・良品・レストア済・改造車)

フェアレディZ S30は「見た目が同じでも価格が大きく違う」代表的な旧車です。
理由は、腐食の程度・機関の整備履歴・レストア範囲・改造内容の違い が相場に直結するためです。
ここでは、中古車販売サイト・オークション実績から確認できる「状態別の現実的な価格帯」を整理します。
1. 並品(ベース車・要整備車)
中古車相場の中で最も価格差が出やすい層。
特徴
- 年式相応の劣化
- 外装に色あせ・錆が見られる
- 足回りや燃料系などに要整備箇所あり
- 機関系の点検・調整が前提となる
実勢価格帯
- 約300〜700万円台
備考
外観が綺麗でも内部腐食がある個体が含まれるため、「安い=お買い得」ではなく、整備費用を見越して判断する必要があります。
2. 良品(純正度が高い・整備歴ありの個体)
特徴
- 腐食が比較的少ない
- 足回り・燃料系・冷却系が整備済
- オリジナル度が高く、改造が少ない
- レストアまではいかないものの「日常的に走らせられる状態」
実勢価格帯
- 約650〜900万円台
備考
この価格帯は競争が激しく、すぐ売れる傾向があります。
「適正価格帯の中心」と言える層です。
3. レストア済・高品質個体(プロショップ仕上げ含む)
特徴
- ボディ補修済(腐食対策あり)
- 全塗装または高品質塗装
- エンジン・足回り・ブレーキ総合的に整備
- 内装も仕上げ済または美品
実勢価格帯
- 約800〜1,200万円以上
備考
レストア内容が車両ごとに異なるため、価格差が最も大きい層。
仕上げのレベルが高い車両は1,000万円台後半に到達することもあります。
4. 改造車(公認済み/チューンド系)
特徴
- L28換装やSOLEXキャブなどのチューニング例
- 足回り強化、ロールケージ、FIA/N1風仕様など
- 仕様によって評価が高い場合もある
実勢価格帯
- 約700〜1,500万円以上
備考
改造内容が雑な個体は安値になりますが、“きちんと作られたチューンドZ”は非常に高額で取引されます。
特に L28公認車両は1,000万円を超えるケースが多い です。
5. 海外仕様(Datsun 240Z / 260Z / 280Z)
海外市場を基準にすると、北米仕様Zは国内より評価が高いことがあります。
海外販売の傾向(参考値)
- $20,000〜$80,000(約300〜1,200万円)
- 平均は 約$31,000(約450〜500万円)
※海外相場は国内輸入時には諸費用・為替で変動します。
要点まとめ
- S30は「状態」で価格が大きく変わるため、状態別相場を見ると判断しやすい。
- 並品:300〜700万円台
- 良品:650〜900万円台
- レストア済:800〜1,200万円以上
- 改造車:700〜1,500万円以上
- 海外仕様は国内相場を押し上げる存在となっている
状態別に価格がはっきり分かれており、良質な個体ほど高値で取引されているのがよく分かりますね。
価格差が大きく出る理由(仕様・整備歴・腐食の有無)

フェアレディZ S30は中古市場の中で「同じモデルでも数百万円単位で価格が変わる」数少ない車種の一つです。
その背景には、仕様の違い・整備履歴の差・ボディ腐食の程度 といった、旧車ならではの評価基準があります。
この項目では、S30の価格がここまで大きく変動する理由を体系的にまとめます。
1. 仕様の違い(国内仕様・輸出仕様・初期型など)
S30は登場から改良が重ねられ、年式によって細かな仕様差があります。
価格差に直結する主な仕様
- 初期型(1969〜1971年):人気が高く希少
- 国内仕様(L20・2.0L):安定した需要
- 輸出仕様 240Z(L24・2.4L):世界的に人気が高く、高額になりやすい
- 260Z・280Z:仕様により評価が分かれる
特に240Zは北米市場での評価が高く、国内で販売される場合でも高額帯に入る傾向 があります。
2. 整備履歴の有無(記録が残っているか)
旧車では、どこを整備したかが中古車価値に直結 します。
整備履歴の有無で変わるポイント
- エンジンのオーバーホール歴
- キャブレター調整や燃料系整備
- 足回りブッシュ・ショックの交換
- ブレーキ系のオーバーホール
- 電装ハーネスの更新や修正
これらが「実施済み」か「未実施」かで、販売価格に大きな差が出ます。
3. ボディ腐食の程度(最も価格に影響する要素)
S30の最大の“価格を左右するポイント”がボディ腐食です。
腐食が価格に直結する理由
- 補修には溶接・パネル切除など大工事が必要
- 進行が深いほどレストア費用が急増
- 見えない箇所に腐食が潜んでいることが多い
とくに以下の部分が腐食している場合、価格が大きく下がります:
- サイドシル
- ストラットタワー
- フロア
- リアフェンダー
- ハッチまわり
逆に、ボディが良い個体はそれだけで価値が跳ね上がる のがS30相場の特徴です。
4. 内外装のオリジナル度(純正重視か・改造か)
旧車市場では「純正度」が評価される傾向が強く、以下の部分がオリジナルかどうかで価格が変わります:
- 内装(ダッシュ・シート・メーター)
- 外装(バンパー・エンブレム・ホイール)
- 機関(オリジナルL型エンジンか)
ただし、S30の場合は 高品質に仕上げられた改造車も高額になる 特殊な市場です。
5. レストア範囲と仕上げのレベル
レストアには作業レベルの差があり、
- 「外装のみの簡易レストア」
- 「ボディ・機関・内装フルレストア」
では価値が数倍変わります。
仕上げの丁寧さは価格に大きく影響し、プロショップ施工のフルレストア車は1,000万円以上が基準 になることも珍しくありません。
6. プレミアム性・コレクター需要
世界的にクラシックカー市場が拡大し、特にアメリカ・オーストラリア・欧州では日本車の評価が上昇しています。
そのため:
- 海外需要が国内相場を押し上げる
- 初期型や希少仕様が高騰する
- 輸出目的での買取が増える
といった動きが価格の底上げにつながっています。
要点まとめ
- S30の価格は「仕様・整備履歴・腐食の程度」でほぼ決まる。
- 特に ボディ腐食は最大の価格差要因。
- 整備履歴が豊富な個体ほど高値で取引される。
- 240Zなど海外仕様は相場が高く、国内価格にも影響。
- 高品質レストア車は“別のマーケット”として扱われる。
資料を見ると、S30の相場は“ただの中古車価格”ではなく、コレクター市場の影響を強く受けた特殊相場 だと感じますね。
海外相場(Datsun 240Z / 260Z / 280Z)の傾向

フェアレディZ S30系の海外相場は、国内相場以上に活発で、特に北米市場では“日本車クラシックの代表格”として高い評価を受けています。
240Z・260Z・280Zはすべて海外仕様であり、日本国内のL20搭載車とは異なるエンジン・仕様を持つため、独自の市場価格が形成されています。
この項目では、2025年時点で確認できる海外での販売価格・傾向を整理します。
1. Datsun 240Z(2.4L・L24エンジン)の相場
海外で最も人気が高いモデルが240Zです。
以下は実在する海外販売サイト(Bring a Trailer など)での売買価格帯からまとめた傾向です。
実勢価格帯(海外)
- 約20,000〜80,000ドル(約300〜1,200万円)
- コンディション良好な車両:40,000〜70,000ドル台(約600〜1,000万円)
- コンコースコンディション:80,000ドル超
傾向
- 北米市場での人気が高く、多くの個体が高額で落札される
- オリジナル度の高い初期型は特に評価が高い
- 国内へ逆輸入されるケースも増加
海外の高騰が、そのまま国内の240Z相場にも影響を与えています。
2. Datsun 260Z(2.6L・北米規制モデル)
260Zは1974年の1年のみ販売された希少モデルですが、排ガス規制によりパワーが抑えられているため、240Zより相場は落ち着いています。
実勢価格帯(海外)
- 約15,000〜50,000ドル(約230〜750万円)
傾向
- 年式の短さから希少性は高い
- ただし「走り」の評価では240Zが優勢
- 良質車は近年価格が上昇傾向
240Zと比べると割安に感じられるが、良質個体の減少により価格は着実に上昇しています。
3. Datsun 280Z(2.8L・燃料噴射仕様)
280Zは北米向け最終モデルで、日本国内のS30系にはない燃料噴射エンジンを搭載します。
実勢価格帯(海外)
- 約15,000〜40,000ドル(約230〜600万円)
傾向
- 240Zより相場は控えめ
- 実用性・安定性から根強い人気
- レストモッド(現代風改造)ベースとしての需要が高い
240Zほどのプレミアは無いものの、海外では「手の届くクラシックZ」として価値が安定しています。
4. 海外相場が国内価格を押し上げる理由
S30系は海外での人気が非常に高いため、近年は以下の動きが多く見られます:
- 海外バイヤーによる国内車両の買い付け
- 日本国内車の“逆輸出”が増え、流通台数が減少
- 海外オークション価格が国内評価に反映される
結果として、国内仕様のS30(L20)も相場が押し上げられる という状態が続いています。
5. 海外相場の総括
海外市場の評価を踏まえると、次のように整理できます:
| モデル | 海外価格帯 | 市場での位置付け |
|---|---|---|
| 240Z | 300〜1,200万円 | 最も評価が高く、国際的に人気 |
| 260Z | 230〜750万円 | 価格は控えめだが希少性あり |
| 280Z | 230〜600万円 | 実用性重視、レストモッド需要 |
海外の評価は今後もS30相場に影響を及ぼすと考えられます。
要点まとめ
- 240Zは海外市場で最も人気が高く、高値で取引されやすい。
- 260Z・280Zは比較的落ち着いた相場だが、良質個体は上昇傾向。
- 海外価格の上昇が国内相場の上昇にも直結している。
- S30の中古車相場は「国内市場+海外需要」の二軸で形成されている。
海外資料を見ると、S30が“世界的なクラシックカー”として確立している印象を強く受けますね。
購入時に注意すべきポイント(相場と実勢価格の差)
フェアレディZ S30の中古車は、同じ外観をしていても価格差が極端に大きいため、相場だけで判断すると「割高な個体」や「後から大規模整備が必要な個体」を掴むリスクがあります。
ここでは、S30を購入する際に特に注意すべきポイントを、相場との関係性を踏まえて整理します。
1. 相場の“中央値”ではなく、“状態ごとの適正価格”を見る
S30には明確な3階層の市場価格が存在します:
- 300〜700万円帯:並品・ベース車
- 650〜900万円帯:良質個体
- 800〜1,200万円超:レストア済車・希少仕様
この階層を理解せず 「平均相場は○○万円だから、この個体は高い/安い」と判断すると誤りが生じます。
適正価格の考え方
- 状態が良く整備済み → 高額でも“妥当”
- 補修前提の個体 → 安価でも“割高”の可能性
実勢価格とは「見た目の値段」ではなく、“購入後に必要となる費用を含めた総額” を指します。
2. 税込表示・諸費用を含んだ「支払総額」で必ず比較する
中古車サイトでは、以下の2つが大きく異なることがあります:
- 車両本体価格
- 支払総額(諸費用込み価格)
旧車は整備内容にばらつきが大きく、総額表示が実勢価格に近い と考えるべきです。
注意点
- 「本体価格は安いが、諸費用が高額」なケースも存在
- 整備費用をオプション扱いにしている販売店もある
支払総額の確認は必須です。
3. ボディ腐食の程度は価格の核心部分
価格差の最大要因である腐食は、見た目では判断しにくい うえに修復費用が非常に高い項目です。
腐食確認ポイント(相場に直結)
- サイドシル
- ストラットタワー
- フロア前後
- リアフェンダー内側
- ハッチ周辺
ここに腐食がある場合、修復費用は大きく跳ね上がるため、車両価格が安くても“総額では高くつく” ことがあります。
4. 整備履歴・レストア範囲の確認は必須
整備履歴が明確な車両は価格が高くなる傾向にあります。
逆に、履歴が曖昧な個体は価格が安くてもリスクが大きいといえます。
確認すべき項目
- 足回りブッシュ交換歴
- 燃料ポンプ・ホース類の交換
- 冷却系(ラジエーター・ホース)の整備
- ブレーキのオーバーホール
- 電装ハーネスの修復履歴
「どこを、いつ、誰が、どの程度整備したか」
これらが明確な個体は相場の上限寄りでも妥当といえます。
5. 改造車は“仕様の質”で価格が二極化する
S30は改造車の人気が高いモデルでもありますが、改造の方向性・完成度 によって価値が大きく分かれます。
高評価につながる改造例
- L28換装+公認
- SOLEXキャブ+きちんとセッティング
- 足回り補強・強化
- プロショップ施工の整ったチューン
再販価値が下がりやすい改造例
- セッティング不良
- 配線処理が雑
- ボディ加工が大きいもの
“改造=高額”ではなく、「丁寧に作られたかどうか」で価格が決まる のがポイントです。
6. 海外仕様との価格差に惑わされない
240Zの高騰は国内相場にも影響を与えますが、全体の相場が上がっているからといって、すべてのS30が高評価になるわけではありません。
- 仕様
- 年式
- 整備歴
- 腐食状態
- レストア範囲
これらを一つずつ確認しないと、妥当な価格は判断できません。
要点まとめ
- S30は相場の“平均値”ではなく“状態ごとの相場”で判断する必要がある。
- 総額表示で比較するのが最も正確。
- 腐食・整備歴は価格の核心要素。
- 改造車は、仕上がりの質によって評価が極端に分かれる。
- 240Zなど海外仕様の高騰に引きずられすぎると、適正判断を誤る可能性がある。
資料を見るほど、S30の価格判断は“数字だけでは語れない”奥深さがありますね。
よくある質問

Q1. S30の中古車は年式を基準に価格が決まりますか?
年式よりも「車体の腐食状態」と「整備履歴」のほうが価格に強く影響します。
同じ年式でも、ボディ補修済みで整備記録が残る個体は高額になり、逆に腐食が進んだ個体は大幅に安くても割高になることがあります。
Q2. 300〜500万円台のS30は買っても大丈夫でしょうか?
可能ですが、要整備車・腐食あり個体 が多い価格帯です。
購入後に足回り、燃料系、冷却系などの整備に追加費用が必要になるケースが多く、結果的に総額が高くつくことがあります。
購入前の下回り確認は必須です。
Q3. 800万円以上の個体は高すぎませんか?
高額に見えますが、ボディ補修済み・整備済み・オリジナル度が高い高品質車 が多い価格帯です。
レストア費用を考慮すると妥当な金額であることが多く、むしろ総額では割安に収まるケースもあります。
Q4. レストア済と書かれた車は安心できますか?
レストアの範囲が明記されている場合は判断しやすいですが、「どこまで手が入っているか」が非常に重要です。
外装のみ仕上げた車も存在するため、ボディ内部や足回り、電装などの整備内容を確認することが必要です。
Q5. 240Zと国内仕様S30では価格差があるのですか?
あります。
240Zは海外人気が非常に高く、国内外で高額取引されやすいモデルです。
国内仕様のS30も近年相場が上がっていますが、240Zはさらにワンランク高い価格帯に入ることが多いです。
Q6. オークションで買うのは危険ですか?
危険というより、「より自己判断が必要」な買い方です。
状態が素晴らしい個体が出ることもあれば、説明の少ない車体もあります。
現車確認ができない場合、腐食や改造の質を見極めにくく、リスクは高くなります。
Q7. 改造車は中古相場で不利になりますか?
内容によります。
仕上げが丁寧で、公認取得済みのチューンド車は高額で取引されます。
一方、配線処理や溶接が雑な個体は安くても敬遠されやすく、再整備費用がかさむことがあります。
Q8. 走行距離はどれくらい気にすべきですか?
旧車のため「走行距離そのものの価値」は低い傾向にあります。
それより重要なのは、定期的な整備が行われてきたかどうか です。
走行少なめでも劣化が進んでいる場合があるため、履歴の確認が欠かせません。
Q9. 車両価格と整備費用の割合はどのくらいが理想ですか?
一概には言えませんが、状態が不明な個体に安く飛びつくより、整備済みの高額車を購入したほうが、結果的に総額が抑えられることが多いです。
特にボディ腐食の補修費用は高額になりやすく、最初から状態の良い個体を選ぶメリットは大きいです。
Q10. S30は今後さらに値上がりしますか?
確実なことは言えませんが、海外需要の強さや国内の良質個体の減少から、相場が急落する要素は少ないと考えられます。
ただし市場は変動するため、タイミングよりも“買う個体の質”を重視する方が後悔がありません。
まとめ
フェアレディZ S30は、国内外で高い人気を誇るクラシックスポーツカーであり、相場は年々上昇傾向にあります。
しかし、価格は「年式」ではなく「状態・整備履歴・腐食の有無・仕様」によって大きく分かれます。
300万円台から購入できる個体も存在しますが、その多くは補修や追加整備が必要で、購入後に多額の費用が発生する可能性があります。
一方、整備履歴が残る良質個体やレストア済み車は高額ですが、実際には総額を抑えやすく、安心して長く乗れる魅力があります。
海外市場、とくに北米の240Z人気は依然として高く、国内相場にも強く影響しています。
これからS30を検討する読者にとって大切なのは、「相場の平均を見るのではなく、自分が検討する個体の状態を正しく理解すること」。
腐食や整備状況は価格に直結するため、現車確認や専門ショップでの点検を強くおすすめします。
資料を眺めていると、S30が単なる旧車ではなく、世界的に評価され続ける“特別な存在”であることを再認識します。
時間をかけて良質な一台を探し出すことが、この車を長く楽しむための第一歩になるはずです。
参考リンク(実在資料のみ)
日産自動車 フェアレディZ 技術資料(L型エンジン概要)
https://www.nissan-global.com/
国立国会図書館デジタルコレクション:フェアレディZ S30 カタログ
https://dl.ndl.go.jp/

